BonNo

石川・富山・福井の地域情報が満載!もっと愉しく生きるための地域情報誌 BonNo ボンノ

今月号の特集は絶品うまいもん! 北陸の街が美味しいものであふれてる! 今年も残すところあと少し そろそろ、忘年会のお店を決めなくては もうストーブは出したかな? 風邪には気をつけて!

PEOPLE

#56 河崎 宏さん

生きる糧となるような 味噌を、これからも 作り続けていきたい


河崎 宏さん

自然栽培や有機栽培によって作られた国産の材料のみを使用し、日本で唯一とも云われる天然麹菌による味噌づくりを実践している福井県越前市の『マルカワみそ』。創業は大正3年。木桶に丸一年じっくり寝かせるという昔ながらの製法で作られた味噌は、どこか温かみがあり美味しく体にも優しいと評判だ。現代表の4代目、河崎宏さんが本格的に味噌づくりを目指したのは高校卒業後、東京農業大学に進学してからだそう。「入学当初は家業を継ぐという漠然とした思いの中で日々を過ごしていました。転機が訪れたのは大学2年生の時。食品添加物の危険性についてまとめた一冊の本を読んだ時に〈食べ物とは一体なんだろう、生きるとはなんだろう〉という問いが自分の中にどんどん湧いてきたんです。卒業する頃には、実家に戻っ
たら無農薬の味噌を作る!と心に決めていました」。
帰郷後は父の下で『マルカワみそ』に従事しながら、専門の知識や技術を学ぶ日々。ようやく無農薬・無添加の味噌づくりが形になり始めたのは、30代後半になってからだったそう。「まず最初に始めたのが、無農薬の米や大豆を作るということでした。当時はまだ有機栽培をする農家はほんのひと握りしかおらず、自分たちで作るしかなかったんです。その後、福井県でも自然栽培で米や大豆を作る農家さんも増えて、そちらの大豆を使わせてもらうようになったのですが、今度は味噌が売れない。そりゃ、お客さんにとったら値段が他より高い理由も、無農薬の作物を使う意味も分からない。味噌に対する自信はありましたが、我々のこだわりを伝えるのには大変苦労しました。それでも我慢してこられたのは、これから生まれてくる子どもや孫の世代のためにも農薬や添加物を使わない有機食品が、今以上に大切な存在になると思ったから。生きるために本当の意味で糧となる、これからもそんな味噌を作り続けていきたいですね」。

そんな河崎さんのこれからの目標は〈味噌汁レストラン〉をオープンすること。食卓から味噌汁が消えつつある今の世の中、健康的でどんな食材にも合う万能調味料として、味噌の魅力を若い世代の人たちに知ってもらうのは大切なこと。河崎さんの夢はまだまだ終わらない。

河崎 宏さん
福井県越前市出身。大正3年創業の老舗味噌屋「マルカワみそ」の4代目。「限りなく自然・天然に近い素材と製法を用いた味噌づくり」をモットーに、有機(自然)栽培の国産作
物を使用した昔ながらの手づくり味噌を作り続けている。
http://marukawamiso.com

pagetop