
「石引ゲバゲバ音頭」遂にMV公開!|MOcA Diary カレーってからいですか #14
我々「石引プロモーション」が、昨年から構想・企画・制作してきた「石引商店街の新しいテーマソング(仮)」が、遂に完成しました!
楽曲と映像制作を担当してくれたのは、VHS映像とピアニカを使ったライブのほか、MV制作、VJ、DJなど幅広く活動するVIDEOTAPEMUSICさん。石引商店街の皆さんや、石引に思い出のある方々約100名から聞いた石引アンケートをもとに歌詞を作り、商店街に提供してもらった貴重な写真や過去の映像に、今回新たに撮影した動画を追加したミュージックビデオになります。
石引商店街振興組合結成60周年記念
平成版「石引音頭」発表30周年記念
ついでに昭和100年記念
テーマソング
VIDEOTAPEMUSIC『石引ゲバゲバ音頭』
(〜作者歌唱/仮歌VERSION〜)
〈作詞・作曲・編曲・映像制作・ボーカル〉
VIDEOTAPEMUSIC
〈ボーカル〉
淸造理英子(三田村管打団?)
〈ギター〉
牧野琢磨(NRQ)
〈コーラス・ハンドクラップ〉
石引商店街の皆様
〈作詞協力・映像・写真提供〉
石引ゆかりの皆様
石引商店街振興組合
石引ゲバゲバ音頭実行委員会
石引プロモーション
藤井正
〈企画制作〉
石引プロモーション
(JO-HOUSE、じょーの箱、石引パブリック、山岸薬局ビルヂング)
〈作者紹介〉
VIDEOTAPEMUSIC(ビデオテープミュージック)
ミュージシャンであり、映像ディレクター。失われつつある映像メディアであるVHSテープを各地で収集し、それを素材にして音楽や映像の作品を制作するスタイルをメインに活動。VHS の映像とピアニカを使ってライブをするほか、映像ディレクターとして数々のミュージシャンのMVやVJなども手掛ける。近年では日本国内の様々な土地でフィールドワークを行いながらの作品制作も行なっていて、日本各地での滞在制作の記録をカセットテープと160ページの書籍にまとめたカセットブック作品『Revisit』を2024年6月にリリース。2024年9月〜12月には金沢21世紀美術館と発酵デパートメントとのコラボレーション企画展『発酵文化芸術祭』に参加。石引『じょーの箱』にて酒造り唄をテーマにした映像と音楽のインスタレーション『While I was asleep』を展示。
『石引ゲバゲバ音頭(歌詞)』
一、
湧いた湧いた(※1)と楽しい町に
坂を上れば石引通り
老いも若きもここに集まり
小立野台地に灯がともる
石引 ゲバゲバ(※2)
ぶらぶらり アーケード
二、
路面電車が走った町さ(※3)
思い出運んで石引通り
今と昔の重なる景色
曇り空でも晴れのうち(※4)
石引 びきびっきぃ(※5)
鰤おこし(※6) ゴロゴロと
三、
忘れられないあの店の味
寄ってきまっし石引通り
今日も明日も歩いて巡る
君は石引通(※7)
石引 ゲバゲバ
ぶらぶらり アーケード
石引 ゲバゲバ
ぶらぶらり アーケード
ゲバゲバ ぶらぶらゲ
バゲバ ぶらぶら
〈注釈〉
(※1)湧いた湧いた
400周年を迎える酒造会社「福光屋」から湧き出る霊峰白山の湧水「百年水」や、「石引温泉・亀の湯」から湧き出る温泉は石引のライフラインです。おかげで街も湧いてます。
(※2)ゲバゲバ
石引交差点にある「下馬地蔵尊」のこと。1591年(文禄元年)頃に、金沢城建設のために開始する戸室山からの石曳きの安全を祈願して住民により建立されたと伝えられている。1623年(元和9年)に天徳院建立以降、地蔵堂の所を「下馬」と称し、馬での参拝者はここで降りなければならなかった。それで藩老藩士のための下馬腰掛所があったという。
(※3)路面電車が走った町
石引通りには昭和42年(1967年)まで市電(北陸鉄道金沢市内線)が通っていて、武蔵ヶ辻〜橋場町〜小立野という経路だった。
(※4)曇り空でも晴れのうち
石川県は年間降水量や傘の年間購入額が日本一なので「曇り=晴れ」というジャッジである。小雨でも晴れということもあります。
(※5)びっきぃ
2008年に誕生した石引商店街のマスコットキャラクター。
