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雨乃日ミュージック|MOcA Diary カレーってからいですか #10

金沢・石引商店街のカレーマスター・モカさんが、カレーを仕込むかたわらでお送りするエンタメ系ゆるコラム。今回のテーマは「本」です!

 

いわゆる「コロナ禍」、緊急事態宣言やまん延防止をしていた2020年〜2022年頃って何してたか覚えてますか。

 

僕は引きこもってるうちに落語や落語の歴史にハマったり(商店街で寄席を企画するまでに!)、図書館へ行ったり、毎朝散歩したり、金沢市の公衆浴場を全制覇したりなど、割とのんびり満喫してました。

 

ちょうど我が子が保育園の年長さんになったと同時にコロナ禍に突入して、「休みの日には子どもを公園とかアンパンマンショーとか遊べる場所に連れて行かなきゃ〜」という強迫観念からも感染防止・ステイホームのお陰で解放され、堂々とゴロゴロしてたのもいい思い出です。

 

そのせいで我が子は「日曜日はのんびりする日」という認識が染み付いて「どっか連れてって」とか全く言わない子になりました。

 

コロナって大変だったけど、いちど立ち止まって深呼吸する、自分を立て直すいい機会だったという部分もあったかなと。もし、コロナが無かったら疑いもなく自分の全てをお店や商店街や子どもに捧げて猛烈に働きまくって倒れていたかもしれません。

さて、2010年より韓国ソウル・弘大にてパートナーの池多亜沙子さん(金沢出身の書家)と喫茶店「雨乃日珈琲店」を営んでいる翻訳家の清水博之さんが「コロナ禍に聴いた・店内で流した音楽」をテーマにした、ディスクガイドエッセイ『コーヒーを淹れながら聴く音楽』を発刊しました(帯文は奈良美智さん!)。

 

雨乃日珈琲店は不定期に店内でのライブやイベントもあり、日本からも渡韓するインディーズアーティストが立ち寄る場所でもあるので、コロナの閉鎖的な時期は通常営業はもちろん、そういった文化交流もできず精神的にも大変だったろうし、旅が好きな清水氏はさらに不自由だったであろうと想像できます。

そんな時に聞いていた音楽ということで、落ち着いた文体ながらも以前に訪れた国や、まだ見ぬ遠くの場所への思いの馳せっぷりが溢れていたり、コロナ前に観たライブ、さらに中高生時代のリスニング体験まで遡っていたりと、清水氏の中のこの3年間が詰まっている選曲。ほとんど知らない音楽で、欧米からの影響が感じられない曲が多いのも清水氏らしいセレクト。
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全編韓国語の本ですが、巻末に日本語訳がありますので我々も読むことができます。金沢では石引パブリックで取り扱い中です(要在庫確認)。是非!

 

紹介されている音盤をSpotifyのプレイリストにまとめてみたので、購入された方は読みながら聞いてみてください。

 

 

清水氏は北陸中日新聞で『雨乃日珈琲店だより ソウル・弘大の街角から』というコラムを連載されているのでそちらもおすすめです。北陸中日新聞のWEBでも読めますので。

 

 

【追記】
と、清水さんの本を紹介したコラムを入稿した翌日に、雨乃日珈琲店が現店舗での営業を終了するというお知らせがきました。「店舗を借りている建物が競売にかかり、オーナーが変わり一方的な退去命令を受けた」というのが理由とのことですが、そんな理不尽なことがあるのか…。

 

でも、JO-HOUSEも大家から法外な価格で買えと言われて出て行ったり、ビル老朽化の取り壊しで立ち退きしたりと、創業52年の間に3度移転をして、現在の場所になって今年で20年目。気が付けばこの場所がいちばん長くやってます。

 

「JO-HOUSEといえば先代マスター時代&マルサンコーポビル時代(1977〜1997年)」という人が多かったけど、この場所もやっと根付いたかな?雨乃日珈琲もおそらく移転するだろうけど、同じ人間で同じ味で同じ音楽を流しても場所の雰囲気や匂い、空気、歴史は1から積み重ね直しです。

 

でも、今から心身ともに大変だとは思いますが、新しい場所で新しい店舗はちょっと羨ましいくらいです。そして「新店舗になって流した音楽」も教えて欲しいです。また必ず行きます!ファイティン!

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