煩悩バンザイ!石川県がもっと
楽しくなるウェブマガジン「ボンノ」

手話絵本から学べること|DJ TOSHIKIのオトノイロ #23

「聴こえる」と「聴こえない」の垣根をエンターテインメントで結びたい!スポーツDJとして活躍するDJ TOSHIKIが、聴覚障害者への理解を深め、インクルーシブな社会実現を目指します。

 

子どもたちと接していてよく思うことが、”子どもから教えてもらう事はたくさんある”ということ。うちの娘は先天性の難聴で、保育園では周りはみんな聞こえるお友達。2歳頃から入園して5歳になる頃には、周りのお友達が自然と簡単な手話をつかって娘とコミュニケーションをとってくれるようになりました。

 

おそらく先生が使っている手話を見て、覚えてくれたんだと思います。もしくは覚えたというよりは「〇〇ちゃんは声では分からないけど、こうやれば分かってくれるんだな」と、娘とコミュニケーションをとるための方法を自然と身につけたという方が正しいかもしれません。

 

一緒に遊んだり、ご飯を食べたり。楽しい時間を共有することが人間関係を築く上でどれだけ大切なことかを教えてくれました。今の子どもたちが大人になった頃には、英語のように日常の簡単な手話をみんなが出来るような社会を目指したい、そのためには子どもの頃から自然と手話に触れる機会が必要だと思っています。

 

 

子どもが手話に触れる一つの方法として、手話絵本というものがあります。

 

斎藤陽道・あわい 作の「ゆびのすうじ へーんしん(アリス館)」は、指で作った数字を両手で組み合わせて、鬼になったり、忍者になったり、手遊びを通して手話を覚えられるという絵本です。

 

 

手話絵本は文字がまだ読めない小さな子でも、手遊びをしながら言葉を覚えることができるのも魅力のひとつです。また、読み聞かせで大人も子どもも一緒に楽しめるので、親子のコミュニケーションツールとしても最適だと思います。

 

 

ちなみにこの絵本にはQRコードがあり、読み取ると手遊びを動画で観ることができるので、小さい子にもとても分かりやすくなっています。

 

 

次に紹介するのは、くせ さなえ 作「しゅわしゅわ村のどうぶつたち(偕成社)」です。この絵本は、しゅわしゅわ村シリーズのひとつで、どうぶつ編以外にも食べ物、乗り物、だじゃれ編があります。

 

手話絵本は発行部数が少ないためか、書店ではなかなか置いてあることが少ないのですが、このしゅわしゅわ村シリーズは比較的店頭でも購入しやすいです。

 

 

内容はといえば、しゅわしゅわ村に登場するどうぶつたちの身近にある手話を教えてくれるもの。例えば、ぶたの家族がおいしそうに食事をしているシーンで、「ぶた」と「たべる」の手話が覚えられたりと、子どもたちが好きなどうぶつや遊びを通して手話を覚えられる内容になっています。

 

 

また、ひらがなを指で表現する「指文字」の解説ページもあり、しっかりと手話を学習できる絵本です。

 

 

最後に紹介する絵本は、くすのき しげのり・よしむら めぐ作の「ともだち(小学館)」です。

 

 

隣に引っ越してきた男の子は、声をかけても知らんぷり。大きな声で呼んだら気づいたけれど、変わった仕草(手話)をしている。なんだろう?

 

この絵本では、聞こえる女の子と聞こえない男の子が出会い、仲良くなりたくて手話というものを知り、覚えた手話を通して「ともだち」になるという、子どもたちの純粋な気持ちが描かれた素敵な物語です。

 

 

子どもたちにとって絵本は道徳や知識を得ることができる遊び道具であり、絵本から学ぶことはとても多いと思います。絵本を通じて多くの子どもたちが「手話」や「聞こえないということ」に興味を持つことは、今後の社会での聴覚障がいへの理解促進へと繋がると思います。

 

今の子どもたちが大人になった頃に、聞こえない・聞こえにくい人も好きな仕事に就けたり、たくさんの出会いがあるような社会になると信じています。

WHAT’S NEW新着記事