【観ずる日々】第4回:2019年→2020年
相変わらずTwitterとInstagramが暮らしの中心に居座ってる。なかなか重度のSNS依存症だと思う。仕事のためと自分に言い訳できるのが事態を複雑化させている。「いいね」もストーリーも結局はすべてプロモーションだし、エゴサだって仕事のためと言えなくもない。たぶんこの状況は2020年も続くだろう。
最近Twitterで仕入れた情報。クリエイターは作業中に脳がかなり栄養を使うので、感情コントロールが下手になったり気が病んだりすることがあるらしい。対策としてアミノ酸やブドウ糖を摂ると良いと言う。作詞、作曲、アレンジ、ミックス。音楽制作は頭を使う作業の連続だ。ピアノを弾くのも脳の活性化に良いらしい。僕の脳は年中フル稼働しているのかもしれない。そういえばライブ後に頭痛が酷くなることがあるが、関係あるのだろうか。
その一方で身体を動かす機会がまったくない。あまりの運動不足に危機感を覚え、去年は週一で水泳に通うと決めたが、結局2回しか行かなかった。今年は心身ともに健康でありたいです。
年末年始は地元の金沢に帰り実家で過ごした。家の前に車を停めていたら何故か駐禁を切られてしまい、大晦日の晩は紅白を観ながら頭の中ではJ Dillaの「Fuck the Police」が無限ループ。心の落ち着かないモヤモヤした年越しになってしまった。
年が明けて6日後、今度は警官が家にやって来た。本来なら口頭注意のところ手違いで駐禁にしてしまったので取り消しますと言う。終始丁寧に対応してくれたので怒りも忘れてしまった。幸先が良いのか悪いのかよく分からない、不思議な年の始まり。初詣のおみくじは小吉だった。
正月は毎度楽しみにしている漫画の新刊を読んだり、知人から貰った古い音楽理論書をパラパラと眺めた。
昨年の一番の収穫は年末に出会ったこの本かもしれない。
谷川俊太郎、岡野大嗣、木下龍也。
大好きなお三方が詩と短歌のキャッチボールを繰り返しながら大きな物語を生み出す。自分にとってご褒美のような企画だ。対談も収録されていて本人たちによる解説が読めるのも有り難い。ことばが生まれる瞬間、創作の現場に立ち会うドキドキ感を味わえる。物づくりに関わる者なら間違いなく刺激を受けると思う。
◯Kan Sanoの音楽的ライフコラム【観ずる日々】
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執筆者プロフィール
Kan Sano
石川県金沢市生まれ。キーボーディスト/トラックメーカー/プロデューサー。バークリー音楽大学ピアノ専攻ジャズ作曲科卒業。国内外のアーティストのライブやレコーディング、コンピレーションに多数参加するほか、自身名義の最新アルバム「Ghost Notes」が好評発売中。