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PEOPLE

#90 長田富士子

ジビエや狩猟の魅力を伝える女性ハンターの集まりです。


長田富士子

イノシシやシカなどの野生鳥獣を駆除するハンターの高齢化が進むなか、狩猟免許を取得する女性が近年急増している。女性ハンター団体『狩女の会』の代表として、ジビエの利活用に取り組む長田富士子さんもそのひとり。なぜ今、狩猟なのか。その想いを聞いた。

捕獲だけじゃないジビエの利活用。

自給自足の暮らしを目指し、2014年に狩猟免許を取得した長田さん。「狩りをするには獲物を解体して、皮や牙を加工するための幅広い知識と技術が必要」と、2016年に「狩女の会」を発足。現在、全国の女性ハンター約50名と交流を深めながら、狩猟にまつわる情報交換を行なっている。一方で、創作料理や革細工の教室など、女性ならではの視点でジビエの活用術を発信。そんななか、七尾市の能登島に誕生したのがイノシシ料理専門店『狩女の里』である。「イノシシの肉が硬くて臭いのは、仕留めてから解体するまでに時間がかかるから。速やかに処理されたイノシシ肉は美味しく、ビタミンB1が豊富で身体にも良い」と長田さん。解体施設が隣接する同店では、新鮮なイノシシ肉を使ったぼたん鍋やしゃぶしゃぶを用意する。

食文化の異なる奥能登での挑戦。

2018年の夏、長田さんは白山市の山間から穴水町に移住した。穴水町のある奥能登は石川県で唯一、解体施設のない地域。以前はイノシシによる獣害が少なかったが、その被害は年々深刻化。度重なる農林被害に悩まされている。そうした問題を解決しようと移住を決意した長田さんだが、直面したのは食文化の違いだった。行政や自治体の取り組みによって少しずつジビエの認知度が上がっているとはいえ、奥能登ではまだ獣肉を料理して食べる習慣がない。県全体で野生鳥獣を利活用するため、その輪を広げるのが長田さんの最終的な目的。そのため今は飲食店の力を借りながら、少しずつジビエ料理の魅力を浸透させようと試行錯誤している。

狩猟が教える生命の大切さ。

地域の問題を解決しながらジビエという自然の恩恵を活用する。そんな取り組みを続ける長田さんには、もうひとつの想いがある。「目の前に現れたイノシシが撃たれ、解体され、調理される。その一部始終を見届けた上で、出された料理を食べたときに〈いただきます〉とはこういうことだと気付かされました。そうした生命の大切さを、狩猟を通じて子供たちに伝えたい。そんなことも考えています」。5児の母でもある狩女の視線は、これからの日本の食育にも向けられていた。

長田富士子
福井市生まれ。女性ハンターで構成された『狩女の会』代表。ジビエ利活用アドバイザーとして活動するほか、革細工教室やジビエ惣菜店なども運営している。

味処 狩女の里
長田さんがプロデュースするイノシシ料理専門店。鍋コース4,000円~。ほかにもリブロースなどの一品料理も提供する。石川県七尾市能登島須曽町41-24 TEL.0767-85-2344 営業時間/11:00~14:00、17:00~21:00(いずれも4日前までに要予約) 定休日/不定休

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