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Kan Sanoの音楽的ライフ【観ずる日々】第75回:アルバム制作大詰め

金沢市出身のキーボーディスト/プロデューサー・Kan Sanoが綴るエッセイ。新世代のトラックメーカーとして支持されるアーティストの音楽的ライフを覗いてみよう!

 

2025年が終わろうとしている今、一年続いたアルバム制作も終わりを迎えようとしている。

 

もっと早く完成させるつもりだったが、なんだかんだで一年かかっている。今年はライブ活動はややゆったり目だったから、一年を通して基本制作のモードだった。ツアーの間も頭の中は常に作曲中、作詞中の曲のことでいっぱいだった。

 

一年間制作の集中の糸を張り続けて過ごすのは楽しいけど、大変な部分もあった。自分はいつもアルバム制作に対して思い入れが強すぎて力が入ってしまう。適度に力が抜けている方が良い結果につながると分かっているので、気力や集中力はしっかりキープしつついかに力を抜くかが、今回の課題だった。

 

一人でアルバムを一枚作るにはまとまった時間が必要だけど、時間があり過ぎるのも良くない。考える時間が多過ぎると作るものがだんだん重くなっていく傾向にある。今年もやっぱりそういう期間があった。でもトータル的には適度に力を抜いて作れていると思う。

 

今回は今まで以上に周りの力に頼ること、任せることを意識して制作してきた。その結果、過去作とはまた違う新しい顔付きの曲がいくつか生まれている。そのおかげなのか、アルバムが完成に近づくにつれ毎度必ずやってくる憂鬱さが今回はやや少なくて、充実感や達成感の方がいつもより多い気がする。

 

来年はどんな一年になるのか。アルバムを送り出すのが楽しみだ。

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