Kan Sanoの音楽的ライフ【観ずる日々】第29回:ターンテーブル
新世代のトラックメーカーとして注目を集める金沢市出身アーティストKan Sanoの音楽的ライフをちょっと覗き見。
金沢の実家に眠っていたターンテーブル1台を正月に持ち帰り、その後さらに東京の友人から2台を譲り受け、いま自宅には4台のターンテーブルがある。すべてtechniquesのSL1200だ。
2台をリビングに並べてセッティングしてみたところ、DJ的に曲を繋いで再生できるようになったので、1台の頃よりさらにレコードが味わい深くなった。
その時、その瞬間に聴きたいと思う音楽をシームレスにどんどん繋げて聴くのはとてもエキサイティングで楽しいし気分転換になる。サブスクでも好きな曲を順番に聴くことはできるが、そこに曲と曲を自分で「繋ぐ」能動的な行為が入ると随分楽しみ方が変わってくる。繋ぐその瞬間は自分で音楽を作っているとも言えるし、のめり込むと結構創造的な行為だ。自分にはそれが向いているように思う。パソコンやCDJを使わずレコードのみに拘るのも、シンプルな仕組みやアナログなやり方を好む自分には合っている。ここに来てようやく良い趣味を見つけた気がする。音楽以外の趣味を持つことを長年夢見てきたけれど、結局音楽にしかのめり込めない性分みたいだ。
ついでにレコードプレイヤーをカスタマイズしてみたくなり、スリップマットを初めて買ってみた。いずれオリジナルのスリップマットを作ったりもしてみたい。グッズで販売しても売れないだろうなあ…。
◯Kan Sanoの音楽的ライフコラム【観ずる日々】
執筆者プロフィール
Kan Sano
石川県金沢市生まれ。キーボーディスト/トラックメイカー/プロデューサー 。バークリー音楽大学ピアノ専攻ジャズ作曲科卒業。FUJI ROCK FESTIVAL、RISING SUN ROCK FESTIVAL、ジャイルス・ピーターソン主催 World Wide Festival(フランス)など世界中の大型フェスに出演。 2019年アルバム『Ghost Notes』をリリース。テレビ朝日「関ジャム 完全燃SHOW」への出演でも注目を集めている。