趣味が無いんです|裕子の艶言葉 #18
酒も入れば心も開く。お酒の席で老若男女の心の声に耳を傾けてきた裕子さんの、酸いも甘いも知り尽くした人生談義。
あたしは多趣味です。研究家気質なもので、気になりだしたらまず調べます。気が済むまで調べ、実験し、味わい、失敗もしつつ、自分にとっての最高の形を見つけ、それを気の合う友人にプレゼンして共有するのが好きです。
40年も生きてくるとだいたい付き合う友人と言うのは何かしらセンスが似ていたり、生活する次元が同じ人が多いもの。何かを始めると自分の趣味がヒットしてくれる理解深き友人が周りにたくさんおりますので、また輪が広がり、さらに広く深くなります。
きっと、人間関係も同じく。
趣味の幅広さと人間関係は似ていると思います。
読書の話は、本好きの鋭い彼と。映画の話は、センスの良いあの子と。美味しいワインと美味しいお店には、お喋りが楽しいあの方と。フラダンスは、言わずもがな賑やかなメンバーと。
あたしは多趣味で、趣味に関わる人間関係の層が幅広いです。しかし、友達が多い事が良い事ではありません。同じくして、趣味が多いから良いと言う事ではありません。
ただし、友達はいないより、いた方が良いし趣味も、無いよりは、あった方が良い。さらにひとりでも楽しめる趣味があると、孤独にも強くなります。
本当は何がしたいのかは、色々と削ぎ落とされた時に見つかる事が多いもの。
「もし今の人生を全うして、もしもう一度人間に生まれ変わるとしたら、次は何したい?お金の事とかは考えなくて良いから」
やりたい事が見つからない人にする質問です。
今たくさんのしがらみがあると、どうしても「何がしたい」と想像するのは難しい。
来世があるとしたら、何がしたい?
今の全てを削ぎ落とした質問です。
しかし、来世は虫かもしれないし、魚かもしれないし、地獄かもしれない。だから今、人間として生きていられるうちに、腹の底からやりたい事、やりましょう。
艶小噺
先日40歳のお誕生日を迎えました。
若さは美しいけれど、美しさは若さではない。
若い頃から好きな言葉です。
年齢に恥じた事は無いしきっとこれからも、そう。
むしろ、多感すぎた若い頃には戻りたくない。
今この瞬間がいつだって、一番最高で最強。
はちきれんばかりの生命力溢るる娘を見ていると、自分はこれからは老いてゆく人生の折り返し地点なのだと感じます。もちろんこの場合の「老い」の言葉の意味にネガティブな物はないです。
老いとは、生きている限り必ず誰しもが通る道。言うなれば、人生を全うしている証。老いていく事による容姿や心の変化を柔軟に受け入れること。
諦めるのではなく、受け入れること。年齢に抗うな。年寄りを笑うな。生きている限り必ず自分の向かう先。
これからはますます、自分を甘やかして、自分を存分に許していかないと歪みが出てくる。
甘々で行きます。どうぞよろしく。
◯金沢繁華街の蝶に効く【艶言葉】
執筆者プロフィール
裕子
夜の街に勤めて20年、現在は金沢屈指の名店クラブに在籍。その傍ら産業カウンセラーとしてメンタルケアの活動をしながら心理学、傾聴などを学び続けている。また、サンキャッチャーブランド「LimaBlue」を手がける作家としても活躍中
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