BonNo

石川・富山・福井の地域情報が満載!もっと愉しく生きるための地域情報誌 BonNo ボンノ

A HAPPY NEW YEAR 2019! 今月号の特集は「さあ、新時代」 平成の時代もいよいよ最後の年 新しい元号はもう予想した? 枕の下に回文を入れて寝てごらん BonNoは春にリニューアルします

PEOPLE

#91 村田はるせ

アフリカから学んだことを、日本で多くの人に伝えたい!


村田はるせ

全国6都道府県で8回、西アフリカ諸国の絵本展「アフリカの絵本ってどんなの?」を開催し、およそ80冊の絵本を通してアフリカの文化や暮らし、そこに生きる人たちの感性を紹介。また、ヴェロニク・タジョという女性作家の絵本「アヤンダ/おおきくなりたくなかったおんなのこ」を翻訳するなど、アフリカの児童書、文学の研究を行っている村田さん。これまでの取り組みについて、話を伺った。

その土地の価値観や感性をわかりたい。

東京で10年間、保育士として働いていた村田さんは、担当クラスに日本語がわからない海外からの子供や親御さんが増えるにつれ、これまでの保育に行き詰まりを感じるように。新しい視点で保育を考えたいと、青年海外協力隊に応募。独学でフランス語を勉強していたこともあり、アフリカのニジェールに配属され、そこで2年間をすごした。「ドミトリーでアフリカ文学の翻訳本を見つけて。その頃は、地元の人や同僚との関係に少し悩んでいたときだったので、文学からアフリカの人たちが持つ価値観や感性がわかるかもしれないと思い読み始めました」。

現地の子供のための絵本がなかった。

アフリカで販売されている本はヨーロッパやアメリカからの輸入が90%を占め、アフリカの子供たちは、人物の肌の色も生活も自然環境もちがう外国の物語を読んできたそう。「出版物の多くはヨーロッパの言語で書かれ、学校の授業や絵本でもその言語が使われます。背景には、それまでの植民地支配の歴史がありますが、自分たちの言語でないものを使わないといけないというのは、子供たちのアイデンティティに少なからず影響を与えています」。海外からの本ばかりでは、子供の成長にとってマイナスになると考えた人たちが、1970年代からアフリカの子供の物語を書きはじめた。2000年代以降には、現地の作家・画家が増えだし、どの国にも絵本を扱う出版社ができてきたという。「絵本での体験から自分のことや人間同士の関係性など学ぶことは多いんですよね」。

編集者や作者と話してわかること。

任期の後、結婚を機に富山県へと移り住んだ村田さんは、アフリカ文学を学ぶため富山大学へ入学。卒業論文では児童書のパイオニア、ヴェロニク・タジョさんの作品を研究した。「日本で調べていてもわからないことがあったので、現地へ向かいました。現地の人と話したことで、たくさんのことがわかりました」。現在も作者や編集者から絵本に込めた思いや意味を聞きとり、それを日本へ持ち帰って伝える活動を続けている。

村田はるせ
東京生まれ、富山県立山町在住。東京外国語大学でアフリカ文学について博士号を取得し、アフリカ文学研究者として翻訳、絵本展、読書会を行う。

アヤンダ/おおきくなりたくなかったおんなのこ
風濤社
文:ヴェロニク・タジョ
絵:ベルトラン・デュボワ
訳:村田はるせ

pagetop