(※6)鰤(ブリ)おこし
11月半ばから12月にかけて、北陸地方で猛烈な風が吹き荒れ雷が激しく鳴り響く日のこと。この時期に日本海を回遊している寒鰤が、初冬の雷と合わせて獲れ始めることから、漁師が網を「起こす」というのと、雷鳴に驚き寝ている鰤を「起こす」という意味をかけて「鰤起こし」といわれている、石川県と富山県のみで使われる言葉。ちなみに石川県は年間雷日数も日本一です。
(※ 7)君は石引通
石引プロモーションが中心となって毎年制作している石引商店街の公式無料zine。現在まで3号発刊。
VIDEOTAPEMUSICさんと一緒に、商店街の老若男女の皆さんを集めてコーラスや手拍子のレコーディングをしました。
さらに!「石引ゲバゲバ音頭」の資料探しのために石引商店会館の押入れなどを捜索していたら、30年前(平成7年/1995年)に作られた「石引音頭」のミュージックビデオや、「石引音頭」が取り上げられたニュース映像が収録されたVHSビデオテープを発見!これはまさにVIDEOTAPEMUSICさんの大好物。いやー持ってますね我々。
元々、戦前にも「石引音頭」が存在してたけど(表記は「石曳音頭」だった)、戦争や戦後の復興や高度成長期の怒涛の時代で忘れ去られてしまい、音源はもちろん楽譜もない人から人への口承曲だった「石曳音頭」の最後は、石引の長老のひとりが歌い出しの一節をうろ覚えしてるのみで絶滅してしまいました。
そこで、ならばもう一回作ろうとなったのが平成版「石引音頭」です。30年前の石引の映像が見れる奇跡のミュージックビデオをどうぞ!90年代風映像再現で人気のYouTubeチャンネル「フィルムエストTV」ぽいけど、リアル90年代です!
「石引音頭」(平成7年/1995年VERSION)
作詞:大竹敏雄
作曲:むらい進
歌唱:杉山貞悦
お囃子:酒井菊美
【歌詞】
一、
ハアー(ヨイショ)
戸室山から 切り出す石を
引いた名残の 大通り
今じゃお店が ずらりと並び
通う心の 暖かさ(ソレ)
石引よいとこ 人情(なさけ)も厚く
笑顔あふれる アーケード
二、
ハアー(ヨイショ)
その名とどろく 兼六園は
ぶらり歩けば すぐの距離
歴史ゆかしい 天徳院も
ほんのすぐそこ すぐとなり(ソレ)
石引よいとこ 文化も栄え ぐるり周りに 観光地
三、
ハアー(ヨイショ)
若さはじける 学生街に
愛がはばたく 夢が舞う
ロマン漂う 小立野台は
四季がほのぼの 香る街(ソレ)
石引よいとこ きずなも強く
人の輪の花 咲きそろう
【蛇足】
30年前に新しい「石引音頭」を作ろうと企画した商店街の小松さんが当時48歳、今年「石引ゲバゲバ音頭」作ろうと企画したときの我々も48歳。何たる偶然。
そしてこれも偶然ですが「石引ゲバゲバ音頭」を作る際に、僕がVIDEOTAPEMUSICさんに「こんな感じの曲にしたいです」と提案した曲のひとつがバリー・マニロウが1978年に発表したディスコヒット曲『コパカバーナ』。
歌詞の内容を要約すると、
『ニューヨークにある人気ナイトクラブ「コパカバーナ」での出来事。スターを目指すショウガールのローラとバーテンのトニー。若い二人は恋人同士。そこに現れたリコという成金男がローラに一目惚れして踊り終わったローラを席に呼び出してちょっと度の過ぎたちょっかいを出してしまった。激怒したトニーはカウンターを飛び出しリコを激しく殴打。そこに鳴り響く銃声と飛び散る流血。誰が誰を撃ったのか?そこで彼女の恋は終わった。(長い長い間奏)彼女の名前はローラ。かつてショウガールだった。でもそれは30年前のこと。毎晩踊っていたコパカバーナも今ではディスコに改装。なのにいまだに色褪せた当時の衣装で着飾ってここに来て酒浸りになりトニーのことを思い出している。そう、彼女は青春も失いトニーも失い、そして正気も失ってしまったのさ…。』
この曲も長い長い間奏で30年の時の流れを表してます。そして、「石引ゲバゲバ音頭」の間奏も30年前を回想してます…これも偶然!?
そんなわけで今年のお祭りは「石引ゲバゲバ音頭」で踊りましょう!レコードも発売予定!お楽しみに!