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いいかげんは、良い加減|裕子の艶言葉 #74

酒が入れば心も開く。金沢屈指の名門クラブに在籍し、現在は木倉町でワインバーを経営する裕子さんの酸いも甘いも知り尽くした人生談義。酒席で老若男女の心の声に耳を傾けてきた夜の蝶ならではの言葉は、まるで美酒のごとく身体の奥まで沁みわたります。

 

信頼する読書家の方に教えていただいた本のタイトルが「いいかげんがいい」。

 

「いいかげんは、良い加減」、ありふれた言葉かもしれませんが、特に突っ走ってきたここ最近で、その大切さが身に染みる事が多くありました。

 

人間それぞれの特性として、意志力が強い人と、そもそも強い意志力を持ち合わせていない人がいます。意志力を持ち合わせている人は、漲る自信が溢れ、自分との約束を守る強さがあります。

 

意志力を持ち合わせていない人は「約束を守らねばならない」「必ず目標に達成しなければならない」「そうでなければ自分には価値が無い」と、強いプレッシャー化に置かれます。爽やかに貫ける強い意志力と、プレッシャー化に置かれたツラい意志力があるのです。

 

あたしの母親はとてもオシャレな人で、優しくて明るくておおらか。かなりワガママで自由なこんな娘の意思をいつも尊重してくれておりました。ただ、記憶のある限り若い頃から「オシャレは我慢(しなけらばならない)」と言う言葉にだけ、とても抵抗がありました。

 

痛くてもヒールを履く、オシャレの為なら寒くても我慢、とかそう言う事だったと思います。

 

少女裕子は「我慢してまで他人の評価の為のオシャレなんてしたくない。自分自身が、目にも肌にも気持ち良くて心地良い格好をしたい」と思っていました。そしてそれは今でも強く、変わりません。

 

もちろん、そんな我慢によって「自分が気持ち良く心地良い」ならばOK。ただし、他人への押し付けや、同じく従わない他人への怒りに変わる様であれば、立ち止まってよく考え直す必要があるかもしれません。

 

「◯◯しなければならない」は、ほとんどの場合が、強いすり込みと思い込み。すり込みや思い込みとは、長年の親の躾や社会のルールに影響される事。ルールや常識と言われるモノの抑圧が強い「◯◯しなければならない精神」は、自分を許せずに追い込み、他人へ厳しくなります。そして従わない他人への怒りに繋がります。そして、その多くが劣等感とセットです。

 

「守らない自分は価値が無い…だから◯◯しなければならない」と。

 

しかし実は、そんな事無いんです。それぞれの特性と価値があり、それを受け入れて柔軟に対応するんです。

 

誰しも必ず得意な事があります。好きな事や、好きな時間があります。

 

何をしていると楽しいですか?
何を思い描くと、心が躍りますか?

 

あたしの場合は、何かにときめいたり心が躍ると、だくだくとヨダレが湧き出ます。先日は「嬉しかったりワクワクすると尿意が起こる」と言う人もいました。

 

面白いですね。体液が反応するのでしょうか。他人の評価に脅かされないで欲しいです。

 

自分のワクワクして心躍るヘルシーな事を、探して、見つけてみてください。しかしそれすらも、あたしは押し付けません。どの様なコンディションで生きるにしても、それも、それぞれの人生。信じられない事でしょうが、自分の人生を不健全に生きる事を望む人もいます(それはまるでリストカットする事と同じく自傷行為。それままた、今度。)

 

いいかげんは、良い加減。

 

こちらはずいぶんと、いいかげんに生きてきました。でも、意志力があるので、ここまで辿り着きました。

 

良い加減さと、爽やかな意志力。柔軟に兼ね備えていきたいものです。

 

艶小噺

やっと雪もおさまり、暖かな日差しが出てきました。

 

春の香りがします。

 

春は山菜の苦味でしっかり解毒。冬に蓄えたものを排出しましょう。

 

春の味覚が楽しみです。

 

でも、冬の雪景色も、好きなんです。

 

四季のある日本が大好きです。

 

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