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「印象美」を掲げる『WORDROBE』代表・小西敦子さんが考える「美しさ」とは

「美しく生きる」ってなんだろう。
令和という新時代に突入したいま、自分自身の生き方を見直しアップデートするために、「人と風景がアートになる、印象美なまちづくり」をテーマに掲げ、ヒト、コト、モノ、街の美しい調和をクリエイトする『印象美』のプロデューサー、〈WORDROBE〉代表の小西敦子さんにお話を伺った。

 

小西敦子(こにし・あつこ) 1968年石川県金沢市生まれ。フリーアナウンサーとして多様な司会実績を重ねるなかでコミュニケーションの大切さを体感。2014年株式会社「WORDROBE」を設立し、全国各地で人材教育をはじめとする公演、セミナー、女性支援活動などを行う。また「人と風景がアートになる、印象美なまちづくり」をテーマに掲げ、ヒト、モノ、コト、街をクリエイトする活動を行なっている。

「美しさ」とは、そのものではなく、総合的に宿るもの。

私が提唱する「印象美」という考え方には、「社会貢献となること」「時流美と普遍美を併せもつこと」「内なる輝きが反映して周囲の人を幸せにすること」というみっつの定義があります。「印象美」と表現すると外見的な美しさと思われがちなんですがそうではなく、まちづくりとか家づくりに例えると、どんなに素晴らしい家を建ててもその家がその景観になじんでいない場合は美しいとはいえません。町家の再生でも、ただ古いだけではなく、現在のデザイン性や生活パターンを考えてを加えて初めて、美しさが引き立ちます。さらにはそこに住んでいる人たちが幸せを感じていなければ、周囲の人にも幸せを届けてあげることはできません。美しさというのは、対象物そのものではないんです。この考え方は、年齢、性別に関係なく、またどんなものにも当てはまると思っています。

美しく生きるとは「憧れを生きる」ということ。

美しく生きるということは、自分自身が「憧れを生きているかどうか」に尽きると思います。「憧れ」というのは、その人の内側から滲み出てくること。誰かに言われてそうするようなものではなく、どうしてもそうしなくてはならない純度の高い憧れです。純度の高さに周囲が感化され、そして影響していくのだと思います。人が強い憧れを生きているときには、不思議と必要なものや人が集まってきます。自分自身が発信する発言や行動などに生き方や人生哲学を知らず知らずに反映させていくなかで、それに共鳴する人が集まってくるのだと思います。逆に自分の軸がぶれているときは、自分自身のなかのものが枯渇し、伝えたいことがなくなってくるんです。そういったときは、自分自身が気持ちの良いことをすると良いと思いますよ。それは自分にあった方法が一番。自分自身に興味を持ち、何を求め、何に価値を感じ、何を美しいと思うかを考えることが大切です。人生はプロセスでしかありませんので、そのプロセスにどれだけ美しさを求めていたり、憧れというものを焚きしめているか。そういう考え方で生きている人は、人から見たら魅力的に見えるだろうと思いますし、応援したくなるのだと思います。

自分自身をメタな視線で見てみる。

人と対面するときは、空間全体として捉えることがすごく大切です。自分だけの目線ではなく、相手の目線でもなく、その場所の背景だったり歴史であったり、それをメタで見た場合に「良いキャスト」であることが美しいと考えます。自分自身は主人公ではなく、いろんな人の人生のなかの登場人物のひとりです。今日は主役ではないと考える日は、仕立ての良いブラックドレスを身にまとい、自分自身が質の良い「影」になるという感覚をみなさんにもご提案しています。ブラックドレスを着ることで自分自身も景観の一部だと意識するようになり、そんな人たちが増えることによって金沢の街全体が美しくなっていったら良いなと思っています。街の一部であり、空間の一部であり、その瞬間を一緒にすごす人のなかで、人生というドラマのなかの参加者や共演者として心地よい人でありたいと考えています。

教養のある大人になるということ。

いろんなことを知っているだけでは教養とはいえません。生きていれば生きている分、誰しも何かしらの経験があるわけですが、そこを教養とするかどうかは、言語化できるかどうかにかかっています。素敵な人というのは、自分だけの固有の言葉を持っています。普段本を読んでいるときに「この表現は面白いは」とか「思っている表現にピッタリだ」と感じたとき、それが自分自身のワードローブに入っていきます。しかし、自分自身を高めようと日々意識していなければ、何もかもが通りすぎていきます。自分自身の引き出しのなかから何を引っ張ってくるのか、そしてどうコーディネートするのか。たくさん入っていれば良いというものでもなく、整理されていることも大切でしょうし、いらないものを捨てることも大切です。その人の引き出しを覗きたくてしょうがないと思うことが魅力なんだと思います。年齢も性別も関係なく、見えないものをどれだけ内に秘めているのかというのが、その人の魅力になるのだと思います。

 

美しい所作、ことば、考え方とは。

所作だったら、例えば女性だと「指を揃えていた方がキレイに見える」ということはあるかもしれませんが、その人らしくなかったり、それが求められる職業ではなかったりするかもしれません。「美しい所作」というものには統一フォームはなく、その人らしさや置かれた環境、立場によって変わるのだと思います。そして、ことば。お茶などが濁っている場合、日本語には「色が汚い」ではなく「水色に冴えがない」という表現があります。こういう表現がすっとできると、一緒にいる人を嫌な気持ちにさせないと思います。周囲にいるきれいな言葉を使う人たちや本などのなかから、いかに自分がアンテナを立てて吸収するか、感受性と観察力を持つことが大切。ゆっくり、確かに、小さくてもきらめくものを積み重ねていらっしゃる方はエレガントです。そういう人になるために生きるのが「憧れを生きる」ということなんだと思います。素敵になるためには、時間がかかるのだなあと思います。

 

小西敦子さんに聞く、「美しい生き方」が学べる本4選。

 

贅沢の探求

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ピーター メイル
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自助論―人生を最高に生きぬく知恵
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「自助論」というのは、読んで字のごとく自分で自分を助けるということ。「天は自ら助くる者を助く」と言いますが、まずは自分でやってみることの大切さに気づきます。

 

 

名画の中の料理

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メアリー・アン・カウズ
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名画にふさわしい音楽やレシピなどが組み合わさったエッセイ。完全に著者の主観なのですが、それだけのものが見立てられる引き出しが素晴らしい。

 

 

大人の女が美しい

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長沢 節
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名だたるデザイナーを輩出したアパレル学校の創設者による女性論。40年以上前に書かれた本なのに、昨日書いたみたいな新鮮さや普遍性を感じます。

 

 

WORDROBE
ワードローブ
外見的な印象力、想いを届けるプレゼンテーション力、人との関わりを円滑にするコミュニケーション力を学び、出会いの質を高め、人間力を養い、人生そのものを輝かせることを使命とする『印象美』をプロデュース。

 

※こちらの記事は、2018年12月末発行の『BonNo』vol.89を再編集したものです。

 

写真/ワタナベアニ

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