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日本有数の栽培家に聞く、コーデックスの魅力と上手な育て方

コーデックスとも呼ばれる塊根植物は、アフリカや中東などに生息する多肉植物の一種。肥大した根や幹のずんぐりとしたフォルムが特徴で、近年ではとくに30〜40代の男性を中心に人気を集めている。

 

時間をかけてゆるやかに成長していく品種が大半で、じっくりとその様子を見守りながら育てるのも醍醐味のひとつ。数年かけてようやく花を咲かせたときの感動はひとしおだ。

 

ぽってりした幹が特徴的なベティフォルメ。幹を覆う滑らかな表皮は、いずれ紙のように剥がれ落ちる。個性的な立ち上がりは自然の妙技か。

 

トゲだらけの芽が横方向に伸びた摩訶不思議なパターソニー。秋から春にかけて繊細な桃色の花を咲かせる。

 

かりんとうのような鈍い光沢の枝から、ギザギザした面白い形の葉を展開するミラビレ。成長が遅く、盆栽のようにゆっくりと樹形が楽しめる。

 

生きる力とは何をリアルに感じる。

金沢市某所に観葉植物の農園を所有する久保さん夫妻は、塊根植物だけで数百種類、サボテンも含めると数千種の多肉植物を育てる国内有数の栽培家。柔らかな陽光が差し込むビニールハウスには、稀少性の高いユニークな風貌の植物が所狭しと並べられている。

 

久保さんが塊根植物に興味を持ったのは、新居への引っ越しをきっかけにアエオニウム(別名:黒法師)を育て始めたことから。それまでは植物とは無縁の生活だったのが、あれよあれよとその魅力に取り憑かれたそう。

 

「塊根植物は寒さに弱いものが多い。休眠から目覚めて花を咲かせるたびにホッとします」と久保さん。そうした生命力をリアルに感じられるのも、愛好家を虜にする理由でもある。

 

農園で汗を流す奥様の浩美さん。夫婦共通の趣味として十数年前より栽培を始めた。

 

オンラインストアでも入手できる。

農園で育てられた植物や苗の一部は、オンラインストア『PICO庵』でも販売。手塩にかけて育てられたビッグサイズのコーデックスから、なかなか流通されていない稀少性の高いものまで取り揃えている。事前に予約をすれば栽培所を訪れることもできるそうだ。

 

長きにわたって植物が楽しめるよう、丈夫に育てることを常に意識している。

 

多肉植物やサボテンも栽培。インテリア向けのアレンジも受け付けている。

 

塊根植物を上手に育てるのに必要なのは「根気と忍耐」。

久保さん曰く、塊根植物は大きく分けると冬型、夏型、春秋型の3パターン。上手に育てるコツは「自分が育てているコーデックスがどのタイプに属しているかを知ること」だそう。

 

難易度が高いとされるコーデックスの育成ですが、ボタニカルライフのステップアップを目指してひとつ挑戦してみてはいかがでしょう。

 

根や幹を太くするために先端をカット。剪定による造詣も楽しみのひとつ。

 

冬場の寒さで凍傷になっても自身の治癒力で新しい芽を出すことも。諦めずにじっくり見守る忍耐力も必要。

 

PICO庵

ピコアン

石川県金沢市

TEL.090-1392-4644

 

※こちらの記事は、2018年7月末発行の『BonNo』vol.84を再編集したものです。

 

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