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宿泊無料!日本初のロンドンバスホテルに泊まろう

白山市の住宅街に突如現れた真っ赤な2階建てバス。今にも走り出しそうな勢いだけど、じつはこれホテルなんです。

 

北陸新幹線開通から早5年。いまだにホテルの建設ラッシュが続いているけど、この巨大なロンドンバスを宿にしちゃうのは石川初、いや日本初の試みかもしれない。ということで『ロンドンバスホテル』の仕掛け人である世戸勇樹さんに話を聞いてみました。

 

代表の世戸勇樹さん。本業は外資系のサラリーマン。

 

「宿泊料金が無料というのもウチの特徴なんですよ」と世戸さん。

 

いきなりの先制パンチ。箱がロンドンバスというだけでも珍しいのに、それが無料で泊まれるなんて。石川県では安くても素泊まり2,000円前後、西成のドヤでも1泊500円かかるんですが…。全国を探しても無料で泊まれるホテルってあるんだろうか。

 

ちなみにどうやって経営が成り立っているのかというと、バスの車体にスポンサー広告が貼られていて、そこからの収入を運営費に充てているそう。宿泊客や見物客がバスを撮影し、SNSに投稿することで広告が拡散されるという仕組みです。年明けの段階では、地元の税理士事務所や歯科医院などの広告が掲載されていました。

 

スポンサーは随時募集中。月々1万円から掲載できるそう。

 

実際にイギリスで走っていたバスを直輸入。

ロンドンバスってそもそも何?という人に簡単な説明です。

 

「ロンドン市内で運営している路線バスサービス。ロンドン市内を拠点として走る全ての路線バスは基本的に赤色を基調とした塗装で定められ、複数の民間運行会社によって運行されている」とWikipediaさん。

 

ロンドンでの観光地巡りには欠かせない交通機関で、街のシンボル的な存在のようです。

 

レイランド社のオリンピアンというバスが使われている。

 

もともとログハウスで民泊事業を行なっていた世戸さん。とくに外国人観光客の評判が良く、増築を考えていたときにロンドンバスをホテルにするアイデアが浮かんだそうです。

 

「キャンピングカーや海外のスクールバスなど、いくつかの候補からロンドンバスを選びました。2階建てということで車内は広々として、快適性にも優れている。日本で前例がないという希少性も魅力でした。ただ、実際にイギリスで走っていたバスを購入したので、ここまで持ってくるのは本当に大変でした」

 

イギリスから約1万キロの航海を経て入国。愛知県の港から白山市までは、実際に道路を走ってきたそうです。

 

世戸さんが経営するログハウスホテル〈WOODDY〉

 

宿泊予約はロンドンバスホテルホームページから。年明けオープンにも関わらず、稼働率は着々と上昇中。観光シーズンは満室必至なので早めの予約をおすすめします。

ミニキッチンやシャワールームも完備。

せっかくなのでバスの中を探検してみました。

 

玄関はもちろん乗降口。イギリスでは日本と違って前の扉から乗るのが基本だそうです。本来なら運転手がボタンを押してドアを開けてくれるところだけど、ここではいくら待っていても開きません。

 

何万人ものロンドン市民が行き来した乗降口。

 

運転席はあえて残し、往時の雰囲気を伝えている。

 

バスの中は座席の大半を取り除いて、ゆったりと生活できる空間を確保。床材やクロスも新しく張り替えているので清潔感があります。1階はキッチン、シャワールーム、トイレ、ダイニングの間取り。キッチンには冷蔵庫のほか、電子レンジや電気ケトル、食器などを完備。これなら簡単な食事くらいは作れます。

 

数人で泊まるには十分な設備。

 

食器が用意されているのもうれしい。

 

イギリス発祥の絵本〈ウォーリーをさがせ!〉の壁紙が貼られたトイレと、バスの窓を活かしたシャワールームにも注目。スペースはゆったりめで、大人ふたりが動いても窮屈さは感じません。バスタオルやドライヤーなども用意されていて、泊まりに必要なものはあらかた揃っている印象です。ちなみに車で5分の場所に美川温泉があるので、そっちを利用するのもありです。

 

ウォーリーを探してトイレに籠らないように。

 

窓は外から透けない曇りガラスなので安心。

 

奥まで進むとダイニングルームに到着。しっかりと改装されているので、油断をしているとバスの中にいることを忘れてしまいそう。それくらい居心地が良いです。ストーブやエアコンも設置されているので、寒さや暑さ対策も万全。

 

ちなみに内装は世戸さんが思い描くイギリスの世界観が表現されていて、ベースカラーとなっている緑はイギリスの高級車〈ジャガー〉の色合いがモチーフになっています。

 

手前の壁にはテレビも設置。

 

床から天井まで約180cm。圧迫感はそれほどない。

 

路線バス時代の名残にロマンを感じる。

バスは2階建て。螺旋状のステップを駆け上がると、予想を超えた開放的な空間が目の前に広がります。小上がりの寝室は、多目的に使えるフリースペースとしても活躍。ボードゲームをしたり、早起きしてヨガをしたり。外の景色を眺めながら、のんびりするだけでもいいかも。

 

2階につながる階段を上ると…。

 

全面窓の圧倒的な開放感。

 

居心地の良さと清潔感を保つだけでなく、昔ながらのロンドンバスの雰囲気を随所に残しているのもポイント。ロンドン市民を運び続けること十数年。異国の地でありながら、色あせた部品や手書きのメモからはロマンを感じます。

 

シートのファブリックもそのまま使用。

 

磨り減った手すりに歴史を感じる。

 

バスは1990年製。今でも現役なのがすごい。

 

世戸さんはこうも話しています。「イギリスには結構な数のバスマニアがいて、バスの写真をSNSに投稿するとリプライしてくれるんです。中には僕のバスが実際にロンドンの街で走っていた写真を送ってくれた人もいて。いつかイギリスのバスマニアが泊まりに来てくれるとうれしいですね」

 

ゲストブックには「忘れられない一日になった」とのメッセージも。

 

場所は旧美川町に位置する白山市湊町。美川インターから車で10分。JR小舞子駅からは徒歩5分とアクセスも良好。金沢駅までは車でも電車でも30分もあれば着きます。

 

ちなみにホテル界隈には居酒屋や寿司屋などもちらほら。世戸さんのおすすめは駅前にある〈牛チャン〉という昔ながらの焼肉屋、個人的には車で5分の場所にある〈龍美〉がイチオシ(ニラ餃子最高)です。ローカルな町でグルメを堪能するのも、乙かと。

 

 

ロンドンバスホテル
石川県白山市湊町2-81
TEL.0120-966-638
営業時間/チェックイン16:00、チェックアウト10:00
定休日/不定休

駐車場/あり

HP/ロンドンバスホテル
※こちらの情報は取材時のものです。

 

(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)

 

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