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Kan Sanoの音楽的ライフ【観ずる日々】第42回:半年前の注文

新世代のトラックメーカーとして人気を集める、金沢市出身のアーティスト・Kan Sanoの音楽的ライフをちょっと覗き見。

 

ヤマト運輸から明日荷物が届くと通知が来た。

 

詳細を見てみると、どうやら半年前に行った展示会で注文した服のようだが、どんな服だったかまったく思い出せない。そもそも買った記憶が無い。半年前のメールを調べてみたら、確かに注文した記録があり、ネットで服の写真を確認したらぼんやりとだが記憶が甦ってきた。注文したのはグレーのリネンのシャツだった。

 

最近はコットンの白シャツをずっと探しているので、まさかグレーを選んでいたなんて予想外だった。半年間で自分の服の趣味や傾向が少し変化しているようだ。着払いなので、半年前の自分の買い物の支払いを明日済ませないといけない。何だかちょっと、他人の買い物の支払いをさせられるような気分だ。

 

とはいえ、展示会に行って注文した服なのだから、当然試着はしたはず。しかも買ったのは間違いなく僕自身なのだ。半年前の自分のセンスを信じるしかない。写真で見ていまいちでも、実際に着てみると良さが分かる、気に入る、というパターンはたまにある。シンプルな無地の服の場合に多い気がする。今回も恐らくそれなのだと思いたい。

 

iPhoneのフォルダを半年前まで遡ってみると、展示会で撮影した試着の写真が数枚残っていたが、グレイのリネンシャツを着ている写真は一枚も見当たらなかった。何故撮らなかったんだろう。半年前の自分が謎過ぎる。これ以上考えても仕方がないので、あとは自分のセンスを信じて明日まで待つしかない。前々から薄々気づいてはいたが、半年後の服を注文するシステムは、僕には向いていないのかもしれない。

 

● 3/1(水)より、Kan Sano氏の新曲「Go」が配信スタート!

 

季節をまたぐと気分が変わってしまう系の問題は音楽制作にもある。この何年もの間、冬を迎える度にクリスマスソングを作りたいと思っているが、まだ一度も実現できていない。12月になるとクリスマスのイベントが増えるし、コンビニでは山下達郎が流れるし、街のムードや周りの影響を受けて自分も何か作ってみたい気分になる。正確に言うと、11月下旬から徐々にその気分になっていく。

 

しかし秋冬にリリースする場合、リリースの準備を考えると夏頃には楽曲制作しないといけない。毎年記録的な猛暑を更新している真夏の東京で、クリスマスソングを作る気分にはとてもなれない。

 

この話を友人にしたところ、冬に制作して一年後の冬にリリースしたら?という助言をもらった。確かにそれなら制作時の気分の問題は解決できるが、一年後に自分がどう変化しているのか予想できないのが怖い。音楽も服と同じで、気分が変わってしまうことがあるし、特に自分が制作した曲の場合、後に聴き返すと作り直したくなってしまう。一年も期間が空けばそうなる可能性はかなり高い。

 

その場合は、作り直すよりも新たに一曲作る方が結果的に近道だし、良いものができる。これは音楽制作をしているとよくあることだ。しかし、新たに一曲作っていたら結局リリースタイミングは逃してしまうだろう。

 

クリスマスソングをリリースできる日は永遠に来ないのかもしれない。

 

 

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