煩悩バンザイ!石川県がもっと
楽しくなるウェブマガジン「ボンノ」

言葉の魔法、言葉の呪い|裕子の艶言葉 #60

酒も入れば心も開く。金沢屈指の名門クラブに在籍し、お酒の席で老若男女の心の声に耳を傾けてきた裕子さんの、酸いも甘いも知り尽くした人生談義。今日のお言葉は…?

 

中学生の頃、身内にお金の問題が発生。どうやらその時「あたしが働いてお金を返すー!」と、狂ったように叫んだそうな。記憶には全く残っておらず、つい最近その昔話を聞いた時は「少女だった自分はそんな事を言ったのか」とビックリ。しかしなるほど。その後の人生、振り返れば自分の物では無い借金を返済し続け、そんな状況から逃げ出そうとするたびに抗えないなにか大きな力で引き止められては繰り返しのループ。とにかく人の為にお金が消えゆく人生でした。

 

今思えば、その「あたしが働いてお金を返す!」の言葉が自分で自分にかけた呪いになっていました。「あたしが働いて返す」「あたしが働いて養う」「人の為に働く」「お金は怖い」「借金は怖い」「大きなお金を稼ぐとその分自分では無い何かに消えてしまう」「だからあんまりたくさん稼いではいけない」「稼ぐよりも気持ちが楽になる方に動く」。どうやら今まで、そんな循環だった様です。

 

ありがたくもホステス業と言う、一般的なお仕事よりもお給料の高い仕事を続けられておりました。金沢屈指の高級クラブへ移籍してからはグンとお給料が上がり、さらにがんばる気持ちにも。しかしコロナ禍の突入をきっかけに思いっきり「ホステス」と言う仕事への気持ちと情熱が鎮火…。高校生になったばかりの娘は事情により高額の学校へ編入。元々の生活水準は割と高いかと思いますが、お金に関しての不安は常につきまとっておりました。

 

しかし、不思議とどんなピンチの時も必ず誰かに、何かに助けてもらえるラッキーがあたしにはついてまわりました。そのラッキーはずっとずっと続いており、必ず気がついて助けてくれる人が側にいてくれました。「あたしはラッキーだ!助けてくれる人が必ず側に居てくれる。食べる事には困らない。お金はすぐに無くなるけど自分には稼ぐ能力があるし何よりも信頼する人から助けてもらえる!」と言う事実と言葉は、自分を助けてくれていました。「あたしが働いてお金を返す!」は呪いでしたが「ラッキーだ!自分で稼げるし助けてもらえる!」は、自分が自分にかけている魔法でした。

 

ゆったりとリッチに見えても、涙ながらの苦労のある方がたくさんおられます。長年、華やかな社交場で働いて一流の方々やそうで無い方と接していると「お金ってなんだろう」「リッチになる人と、そうで無い人の差はなんだろう」と、よくそんな事を考えてきました。そうで無い雰囲気の方は「金が無い」「◯◯へ行ったら高かった」「仕事が無くなった」「自分はこんなはずじゃなかった」「あの人のせいで…」等と妬み僻み、愚痴と文句と人のせい多い印象。実際にお金は潤沢に持っていても、そこに澱んで留まっているイメージ。

 

一方の気持ちの良いリッチな方が口を揃えて言うのは「自分は本当にラッキーだ」「まわりに感謝」と言う言葉。そして、ただ欲求のままに散財するのでは無く人の為にお金を使い、お金をグルングルンと世の中に循環させている印象です。何にお金を使うか、と言う事を肌で知っているイメージ。人のせいなのか、人のおかげなのか。

 

言葉は、呪いにも魔法にもなる。

 

これは自分自身が痛いほど体験した事。自分で自分に呪いをかけるのか、魔法をかけるのか。人間は、口に出した言葉を1番たくさん自分の耳で聞き、脳が処理すると言われております。そしてその言葉は全て自分へ向かって作用します。その作用が無意識へのすり込みとなり、それが知らず知らずのうちに行動に現れて現実となるのです。いわゆる「言霊」ってやつですよね。

 

しかしそれらには特徴と注意点があり、脳みそや潜在意識と言うものは主語を処理する事が出来ません。「あいつが悪い!」と口に出すと「悪い!」だけが自分に作用するのです。すり込みとなり「悪い」自分を作り上げるのです。逆も然り。一緒に居て気持ち良い人って、いませんか?そんな人の発する言葉や声って、まわりに気持ち良く作用しているんです。逆に、一緒に居てモヤモヤする人って、いませんか?そんな人ってだいたい、人の悪口や自分を卑下する言葉、何かの文句を言っています。それがモヤモヤと呪いの様な作用を及ぼします。そう言う人は「何かちょーだい!」「得したい!」と、欲が先に出てきます。

 

そんなあたし自身も、心の底から気持ち良い言葉を言えるようになるにはまだまだ修行が足りません。愚痴も多く、ぴえーんと泣く事もしばしば。なのでみんなで一緒に楽しくて未来のある話、しませんか?

 

艶小噺

新年あけましておめでとうございます!と笑顔で言うにはしのばれる2024年の幕開け。奇しくも2024年の元旦は何だか素晴らしい縁起の良い日と言う事で、結婚報告や新しいスタートをきった方も多いかと思います。

 

自粛ムードが漂うなか、こちらも新しいスタートの準備を進めております。「自分に何が出来るのだろう」と考える場面が多数。そんな中思い出すのは、東日本大震災の時の松山千春さんの言葉。

 

知恵がある奴は、知恵を出そう
力がある奴は、力を出そう
金がある奴は、金を出そう

「自分は何も出せないよ」っていう奴は、元気出せ

 

とにかく、自分に出来る事を粛々と精一杯やるだけかと思います。まずは、出せる元気を出します。

 

RECOMMEND ARTICLEおすすめの記事

WHAT’S NEW新着記事