見て感じる音楽|DJ TOSHIKIのオトノイロ #02
聞こえない・聞こえにくい方がコミュニケーションをとる方法のひとつに「手話」というものがあります。テレビなどでも見たことがある方も多いと思いますが、自分の意思を手や腕の動きと顔の表情などで表現して伝える方法です。
最近ではこの手話を使ったパフォーマンスをする方たちがいます。パフォーマンスといっても様々で、手話ライブ、手話ダンス、手話ミュージカルなど動きで言葉を表現できるので、視覚的に楽しめるものがたくさんあります。中でも人気なのが、歌・ダンス・手話という新しい表現方法で伝える日本の男性ボーカルと手話パフォーマーのユニット”HANDSIGN”(ハンドサイン)。日本で初めてストリートダンスに手話を取り入れ、ニューヨークのアポロシアターで開催されているアマチュアナイトで優勝もしている素晴らしいパフォーマーです。
HANDSIGN / 僕が君の耳になる MV (ドラマver.)
海外では、手話通訳者がアーティストのライブステージ上で、聞こえない方のために歌詞の手話通訳をしたりすることがあります。世界的にも有名な、ジェイ・Zやウータン・クラン、ビースティ・ボーイズ、スヌープ・ドッグの手話通訳を務めたことでも知られるホリー・マニアッティさんが、アメリカの超有名ラッパー ”エミネム”のライブステージで手話通訳を行なっている映像が以前話題になりました。
私自身、アメリカの手話は全くわからないので、どのくらい表現できているのかは正直分かりませんが、キレキレのダンスを踊っているかのような動きはもはや手話の域を超えてひとつのパフォーマンスになっています。彼女の動き(手話)から曲の雰囲気まで伝わってくるので、たとえ音が聞こえなくても、エミネムの音楽を感じ、ライブを楽しめるのではないでしょうか。
HANDSIGNやエミネムのライブのように、手話で音楽を表現したり、音楽ライブに手話通訳者がいることで、聴覚に障害があり普段音楽に縁がない方にも音楽を楽しんでもらえるような機会が増えてきています。いろんな方が障害に関係なくエンターテインメントを楽しむためにも、今後も様々な場所でこういった配慮が増えていくと良いなと思います。