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Kan Sanoの音楽的ライフ【観ずる日々】第41回:時間の使い方

新世代のトラックメーカーとして人気を集める、金沢市出身のアーティスト・Kan Sanoの音楽的ライフをちょっと覗き見。

 

毎日忙しいと、時間が過ぎるのが早く感じるのは理解できるが、のんびり過ごしていても時間が経つのが早いのは一体どういうことなのだろう。ライブ活動を休止してから既に3ヶ月も経つなんて本当に信じられない。僕は時間の使い方がつくづく下手なのだなあと思う。一日を計画的に、有意義に過ごせたことがない。

 

一日に何件も用事を入れることができない。なるべく一つ、多くても二つまでにしておきたい。この要領の悪さは歳を取るにつれ加速している気がする。先月は久々に都内で撮影の仕事があったが、外で働くのが久々過ぎて自分でも驚くほど疲れが出てしまい、翌々日までぐったりしてしまった。この身体は怠ければ怠けるほど、怠けた状態をデフォルトにアップデートしてしまうらしい。

 

昼間に仕事をして、夜はちゃんと寝ようと思っていても、なかなか実行できない。事務的な仕事は昼間でもできるが、音楽制作はどうしても夜になってしまう。作曲は昼より夜の方が捗るものなのか、もはや自分でもよく分からない。昼間に制作をしても、晩ご飯のあとまた続きを始めて、結局深夜まで続けてしまう。昼間に制作をすると言っても、そもそもスタートが遅くて大体いつも14時頃からになるので、あっという間に夕方になってしまう。

 

音楽制作はとにかく時間がかかるし、集中して作るにはある程度まとまった時間が必要になる。具体的には4時間くらいだろうか。1時間では結果的に何も進められない。

 

先日は一晩かけて作った4小節のイントロを翌日聴き直して、一瞬でボツにした。こんな日々をもう20年くらい続けている。もっと効率の良い作り方を見つけたいが、見つかる兆しはまったくない。しかし、過去の作品はいつもそうやって時間をかけて、何度も苦しみながら作ってきたし、その蓄積を経て今があるのも事実だ。こういう作り方しか自分はできないし、ちゃんと苦労して作らないと、作った実感や充実感が得られない。仕方のないことなのかもしれない。

 

 

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