企画満載のギャラリーショップ『コニーズアイ 』で、プロダクトデザインの真髄に触れる
金沢市武蔵町にある『コニーズアイ』は、デザイン性に優れた国内外の雑貨を販売するギャラリーショップ。モダングッズからクラフト、工芸、民芸、アート作品まで、幅広いジャンルの商品を1,000点以上セレクトしながら、さまざまな角度からデザインやアートの魅力をとらえた企画展も随時開催している。
約20年にわたって開催された企画展は700近く。店主の小西博師さんに、これまでの展示を振り返ってもらった。
築90年近くになる町家を改装した店舗。
デザインやアートをテーマに年間40〜50の企画展を開催。
小西さんが『コニーズアイ』を開業したのは1998年。ニューヨーク近代美術館のカタログを見て「世の中にある素晴らしいプロダクトデザインを多くの人に紹介したい」と思ったのがきっかけだった。
宣伝活動の一環として、開業時から始まった企画展。当初は年間10ほどだったが、少しずつそのペースは加速し、今では年間40〜50、常時5〜6の企画展が開催されている。
アート、日用品、写真、民芸などジャンルはさまざま。基本的には小西さん自身がプロデュースしているが、デザイナーやメーカーによる持ち込みも多いそうだ。
小西さんのセレクトの基準は、そのプロダクトが好きか嫌いか。有名無名、国籍などは一切問わない。
取材当日は、地元のイラストレーター若草若葉さんによる原画展も開催されていた。
日々の生業をヒントに企画した展示の数々。
記念すべき第1回目は、日本の漆器メーカー「マルトミ」と世界の有名デザイナーによる漆器展。その展示を皮切りに、MoMAコレクション展、柳宗理展、渡辺力展など、国内外のプロダクトデザインに焦点を当てた企画展を多数開催。今年4月にはフリーペーパー版「BonNo」の企画展も開かれた。
その中でも小西さんの記憶に鮮明に残っているのが、2008年に開催された「home」という企画展。この年は『コニーズアイ』が金沢市郊外から武蔵町に移転した年。地元のデザイナーやクリエイターが集まり、10年間の軌跡を写真などで振り返った。これらの展示に関する資料はファイリングされ、カウンター奥の棚で大事に保管されている。
ファイルを開きながら過去の展示を振り返る小西さん。
7月末まで開催されていた「D-BROS」フラワーベース展。その一部の様子。
区切りとなる700回目の企画展は来年1月に開催予定。
現在開催中の企画展について、小西さんに見どころを聞いてみた。まずは白山陶器を代表するデザイナー森正洋氏の平形めし茶碗展から。
「森正洋デザインの集大成ともいえる平形めし茶碗。この浅くて口の大きい風変わりな茶碗をたくさん並べると本当に美しい。平形めし茶碗の展示はこれで4回目。モダンなものからポップなものまで、森さんのデザインの幅に驚かされます」。
森正洋の平形めし茶碗。飯碗としてだけでなく、総菜を盛り付ける小鉢などにも使える。
北陸製菓のキャラクタービスケット展についても一言。
「新発売のドラえもんビスケットをはじめ、ムーミン谷のビスケット、はらぺこあおむしビスケットなど、キャラクタービスケットを中心に販売します。子供の頃に食べたなぁと、思わず声を上げてしまいそうなラインナップ。忙しいときにこそ、大好きなおやつでひとときの幸せを味わってください」。
北陸製菓のお菓子は企画展の開催期間以外でも取り扱っている。
森正洋の平形めし茶碗展、北陸製菓キャラクタービスケット展はともに10月20日まで。10月以降は駒形克己の絵本展、久保田毅楽の作品展なども予定されている。
コニーズアイ
石川県金沢市武蔵町4-2
TEL.076-204-8431
営業時間/11:00~18:00
定休日/水曜、木曜日(祝日は営業)
駐車場/近隣にコインパーキングあり
※こちらの情報は取材時のものです。
(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)