Kan Sanoの音楽的ライフ【観ずる日々】第59回:定まらない
金沢市出身のキーボーディスト/プロデューサー・Kan Sanoが綴るエッセイ。新世代のトラックメーカーとして支持されるアーティストの音楽的ライフを覗いてみよう!
しかし服もメガネもバッグもヘアスタイルも、自分は何故いつまで経っても「これだ!」と言うひとつに定まらないんだろう。好みや気分が少しずつ変化しているのか。飽きっぽいのか。優柔不断なのか。
「ようやく探していた1本に出会えた!」「これだよこれ!」と毎度思いながらメガネを買い続け、気づいたらもう30本に迫ろうとしている。流石に最近は「この感じ多分これからもずっと続くんだな」と自覚しているし、昔何かの占い本に「散財運がある」と書かれていたことを度々思い出す。
メガネも服も靴もバッグも家具も音楽機材も、それなりに気に入って愛用しているアイテムは一応あるが、どれも決定打ではなく現時点の暫定一位でしかないって言う感覚。もしかしたら車や住まいもそうかもしれない。
買い物以外のこと、例えば曲作りやライブなど創作活動においても同様の「いつまで経っても定まらない感覚」がある。定まらないからこそ、また次の服を買うし、次の曲を作る。
欲しいものがあったり、作りたいものがあったり、何かしら欲求があるとモチベーションになるし良いことだとは思う。もし今すべての欲求が完全に消えてしまったら、それはそれできっと辛い。結構辛い。なんか同じようなコラムを以前にも書いた気がする…!
身に纏う物、身のまわりの物くらいはそろそろ定めていけたらいいなと思う。シンプルライフ。ミニマリスト。憧れる…!
でも歳を重ねると似合う物って変わっていくんだよなあ。
やっぱり一生定まることは無いのかもしれない。