金沢のタワレコでしか手に入らない「マキハラ新聞」って知ってる?
あのマキハラ新聞が復活する!
そんな報(しら)せを聞いた3月上旬。さっそく仕掛け人でもある『タワーレコード金沢フォーラス店』の宇野真也さんに、復活までの経緯や現在の思いを聞いてまいりました。
ファン同士が交流するきっかけに
マキハラ新聞とは、日本が誇るシンガーソングライター・槇原敬之を応援するフリーペーパーのこと。今回発行された「Bespoke号」で通算11号目となります。
思い起こせば2年前、9号目の発行を記念して行われたインタビューで宇野さんと熱い談義を交わした3時間後に「マッキー逮捕」のニュースが流れるという、嘘のような本当の話がありまして。今回はそのリベンジとなります。
そもそもなぜ、マキハラ新聞を作ろうと思ったんですか?
宇野さん
もともとタワーレコードにはアーティストの新聞をつくる文化がありまして。
あっ、たしかに。難波店のキスマイ新聞が有名ですよね。
宇野さん
そうです。そういった背景がある中で、僕をビリーヴァー(※)だと知るツアー担当者の方から「今回のツアーを盛り上げる企画を考えたい」と相談をされて。それじゃあ新聞を作りましょう、という話になったんです。
※ マッキー信者のこと。槇原敬之の21枚目のアルバム「Believer」が由来となっている。
ポスタージャックも開催中!
マキハラ新聞は公式のフリーペーパーではないんですよね?
宇野さん
はい。ファン同志の交流を活性化させるために、ファン公認のオフィシャルという形にしています。
と、言いますと。
宇野さん
マキハラ新聞が手に入るのは金沢のタワレコだけ。そうすることで、他県のファンが金沢に遊びに来てくれたり、地元のファンが他県の槇友に郵送で送ってあげたりする。地域限定だからこそ生まれるファン同士のつながりが目的なんです。
マキハラ新聞の発行時には、本人からの直筆コメントも寄せられる。
どういったタイミングで発行しているんですか?
宇野さん
今回のようなアルバムのリリース時や、北陸公演が開催されるタイミングで発行しています。
すべて手書きというのが、また味わい深いですよね。
宇野さん
学級新聞のようなラフに読めるフリーペーパーにしたかったんです。そんなに字が上手くはないけど、これもひとつの個性だと思ってご勘弁ください。
表紙のイラストともマッチしていて、僕はすごい好きです。
宇野さん
じつはこの新聞を作るにあたって、どうしても譲れないことがあって。それが友人でありアーティストの杉野有くんに、カバーデザインを手がけてもらうことだったんです。
こちらは一部でしか手に入らないカラー版。お店に設置されるのはモノクロ版のみとなっている。
文章を書くときはどんなことを意識しているんですか?
宇野さん
詩の内容や背景を分かりやすく説明すること。ツアー版に関しては、金沢にまつわる話を盛り込んで、面白おかしく仕上げています。
バックナンバーが欲しいときはどうすれば良いですか?
宇野さん
基本的にお店ではバックナンバーをすべて取り揃えています。もし見当たらなくても、スタッフに伝えてもらえればすぐに用意するので、気軽に声をかけてくださいね!
宇野さん独自の視点で、曲の内容や背景などが解説されている。
待ち続けるファンのために復刊を決意
この2年間でいろいろとあったわけですが、宇野さんはどういった思いでこの状況を見守っていたんですか?
宇野さん
あの事件は、当時から2年も前の薬物所持容疑による逮捕でした。なぜ?と不思議に感じる部分もある中で、槇原さんは争うことよりもファンに応えることを選んだ。僕たちはただひたすら待つだけでしたね。
好きなものは好き!と言える気持ちを、抱きしめてたわけですね。
宇野さん
僕の中で救いだったのは、マキハラ新聞を通じて知り合ったファンの人たちから「マッキーの復帰を願っている」という声をリアルに聞けたこと。これだけファンが求めているなら、復帰したときにはマキハラ新聞を復活させようと、モチベーションを保てました。
ツアー中の楽屋にて(写真提供:タワーレコード金沢フォーラス店)
宇野さんにとって、槇原敬之とは?
宇野さん
詩の中に込められた思想や心情から、人とはなにかを学ばせてくれる存在。槇原さんが作品で描く人間像に深く共感して「そういう人になれたらいいな」と思いながら曲を聴いています。
たしかにマッキーの詩はすごく頭に残りますよね。宇野さんがこれまで一番刺さった詩ってなんですか?
宇野さん
一番となると難しいですけど「桃」という曲は、人を大切にする気持ちを再認識させてくれるという意味で好きですね。最近だと「Elderflower cordial」。ここを君においでよと言える場所にしたいという詞から、槇原さんの日本を想う気持ちが伝わってきます。
アーティストとして槇原さんを尊敬するところは?
宇野さん
アルバムごとに「魂を揺さぶられる」曲が入っていることです。これだけの活動期間がありながらそういった曲を作り続けられるのは、槇原さんの凄いところですよね。
そんな宇野さんは現在6月2日に開催される金沢公演に向けて、新号の準備を着々と進行中。
一体、どんな表紙と記事で楽しませてくれるのでしょうか。
タワーレコード金沢フォーラス店
石川県金沢市堀川新町3-1金沢フォーラス4F
TEL. 076-260-1166
営業時間/10:00~20:00
定休日/無休
駐車場/あり
※こちらの情報は取材時点のものです。
(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)
復活おめでとうございます!
宇野さん
ありがとうございます。でも、じつは昨年の10月に「宜候」がリリースされたときも発行しているんですよ。
えっ、そうなんですか。
宇野さん
今回は、初のセルフカバーアルバムの発売ということで、注目を集めているみたいです。
「Bespoke」ですね。
宇野さん
そうです。これまで多くのアーティストに楽曲を提供したきた槇原さんですが、今回のアルバムには「約束の場所」や「Sakura Melody」といった、初めてセルフカバーする楽曲がたくさん収録されているんですよ。