
服を迷う時間を減らす「定数化」のススメ|カネノミホの散らかった部屋でよむコラム #40
目次
掃除はめんどくさい!家事もズボラな元片付け苦手人間という整理収納アドバイザーのカネノミホが、毎日をラクに過ごす片付けのヒントを教えます。
服が多い!とお困りの方。忙しい毎日の中で「片付けたいけど時間がない!」と思う瞬間、ありませんか?
実は、散らかる家と散らからない家の差は、センスでも収納グッズでもなく「モノの量」にあります。
どんなに片付け上手でも、キャパを超える量のモノでは片付けられません。逆に言えば、モノの量が適量ならば、生活はぐっとラクに。「適正量」を決めるだけで、そもそも片付けなくても片付いている、なんてこともあるかもしれません。
では、その「適正量」とはどれくらいでしょうか?前回の服の整理の話に引き続き、今回は“散らからないための服の適正量”の見極め方をお話しします。
①「洗濯の回数」から決める
毎日洗濯を回すご家庭なら、パジャマや下着、タオルは1人2〜3セットで十分です。「そんなに少なくて大丈夫?」と不安かもしれませんが、足りなければ“そのとき1つ足す”でOK。最初から予備をたくさん用意しておく必要はありません。
すでに多く持っている場合は、一度「定数を絞った1軍」と「予備」に分けて管理しましょう。逆に「週に2回しか洗濯しない」ご家庭なら、必要枚数は4〜5セット程度。生活リズムに合わせて逆算することで、ムダに数を持たずに済みます。
②「こだわり」でバランスをとる
「仕事用のシャツは毎日アイロン済みを着たい」「同じ服は続けて着られない」という人は、少し多めに持っても構いません。ただし、その分プライベートの服を減らすなど、全体のバランスを見て調整しましょう。
逆に「休日はいろんな服を楽しみたい」人は、部屋着を減らしたり、着なくなった服をすぐリサイクルしたりして調整を。全部をたくさん持つのではなく、どこを優先してどこを削るかを決めること。自分のこだわりポイントを明確にすれば、自然と“ちょうどいい量”が見えてきます。
③「収納スペース」で線を引く
最もシンプルでわかりやすい方法です。クローゼットがパンパンになるまで詰め込むと、探すのに時間がかかり、服もシワだらけ。着たい服を選ぶのにも迷ってしまいます。
「この引き出しに入る分だけ」「このハンガーラックの幅まで」と、物理的な制限を基準にしましょう。また、「ハンガーは50本まで」と数で上限を決めるのもおすすめです。スペースに収まらない、ハンガーが足りない──そんなときは買う前に何かを手放す。これを続けるだけで、自然と量が整います。
④ 適正量は「迷わない量」
服がたくさんあるのに「着たい服がない」と感じるのは、選択肢が多すぎるから。“着たい服”と“着れる服”は違います。量が多いと“今日はこれ!”と気分を上げてくれる服を見つけにくくなります。毎朝クローゼットを開けて「どれにしよう…」と迷う時間はもったいない。まずは下着や靴下など、取りかかりやすいものから数を決めてみましょう。
適正量とは、迷わず手に取れる数=自分をラクにする数。「買って満足」ではなく、「きちんと管理できる量」を意識することが大切です。
⑤ 家族にもルールを共有
子育て中の家庭なら、自分だけが適正量を決めても意味がありません。「タオルは一人2枚にしようね」「ハンガーにかけられる分しか持たないよ」と、家族全員でルールを共有しましょう。
そうすることで、自然と「安易に増やさない仕組み」ができます。子どもも、自分で管理できる量の中で生活することで「片付けやすさ」を実感できます。
「片付けなさい!」と叱られるより、「自分で片付けできた!」という小さな成功体験を積み重ねることが、自立への第一歩になります。
まとめ:散らからない家は「意志」より「仕組み」
散らからない家をつくるのは、意志の強さではなく仕組みです。
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洗濯の回数から逆算する
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こだわる部分と削る部分をはっきりさせる
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収納スペース(数)に上限を設ける
この3つを意識して「定数化」することで、毎日の迷いが減り、片付けや管理の手間もぐっとラクに。衣替えの手間すら減らせます。
「モノを持つ量=暮らしの快適さ」と考えて、あなたの家の“ちょうどいい量”を見つけてみてくださいね。
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