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愛は真心、恋は下心|裕子の艶言葉 #59

酒も入れば心も開く。金沢屈指の名門クラブに在籍し、お酒の席で老若男女の心の声に耳を傾けてきた裕子さんの、酸いも甘いも知り尽くした人生談義。今日のお言葉は…?

 

みなさま、恋してますか?愛してますか?恋の語源には「乞い」があるそうな(諸説あり)。

 

欲しい、と熱望する気持ち。それは自分目線の利己的な欲望。好き!振り向いて欲しい!好きって言って欲しい!触れたい!キスしたい!抱いて欲しい!と言う性に直結する感情。それは大きく揺れ動くブランコ。いつか止まる時が来るけれども、相手の刺激があればブランコは揺さぶられ続ける。

 

一方の愛は慈しみ、相手目線で与える気持ち。よく無償の愛とか言うけれどもその通りで、赤ちゃんが泣いていたら抱っこしてあげたくなり、笑ってくれると満たされるような気持ち。相手が笑顔で居てくれたらそれだけで幸せになる気持ち。相手がたとえ病気になっても無一文になっても、与えたい、してあげたい、支えたいと思えるかどうか。

 

それらは、グオングオンと揺れ動くブランコのような気持ちのアップダウンでは無く、ジワ〜っと温かく、安定して包み込まれるような感覚。時には赤ちゃんや可愛い動物を愛でるような、胸がキュンッとしたり、相手の喜んでいる姿が嬉しい気持ちになる。

 

恋が「乞い」だとするならば、会える時間や会えるまでの距離があればあるほどもどかしく、あっけなく壊れる。しかし運命的、宿命的な愛には距離や時間は関係無い。どんなに離れていても相手の幸せを願う。どんなに出会ってから時間が短かろうと相手のことが、まるで自分の足りていない所を補う、片割れのように感じる。二人で居るとパーフェクトな安心感を体感する。

 

もしかすると運命的な愛は、カルマにも近いのかもしれない。どうしても出逢ってしまう。離れたとしてもまた、引き寄せられる様に出逢ってしまう。それはもしや、過去世で果たせなかった何かを果たそうとしているのかもしれない。たぶんだけど。

 

なんて、そんなこんなの恋や愛について、10代の頃から考え、感じており、それは今もあまり変わりません。ただ多大なる情け無い失敗も経た上で、経験値が増え、感度も鋭くなったし、審美眼も養われてきました。

 

愛とは、恋愛関係だけではありません。家族や友達、仕事仲間、どこでも育めるモノかと思います。あたしの側には、金(数字)に強く、プレッシャーに強く、メンタルもフィジカルも強い、あたしの足りない所を補ってくれる人ばかりが居てくれています。愛です。愛し、愛されています。

 

あたしが笑顔で居るとそんな人達がとても喜んでくれるので、そんな人達を幸せにする為に、笑っている人生を送ります。

 

艶小噺

7年前。初めて今の職場のあの重厚な扉を開けた時の緊張感は今でも鮮明に覚えております。

 

「もう36歳なのに高級クラブなんて務まるのか…!」

 

そんな思いは入店してすぐに払拭。面接も無く、にゅるっと入店させてくれた頼もしく寛大なママ、優しくしてくれるお姉さん達、懐いてくれる可愛いぷりぷりした年下の女の子達、上質でジェントルなお客様達…。信じられないくらい華やかで、毎日刺激的で楽しくて。コロナ禍もみんなで乗り越え、ソムリエの資格も取得し、たくさんのお客様とワインとママに育ててもらい、ここまで生きてきたような思いです。

 

そんな思い出深いお店を年内いっぱいで卒業します。そして、残りの人生のひと時を、やりたかった事、やってみたかった事に捧げようと思います。

 

年明け、カウンターメインのワインバーを金沢市木倉町にてオープンします。お客様のお隣に座り、接客をさせていただくと言う25年やってきたホステス業は卒業です。

 

おばんざいや、ワインに合うおつまみをご用意し、優しくて素敵なお客様達と上質なお酒を召し上がっていただく、美しい交流の場にします。オープンの日程が決まり次第、またお知らせさせていただきたいと思います。 どうぞよろしくお願いしますね。

 

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