
Kan Sanoの音楽的ライフ【観ずる日々】第72回:9月、頑張り時
金沢市出身のキーボーディスト/プロデューサー・Kan Sanoが綴るエッセイ。新世代のトラックメーカーとして支持されるアーティストの音楽的ライフを覗いてみよう!
今日も昼間いつも通りラジオを聴いていたら、「今年も残り3ヶ月ですね。」と言われ、え、え…?!っとなった。
今は9月上旬なので正確にはまだ4ヶ月弱あるけど、3ヶ月と言われると何か急に焦る。4ヶ月だと今年はまだ3分の1残っているが、3ヶ月だと残り4分の1。3分の1と4分の1が気分的には結構違う。
何が言いたいかと言うと、1年の中で9月は結構頑張り時な月なのかもしれない。9月の頑張り次第で10月〜12月の過ごし方、忙しさが変わってくる。今年は例年よりライブの本数は少なめだが、逆に制作の仕事は増えている。
様々な案件を同時進行で抱えながら、頭の中の中心にあるのは常にアルバム制作のことだ。昨年の秋に制作を始めたのでもうすぐ1年になる。ほぼほぼデモは出揃っているし、ようやく全体像が見えてきた。しかし何度経験しても思うけど、ポップスのアルバムをたった1人で作るのは結構無謀なことだ。
例えばドラムのハイハットの1音の音色、大きさ、長さ、タイミング、配置の仕方まで全て自分で決めて作り込んでいくので、冷静に考えると気が遠くなるような膨大な作業量だ。主観と客観を日々行ったり来たりしながら進めているが、熱くなった脳みそを冷ましてムードを切り替える必要がある時はどうしても時間がかかる。
こういう孤独な作業をいつも楽しんでやっているけど、制作が長期間になってくると、テンションを維持するのが時折しんどくなってくる。
メンタルと身体は密接に関わっているから、身体の調子が良くないと結局創作もうまく進まないことが多い気がする。毎日机に向かって作業するだけだし身体能力は要らない仕事だけど、それでも身体はやっぱり大事だ。村上春樹さんが毎日ランニングしている意味がこの頃よく分かる。
身体の作り方や維持の仕方も含めて、今後のアルバムの制作方法、向き合い方をそろそろ見直さなければいけない時期に来ているのかもしれない。
今回は初めて音声入力を使って書いてみました。便利過ぎる!多分また使う。