好きが高じてモロッコ雑貨店をオープンした野村睦子さんのモロッコ愛
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2019年1月、日本でも数少ないモロッコ雑貨店が金沢市八日市にオープン。
北陸にいながらにしてカラフルでエキゾチックなモロッコ雑貨に出会える可愛いショップが、女性の注目を集めています。
モロッコ雑貨好きが高じて自身の店を立ち上げたオーナーの野村睦子さんに、モロッコの魅力をいろいろと伺ってきました。
店内の一角。真っ白の壁にピンク、赤、紫、青、緑と配色が鮮やか。
部屋にあると元気が出るモロッコ雑貨の魅力。
どのようなアイテムをセレクトされていますか?
モロッコの中央部、マラケシュで買い集めた革製スリッパのバブーシュやマルシェバッグ、 キッチン雑貨やアクセサリーなど私が日本に持ち帰って紹介したいと思うものを選んでいます。カゴバッグの端にポンポンがついていたり、刺繍が施してあったり、モロッコ雑貨は女の子が好きなものが詰まっています。パートナーがモロッコのベルベル族という種族なので、ベルベルデザインのものも多いです。ベルベルバスケットは、色も形も作り手の感性で作られる一点もので、アートのようなデザイン。カラフルで部屋にあると楽しいアイテムです。
スマルという植物に毛糸を巻きつけて作るベルベルバスケットは4,200円〜。作り手の自由な発想で幾何学模様が編み込まれていて、どれも個性的。
伝統的な履物バブーシュ3,800円。かかとを潰しスリッパのようにしてルームシューズに人気のアイテム。
野村さんがモロッコ雑貨に出会ったのはおよそ5年前。OL時代に手に取った雑誌でモロッカンスタイルのインテリアを見て、その可愛さの虜になったとか。
どんなところに惹かれましたか?
それまで特に雑貨好きではなかったのですが、モロッコ雑貨は日本にはない色彩感覚が可愛い!と思いました。見ているだけで幸せな気分になります。モロッコ風ってどんなスタイルだろうと興味が湧いて、調べるようになったんです。今よりもまだまだ情報が少なかったですが、インスタでモロッコ好きを発信しているうちに仲間と出会えたことが大きかったですね。
お店をオープンするに至ったきっかけは。
いつか店を開きたいなという思いはあったのですが、きっかけがつかめずにいました。私このままでいいのかな?と思っていたときに勤務先の上司に「仕事楽しい?」と聞かれたんです。楽しそうじゃなかったんでしょうね。ライフスタイルを見直すことがいくつか重なって、人を幸せにしたり喜んでもらえることをしたいなと思うようになりました。よし、店をしようと。
移設するカフェではモロッコでよく飲まれているミントティー(500円)が楽しめる。砂糖を入れて甘くして飲むのがモロッコスタイル。
カフェ利用の方は民族衣装ガンドゥーラの試着もOK。好きな色のガンドゥーラを着てティー&写真タイム。
オープンするまでは急展開だったとか。
そうなんです。モロッコ雑貨の店をしようと決めてから4ヶ月後には店をオープンしてました。腹を括ると人には奇跡が起こるんですね。
この場所は元々洋服店で、玄関のドアがモロッカンマークだったので、前から可愛いなと思っていました。もし店をするならいいなって。ただ10年以上お店を営業されていたので空くことはないだろうと思ってました。
前職を退職して、たまたま知り合いに誘われてお店に来たら、移転の閉店セールをやっていて。驚きました。店長さんに話と、すぐに引き継ぎが決まって。買い付けもまだでしたが、トントンとお店が決まったんです。「これは見えない何かに後押しされてるな」と。
それから買い付けに行かれたんですか?
そうですね。まずは店にペンキを塗ったり、板を貼ったり、棚を作ったり、できることは自分で。それから2週間、マラケシュのマーケットへ買い付けに行ってきました。お店をしようと思ってからあっという間でしたね。
モロッコ雑貨はヨーロッパやイスラムの文化が混ざり合ってエキゾチックなテイストのものが多い。
日本を出発して約18時間飛行機を乗り継ぎモロッコへ。
モロッコはどんな国ですか?
アフリカ大陸の北西部にあるモロッコは、いろんな隣国の文化が混ざり合っている場所です。何度かモロッコに出向いてますが、衝撃を受けたカルチャーもたくさんあります。人の親切と思っていたことがお金を要求されたり、迷路のように入り組んだ道に迷って、思うように歩けなかったりと日本との違いを感じました。。初めての買い付けは、もう二度ときたくない思いをしました。
何度か訪れるうちにバスケットの店で刺繍を入れてくれるおばあちゃんと仲良くなったり、バスケットアーティストの男性と出会ったり、スリに会いやすいからお財布は腹巻きに入れなさいと指摘してくれる親切な人がいたり。英語は上手じゃないんですけど、片言でも仲良くできる人との出会いが楽しいです。
マラケシュのマーケット様子。目が覚めるような色合いの雑貨にあふれている。
バスケットの店で刺繍を入れ作業をしている女性たちと野村さん。マイシスターと呼び合うほどの仲に。
オープンしてしばらくですが、これからの夢はありますか?
モロッコは、観光業で生計を成り立たせている人がほとんどで、女性たちが手作りしたものを男性が販売しています。宗教上の理由もあって、女性たちの地位は低いです。私がモロッコの魅力を日本で広めることで、僅かでも働く女性たちの生活に余裕が持てたらいいなと思います。店名のジャミーラは美しい人という意味。雑貨を見て「可愛い」「素敵」とときめく気持ちを持ってもらえたら嬉しいです。
JamilaMorocco
ジャミーラモロッコ
石川県金沢市八日市4-282-2
TEL 076-287-6653
営業時間/11:00〜19:00
定休日/木曜日
駐車場/4台
※この情報は取材時のものです。
(取材・文/森内幸子、撮影/吉田章仁)