2019.12.14

カフェかと思ったら肉屋でした。和牛専門店『NIKUO』が掲げる肉の美学

ただいま絶賛公開中の肉特集「テンション上がる肉料理」。プロの料理人が作った肉料理が格別なのは間違いないけど、家族や友達と一緒に食卓を囲みながら美味しい肉を食べたい日もある。そんなときに知っておくと役立つのが、金沢市の城北エリアにある『NIKUO』だ。

まるでカフェのような佇まいの『NIKUO』

昔の良さ＋今の良さ＝人気店

「中谷精肉店」こと『NIKUO』は、1950年創業の老舗和牛専門店。まだ、金沢では肉を食べる習慣があまりなかった頃に「これからは肉の時代が来る」と肉屋を開業した先代から、食の安全基準の変化やスーパーの台頭に押されながらもＡ４、Ａ５ランクの国産牛にこだわり続けた２代目の中谷勝幸さん、そして現在３代目としてお店を切り盛りする中谷明博さんまで「良いもの、美味しいものを適正価格で」という哲学のもと、創業から一貫して品質重視の経営を続けてきた。

必要な分をグラム売りする昔ながらの対面販売。

３代目の中谷明博さん。

「NIKUO（ニクオ）」という店名は３代目の少年時代からの肉（ニック）ネーム。大阪の大学を卒業後に肉の専門学校で知識を深め、現在は２代目とともに繁盛するお店を取り仕切っている。「昔ながらの対面販売でお客さんとの会話を大切にしながら、時代のニーズに対応できるよう感性を働かせていきたい」と明博さん。カフェのようにおしゃれな店内のインテリアは、妻の恭子さんがプロデュースしている。

創業時の道具や札が今も大切に残されている。

おしゃれな空間を演出するボタニカルインテリア。

カタログギフトやオードブルもやってます

必要な部位を欲しいだけオーダーカットができるのも対面販売ならではの魅力。

「牛肉は鹿児島、宮崎、兵庫県産などＡ４、Ａ５ランクの黒毛和牛。そのほか石川産の豚肉や地鶏などを中心に、ノーブランドでも生産者さんのこだわりが光る上質なお肉を仕入れています。お好みの部位を必要なだけ、どんな料理に向いているかもご説明するのでなんでも聞いてください」

ちなみに美味しい肉の食べ方は？の問いには「塩を振ると水分と一緒に旨みが逃げてしまうので、なるべく食べる直前に振ってください」と即答。じつに頼もしい。

黒毛和牛の肩ロース。キメの細かい肉質なので薄切りにしてしゃぶしゃぶなどに使える。

黒毛和牛のサーロイン。牛肉本来の旨味を堪能するならステーキ一択。

美味しく提供するための下処理も欠かさない。

精肉以外のレパートリーが充実しているのも『NIKUO』が人気を集める理由。とくにお惣菜のクオリティが高く、祖父の代から受け継がれるチャーシュー、じっくりと手間ひまかけて作られたローストビーフ、大阪のデパートで数千個を売り上げた小坂レンコンメンチなどが目白押し。また、大切な人への贈り物として好きな商品を選べるカタログギフトや、クリスマスや年末のパーティにぴったりのオードブルやローストチキンなども販売している。