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生きづらいまま大人になった人達へ|裕子の艶言葉 #55

酒も入れば心も開く。金沢屈指の名門クラブに在籍し、お酒の席で老若男女の心の声に耳を傾けてきた裕子さんの、酸いも甘いも知り尽くした人生談義。今日のお言葉は…?

 

産業カウンセラーの会報誌の特集が「大人の発達障害」でした。

 

自分の身内の発達障害(特にADHD)の話をすると「自分もそうだよ」「みんな同じ」「甘えだよ」と言われる事が多々あります。そうおっしゃるのは、本人が息苦しさを感じたまま歯を食いしばって生きてきた大人の方が多数です。きっと、辛い思いが多かったのでしょう。悩んだのでしょう。それでも甘えられず、頑張って頑張って、生きてきたのでしょう。

 

我々の学生時代には「怠け者」「変な人」「我慢できないワガママ」と言うだけで片付けられてきました。そんな風潮だったので、なかなか病院に行けずに、人には言えぬ苦しみのまま過ごしてきた人も多いと思います。でも、今は時代が違います。怠け者!と言われた事には診断名がつき、場合によっては治療が出来るようになりました。

 

ずっと不安なまま過ごしてきたそこのあなた。専門家に診てもらいましたか?自己判断では無いですか?

 

ただ単に自己判断でそう感じているのは、信ぴょう性に欠ける血液型占いと同じ。自分のキャラクターを特別なカテゴリーに分けたい場合が多いにあるかと思います。実際に多かれ少なかれ、生きとし生けるもの全員、何かしら自分の足りない部分に不安を感じたり、不足を嘆いたり、平凡であるかもしれない事実に不満を感じたりしているかと思います。

 

ネットでの自己診断を見ると、どれもこれも自分に当てはまるような気になります(しつこいようだが血液型診断も同じく)。ただしその簡素な自己判断による発言で、実際に投薬治療をしていたり悩んでいる本人やその家族が傷付いたり、嫌な思いをする人がいる事も忘れずに居て欲しいです。

 

「自分もそう」

「みんな同じ」

 

違うんです。みんな、みんな、それぞれの悩みは違うんです。それらが良い悪い、では無いんです。それすらも生まれ持った個性。2人と居ないキャラクターなのです。

 

俗に言うADHDは、脳からのドーパミン等が出にくく、その結果起きられなかったりやる気が起きなかったり、かと思ったら思いっきりドーパミン出まくっちゃって衝動的に行動しちゃったり。音や匂いに極度に過敏だったり、2つ以上の事が同時に出来なかったり、言われた事を次の瞬間忘れちゃったり、数を数えられなくなったり、昨日美味しかった物が次の日には口に入れたくなくなったり、急に走り出したくなっちゃったり、どうしても食欲が抑えられなかったり、怒りがコントロールできなかったり、でもその怒りすら次の瞬間には忘れ去っていたり…

 

その代わりに、驚くべき芸術的センスがあったり、数学のセンスがズバ抜けていたり、信じられない集中力を発揮する事が出来たりします。忘れっぽいがゆえに、人を許す力がとても大きく、器が底抜けに深い人が多かったりもします。

 

人間の仕組みとはいかにおもしろい事か。

 

「もしかして自分も…」と、日常生活で不足があり本当に不安があるのならば、ぜひ専門家の診察を受けてください。

 

診断名がつく事により安心する事も多いかと思います。対処法も知れると思います。鬱症状を併発しやすいようならば、特に。その上で、もしも同じ事で悩んでいる人がいましたら「自分もそうだよ」と、寄り添って差し上げてください。

 

艶小噺

この猛暑の夏は、いつもと違うちょいと太めの麺に生かされております。

 

半田そうめん「オカベの麺」。

 

グルメな友人のおうちで食べたこの麺の中毒性にしてやられ、約80人前をお取り寄せ(送料をケチった結果)

 

今まで口にした物の何にも例えられない、ちゅるんっちゅるんの喉越し。「しっかりと咀嚼してごらんなさい!」と言う強い意志すら感じるしっかりとしたコシ。小麦の風味と、ほどよい塩味。

 

そうめん、と名乗るものの太さは冷や麦。

 

愛を持って友人とは「オカベちゃん」と呼ばせていただいております。

 

みなさま、残暑を乗り切るためにオカベちゃんを、ぜひ。

 

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