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PEOPLE

#82 荒木幸子

旅をするように生きることのできる社会を目指します。


荒木幸子

人口減少の危機が叫ばれる昨今。少子化の進行により、日本の総人口は35年後の2053年に1億人を切ると予測されている(※1)。そんな状況を打破しようと2014年に国が掲げた政策が〈地方創生〉である。この取り組みによって地方移住を検討する人が増加。都会に暮らす若者にとって地方への移住は長い人生におけるひとつの選択肢となっている。そんな中で、福井県南越前町に暮らす荒木幸子さんが提案するのが〈流動創生〉という新しいスタイルの地方創生プロジェクト。ひとつの場所や地域に縛られない多拠点居住のライフスタイルを推奨するため、さまざまな仕掛けを試みている。
「東日本大震災直後に帰宅困難者やコンビニから食料が消滅する姿を目の当たりにして、都会のシステムの脆弱さに危機感を覚えるようになりました。予測不能な世の中に対応するためには、もっと人間が柔軟になる必要があるのではないか。そうした思いが活動の原点になっています」。
地方創生によって東京一極集中が解消されたとしても、働き手の不足、生産人口と非生産人口の逆転といった社会構造全体への不安は高まるばかり。そうした中で〈流動創生〉は組織や個人の流動性を高めることによって、ひとりひとりが最大の力を発揮できる〈1億総適材適所〉の社会を目指している。
「今、力を入れているのは、南越前町に一定の期間滞在して人々の暮らしに寄り添いながら、多拠点居住のあり方について学んでもらう合宿企画です。拠点となるシェアハウスを無料で開放する代わりに、町の人たちの仕事を手伝ってもらいます。もうひとつは全国を巡って地域の人々の暮らしや生業に触れながら自分に合った流動的なライフスタイルを模索する旅の企画。数日から数週間かけてワゴンで旅をします。参加者は20 から30代の若者が中心。多くの地域の暮らしを体験することで、自分自身が本当に求める環境や生活の基準を見直してもらえたらと思っています」。
今後はこの活動を全国に発信するため、同じような取り組みをする自治体と連携を取りながらパイプを繋いでいきたいとも。時代の一歩先を見据えた地方創生プロジェクトの未来に期待は膨らむばかりだ。
※1 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」出典


荒木幸子
1985年神奈川県生まれ。大学卒業後、都内のIT企業に就職し5年間勤務。2013年、福井県南越前町にて地域おこし協力隊に着任。2015年以降は、町の委託を受けて自身が提案した〈流動創生〉の事業に関する企画・運営を行っている。

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