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プレッシャーに押し潰されそうな人たちへ|裕子の艶言葉 #43

酒も入れば心も開く。金沢屈指の名門クラブに在籍し、お酒の席で老若男女の心の声に耳を傾けてきた裕子さんの、酸いも甘いも知り尽くした人生談義。

 

ちょうど1年前。

ものすごいプレッシャーに押し潰されそうな日々をすごしておりました。

 

と言うのもその頃、ソムリエのお友達にレクチャーをいただいていたものの、スクールに通う事なく約800ページのめまいがする様な分厚い教本を相手に、ほぼ独学でソムリエ試験に挑んでおりました。「もし落ちたら次のチャンスは1年後…年齢的にも後がない…絶対に受かりたい…!」と、踏ん張り奥歯を噛み締めながら勉強する毎日だったのです。

 

実際には、年齢的な問題は関係ないのだけれども、公私共に次のステップに進みたくて仕方がなかったあたしは、自分で自分にムチ打って追い込んでいました。

朝起きて、歯磨きしながらブドウ品種の暗記。暗記のノートをトイレの壁一面に貼って、運転中は一問一答のYouTube動画を流し続け、湯船に浸かりながら過去問を開き、1日最低5時間〜10時間は机に向かい、しまいには夢にまでワインが出てくるしまつ。

 

思い返すと、その追い込み具合は自分でもビックリ。おかげさまで試験当日は全120問を2巡し、さらに振り返りもでき、試験時間の残り40分はかなりの手応えを感じながら終了。
手ごたえと合格の感触はあったものの、やはり実際に「合格」の2文字を見た時は嬉しくて泣きました。自分のした事に輝かしい結果が見えると言う、本当に素晴らしい体験でした。

そんな過酷な試験勉強中、あるテレビ番組で芸人さんがシンクロに挑戦すると言う企画を観ました。息抜きも兼ねて何気に観ていたのですが、それが、まぁ、その時の自分に刺さる、刺さる。

苦しい練習にめげそうになる芸人さんへ向けた、オリンピック選手も育てていると言うシンクロのコーチの言葉。

 

「プレッシャーと言うのは、期待されてる、試されていると思って何回でも乗り越えていけ。

プレッシャーってこの地球上の人全部には、絶対与えられませんよ。出来そうな人に必ず期待する。『よろしくね』『頑張ってくださいね』『勝ってくださいね』って言うことは期待されている選ばれた人なんです。

 

それを受けて立たな。

そのプレッシャーを受けて立ってください。
ちょっと無理もしてください。
ちょっと見栄も張ってください。

自分には思ってるよりも、もっと可能性があるから。」

 

試験を決意してからと言うもの、プレッシャーで何度か大人のマジ泣きをしていたので、ガツンと頭を殴られた様な気持ちに。そんな自分の可能性を信じた結果、2次試験も3次試験も無事通過。

それまでろくに受験も経験してこず、好きな事ばかりやって生きてきたので、試験が全て終わってソムリエバッジが届いたあの安堵感と達成感は何にも例え難い体験でした。

 

今、何かに挑戦をしている人たち、みなさんを心から応援致します。いえ、応援させてください。この猛暑のように暑苦しいくらい、応援したいです。

 

 

艶小噺

3年ぶりの飛行機。3年ぶりのドイツ、ベルリン。
湿度が低く、昼は吹き抜ける風が心地良く、夜は肌寒いくらいの恵まれたお天気。

まさかの異国の地で病院へ行く事になったり、警察のお世話になったり、人生初のロストバゲージにあったりと相変わらずハプニング続きですが、全て今は笑い話。

「人生全て、ネタ作り。」
あたしの座右の銘です。

最高の気候、最高のご馳走、最高のワインやビールに、全細胞が「生きてる!」と叫んでおりました。

 

 

 

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