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今月号の特集は絶品うまいもん! 北陸の街が美味しいものであふれてる! 今年も残すところあと少し そろそろ、忘年会のお店を決めなくては もうストーブは出したかな? 風邪には気をつけて!

PEOPLE

#63 吉村祐紀さん

ストップ害獣被害!イノシシ革の製品を世の中に広めたい。


吉村祐紀さん

石川県で年々拡大するイノシシ被害に立ち向かおうと、県内の大学院生らによって立ち上げられた『ハタブネコンサルティング』。今回はその代表者である吉村さんに、詳しい活動内容を聞いてみた。
「大学院の講義で〝石川県が抱えている問題を発掘しよう〟というグループワークに参加し、その時にイノシシの被害に悩まされている地域がとても多いことを知りました。よくよく調べると、年間数千頭が狩猟されていながら、食用にされるのはごく僅か。ジビエ肉加工の副産物として生まれた皮を処分するにもお金が必要で、生産者の経営を圧迫するなど様々な問題点が浮き彫りになりました。それならば自分たちがその肉や皮を引き取って、有効活用できないかと考えたのが今回の活動のきっかけです」。
目指すのは皮や骨を余すことなく活用した製品づくり。その第一弾として、生産者から直接仕入れたイノシシの皮を「能登レザー」として商品化。今後は財布やアクセサリーなどの小物を中心に、木型から作る本格シューズなども制作していく予定だそう。
「イノシシの皮はとても軽く、その重さは牛皮の半分以下。しっとり手になじむ感触と、野性味を感じるシボ(皺)が特徴です。さらには頑丈で傷も付きにくく、撥水性や通気性にも優れているので、水に濡れても乾きやすくシミになりにくい。安定供給ができる段階ではないので割高なのがネックですが、他の革と比べても遜色はありません。加工に関してもジビエ革の活用を積極的に推進している職人さんに依頼しているので、ディテールもしっかりしています」。
その他にも、獣害被害そのものを減らすために、イノシシの住処になりやすい休耕田を利用した野菜づくりの体験学習を行うなど、あらゆる角度で害獣問題に取り組んでいる吉村さん。これからの目標とは?
「それまで間接的に山の保全をしていたマタギや林業を営む人の数が減り、イノシシの個体数が激増。農家さんが大事に育てた作物を食い荒らしたり、車と衝突したり人に噛み付いたりと、その被害は日を増すごとに表面化しています。これは石川県に限らず、他の県にも言えること。獣害被害に悩む人々やジビエ肉の生産者のためにも、この活動を全国に発信させていきたいです」


吉村祐紀さん
1989年生まれ。北海道出身。「ハタブネコンサルティング」代表。20 歳まで地元釧路で学生生活を送り、就職をきっかけに上京。2015 年より大学院進学のため、金沢に移住する。現在は害獣問題をテーマとし、羽咋市を拠点に活動。これまで産業廃棄物として処分されていたイノシシの皮を商品化(能登レザー)するなど、新たな可能性を模索している。
http://www.hatabune.com

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