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今月号の特集は絶品うまいもん! 北陸の街が美味しいものであふれてる! 今年も残すところあと少し そろそろ、忘年会のお店を決めなくては もうストーブは出したかな? 風邪には気をつけて!

PEOPLE

#61 井上博子さん

次世代に伝えたいのは、湧き上がる自然を心と体で感じるお産。


井上博子さん

緑豊かな白山の麓で、昔ながらの出産の知恵を妊婦たちに伝え続ける助産院がある。出産のサポートはもちろん、産後の子育てまでもを温かく見守ってくれる『生命の森 ひろ助産院』の井上博子先生にお話しを伺った。
「妊娠、出産は昔から女性にしかできない大切な仕事。それを自分のものとして主体的に捉え、妊娠や出産そのものに対して女性自身が誇りを持って臨めるようにサポートするのが、私たちの仕事だと考えています」と包み込むような笑顔で話す。
40代までは一般の総合病院に勤務していたという井上先生が、ご自身の助産院を立ち上げたきっかけとは。「チーム医療である病院に勤務していると、一介の助産師では深いところで妊婦さんに関われません。生まれてくる尊い命のために、一人ひとりの妊娠から出産に対して、生活や環境レベルで関わりたかったんです」と井上先生。
数多くの出産を目の当たりにしている井上先生が感じる、〈現代の妊娠と出産〉とは。「医療の発達による恩恵がたくさんあった反面、それによって妊婦の主体性が奪われてしまった。元気な胎児を作るというのはマニュアル化できません。妊婦一人ひとりの個性を見ながら、表面的な部分だけではなく、生活レベルでのアドバイスが必要。また、妊婦の周りに『体を冷やしてはダメ』『こんな食べ物がいい』と教えてくれる年長者がいなくなった。そんな時代ですから、助産院が食べ物や生活の知恵を“お節介”するのが務めだと考えています」。
産んで終わりではなく、産後のお母さんたちをサポートする「タッチケア」や「おむつなし育児」などのクラスなども行う同院。「子供が生まれると、産んだあとにも〈こんなに大きくなったよ!〉と産まれた場所に見せに来たくなるもの。そんなお母さんたちが気軽に集まってもらえたら」と先生。その集まりはお母さんたちの交流にひと役かっているだけでなく、まったく新しいコミュニティを生む出会いになることも。「わたしはもう70になりますので、支援してくださっている皆様をはじめ、この助産院を新しい世代に引き継いでいけたらいいなと思っています」と井上先生。命を次世代につなぐ“生命の森”も、新しい時代へとその役割を繋いでいくことだろう。


井上博子さん
山梨県出身。夫のU ターンにより石川県に住む。公立病院で看護師や助産師として働いたのち、47歳のときに自身の助産院『ひろ助産院』を立ち上げる。当時開業助産院が少なかったことをうけ、助産師仲間に助産師を解放する「オープンシステム」をとり、現場を離れている助産師などを呼び込み、経験を積んでもらったうえで独立をサポートし続けてきた。
生命の森 ひろ助産院(076-274-8715)
http://www7b.biglobe.ne.jp/~hiro_jyosannin/

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