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【名物誕生秘話】何気ない会話が生んだ『てきさす』のテキサスロール

地元で愛されるあの店のあの料理が、どうやって生まれたのかを検証するシリーズ企画【名物誕生秘話】。今回は金石街道沿いにある金沢カレーの老舗『てきさす』で、お客さんの半数以上が注文するという名物「テキサスロール」の歴史を辿ってみました。

 

店主の道上裕夫さん。

だれにも真似できないものを追求しました

金沢カレーの源流として知られる「インディアンカレー」出身の道上裕夫さんが『てきさす』を開業したのは1974年。ちょうど西城秀樹がバーモンドカレーを食べながら「ヒデキ、感激」なんてやってた頃、秀樹よりちょっと年上の22歳という若さで独立した。

 

「テキサスロールをやり始めたのは店を開いて10年くらい経ってからかな。兄弟が居酒屋をやってるんだけど、そこの板前さんと『だれにも真似できないメニューはないもんか』なんて話をよくしていて。そのときの会話をヒントにして生まれたんだ」。道上さんは当時の思い出をそう振り返る。

 

週末には300本近くのテキサスロールが仕込まれる。

 

真似ができないのは仕込みに手間がかかるから。鳥の胸肉を薄切りして、大葉を敷いて、辛子明太子を乗せて、くるっと巻く。「そこまで大変じゃないのでは?」という人は、これをカレーの仕込みや他の作業をしながら、一日300本近くの量を作ることを想像してみて欲しい。手慣れたスタッフさんでも80本のテキサスロールを巻くのに約15分。一日分の量を仕込むのに最低でも1時間はかかる。仕込みだけでこの感じなら、他のお店が真似できないのも納得してしまう。

 

明太子の塩味と胸肉の淡白な味わいがマッチ。

いつもよりごはんの減るペースが早いかも

今度はその味を掘り下げてみよう。まずはソースを付けずにガブリ。サクッとした食感とジュワッと脂が口の中に広がって、そこから辛子明太子の塩味と大葉の爽やかな香りが追いかけてくる。ついついごはんに手が伸びるわんぱくな味。なるほど。ごはんの量が多いのもこれで納得した。付け合わせのソースは、エスニック料理でよく使われる甘辛のスイートチリ。なかなかの変化球と思いきやこれが揚げ物との相性が良くて、ピリ辛の明太子と絶妙なハーモニーを奏でる。まるでテキサスのカントリーミュージックのように。

 

テキサスロール定食773円(税抜)

 

定食を頼んだ場合はテキサスロール3本に、大盛りごはん、サラダ、漬物、納豆、小鉢、味噌汁、フルーツ、ヤクルト、ふりかけがセットに。しかも食後には自家製の甘夏ジュースもしくはコーヒーが付いてくる。これだけのボリュームで税込800円台というのもすごい。

テキサスロール以外にも定食だけで20種類以上と豊富なメニューも『てきさす』の魅力のひとつ。この道50年の大ベテランでありながら、新しい感性も大切にする道上さんのこと。もしかすると明日には新しいアイデア料理が増えてるかも?

 

漫画でも読みながらのんびりと。

 

金石街道沿いにあるレンガ造りの建物。

 

てきさす
石川県金沢市松村1-365
TEL.076-268-3230
営業時間/11:00~15:00、17:00〜21:00
定休日/水曜日
席数/カウンター9席、テーブル22席
駐車場/あり
※こちらの情報は取材時のものです。

 

(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)

 

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