煩悩バンザイ!石川県がもっと
楽しくなるウェブマガジン「ボンノ」

仕事を辞めたい、離婚したい人たち|裕子の艶言葉 #79

酒が入れば心も開く。金沢屈指の名門クラブに在籍し、現在は木倉町でワインバーを経営する裕子さんの酸いも甘いも知り尽くした人生談義。酒席で老若男女の心の声に耳を傾けてきた夜の蝶ならではの言葉は、まるで美酒のごとく身体の奥まで沁みわたります。

 

ここ最近、「このままここで働き続けて良いのか」「辛い職場環境から抜け出したいけど辞められない」――そんな悩みをよく耳にします。

 

あーもー。辛い!辛すぎます。

大人になってからは、生活の大半を過ごすのが仕事や職場。そんな場所がストレスだらけで、自分の居場所がないなんて…想像するだけで辛すぎます。

 

よく聞くのが、「自分が辞めたら職場が困る。だから辞められない」という理由。でも、それは違います。

たしかに、あなたが急に辞めれば一時的に職場は困るかもしれません。けれど、何とでもなるんです。

 

あなた一人がいなくて潰れるような会社なら、そもそも長くは続きません。

そんなに重要なポストを任されるほど有能なら、本来は「辞めたい」と思うような待遇では無いはずです。

 

それでもひどい待遇が続いているのなら、なぜそこに居続けるのでしょうか。

 

それは「自分が辞めたら職場が困る」からではありません。本当の理由は、あなた自身がその職場に依存しているから。あなたが「この職場がなくなったら自分が困る」と思っているからです。

 

お給料をもらえなくなる不安、今から新しい環境へ飛び込む勇気がない、どこからも必要とされないのではないかという不安…。

その不安を理由に、あなたはその場所に依存しているのです。困るのは、あなた自身なのです。

 

同じように、「離婚したい」という相談もよく受けます。

 

あーもー。辛い!辛すぎます。

仕事から疲れて帰ってきて、本来なら安らげるはずの場所が過酷だなんて。あるいは仕事をしていなくても、家事や育児、子どものスケジュール管理や送り迎え…。

 

そんな日々で疲れ切った心身を休めるはずの安息の地が、戦場になるなんて――辛すぎます。

 

しかし、多くの人が言います。

「離婚したいけれど、子どもが…」「生活するお金が…」

これも同じで、困るのは“あなた”なのです。

 

子どもを理由にしていたり、生活費を稼ぐ勇気がなかったり。結婚生活に依存して生きているのです。

あるいは、家事や雑務をすべて相手に任せきりで、ひとりで生きていく自信がないのかもしれません。

 

もちろん、生活費を稼ぐことが難しい事情がある場合は、何かに依存して生きる必要があります。

赤ちゃんや、養育や介助を必要とする子どもたち。また、心身の理由でひとりでは暮らせない人たちも同じです。

養ってくれる人に依存して生きなければなりません。

 

私の相談相手は女性が圧倒的に多いので、ここからは女性目線で話します。

「離婚したい」という女性にアドバイスを求められたとき、必ず聞くのがこの質問です。

 

「経済的に、自立していますか?」

 

生きるには経済的な自立が必要です。そして経済的に自立するためには、まず心の自立が欠かせません。

「誰にも頼らず生きていく!」という強い気持ちが必要です。

 

甘えられる人がいるなら、甘えてもいい。でも、本当に強いのは「助けてー!」とSOSを出せる人です。

 

ただし、そのSOSを受け取ってもらうには、日頃から人と関わり、コミュニケーションを取っておくことが大切。

何の関係もない人や、助けたことのない人が突然「助けてください!」と来ても、多くの人は戸惑ってしまいます。

 

自立とは、その文字の通り「自分の足で立つ」こと。守らなければならないのは、まず自分の身体と心です。

それらが満たされていなければ、我が子や家族を含め、他人を幸せにすることはできません。

 

私は、人にも仕事にも子どもにも、なるべく依存せず、依存させずに生きることを心がけています。

「○○がなければ生きていけない」という状態を、少なくしていく生き方です。

最終的にはスマホやあらゆるサブスクも卒業し、身ひとつで生きていくことが理想です。

 

たまに「裕子さんについて行きます!」と言ってくださる方もいますが、そのたびにこう言います。

 

「ついて来ないで!自分で歩いて!」

 

私が残りの人生を共に過ごす人は、お互いに自分の幸せを持ち、お互い自分の足で立ち、寄りかからず、助け合い、想い合って生きていける人。

でも、どうしても困ったら「助けてー!」とSOSを出してくださいね。いったんは話を聞きます。(もちろん、関係性がある方に限ります)

 

不安と不満、どちらも抱えているとき、多くの人は「不満」を選びます。新しい世界へ飛び込むには不安がつきまとう。不安は怖い。

だから、文句を言ったり愚痴をこぼしたりしながら、不満を抱えている方が楽なのです。でも、それは“自分が楽”なだけ。

 

心理学者の加藤諦三さんは、はっきりこう言っています。

 

「不安を選び取らなければ、幸せにはなれない」

 

不安を選びますか?
不満を選びますか?

 

共に過ごす人、置かれた環境

――それが「あなた自身」です。

 

艶小噺

何年も抱えていた爆弾親知らず。

ついに不具合が続き、思い切って抜歯を決意。

 

口腔外科での一泊入院手術。

 

痛がりで怖がりのあたしを、口腔外科の名医が優しく慰め励ましてくれて臨んだ抜歯。

親知らずが不具合を起こすと言う不満では無く、口腔外科で抜歯すると言う不安を選びました。

 

おかげで悩みの種がひとつ減り、スッキリ爽快。

じつはまだあと一本あるのでまた名医に慰め、励ましてもらいながら挑みます。

 

WHAT’S NEW新着記事