【まとめ】芸術の秋は金沢で。個性的な現代アートが楽しめるギャラリー5選
北陸初の国立美術館「国立工芸館」がいよいよオープン。「金沢21世紀美術館」も相変わらずの盛況ぶりで、いまや金沢は「アートの街」として世界中から認知されつつあります。
そんな中で忘れてはいけないのが、これまで石川県の芸術文化を根底から支えてきたギャラリーの存在。さまざまな展示や企画によってアーティストの魅力を発信し、私たちの感性をつねに刺激してくれる。金沢のアートシーンには欠かせない場所です。
というわけで今回は金沢市とその近郊にある、編集部おすすめのギャラリーをご紹介します。
ギャラリートネリコ(池田町)
まずは今秋に15周年を迎える『ギャラリートネリコ』から。片町スクランブル交差点を抜けた大通り沿いにあるので、この店構えに見覚えのある人も多いはず。近くには「one one otta」や「KATZ HAIR」などがあります。
このギャラリーの面白いところは1〜2週間という短いスパンで展示が入れ替わること。街に訪れるたびに、新鮮な気持ちでアートと触れることができるんです。
一階は作品が映える白の空間、二階は町家の面影を残す黒の空間となっている。
9月に開催された「勝亦秀彰陶展」の様子。ほかにも絵画やクラフトなどジャンルにこだわらない展示で楽しませてくれる。
「どこか人の心に響いたり、手づくりの良さに気づいたり、お客様が身近に感じられるような作品をご紹介しています」とオーナーの細川さん。
金額的にも手の届きやすい作品が多いので、ギャラリー未経験の人でも気軽に立ち寄れるのも魅力です。
今後の展示予定
期間:2020年10月31日〜11月8日
期間:2020年11月14日〜11月22日
ギャラリートネリコ
石川県金沢市池田町3-30
TEL.076-231-2678
営業時間/11:00~18:00(日曜は12:30〜18:00)
定休日/水曜日
駐車場/近隣にコインパーキングあり
atelier&gallery creava(長町)
長町武家屋敷跡界隈にひっそりと佇む『creava』は、ギャラリー、ショップ&カフェ、レストランなどが入居する複合型のアート施設。庭続きの建物、さらに「海月が雲になる日」と聞けば、ピンとくる人も多いかもしれません。
古い蔵を改装したアートギャラリーでは、人々の暮らしに溶け込んだ気品あふれる工芸品や美術品の展覧会を随時開催。隣接するスタジオでは、九谷焼の絵付けや陶芸体験などもできます。
現在開催中の個展「線と余韻」の様子。趣深い空間と作品が見事に調和している。
築100年の蔵を改装。木組みや壁をそのまま生かすなど、当時の面影が随所に感じられる。
コンセプトは「優れた作品や作家を発信し、アートと人の出会いを結ぶ」。若手作家の発表や活躍の場になればという思いから、おもに県内で創作活動を続ける作家さんをセレクトして展覧会を開いているそうです。
ちなみにカフェでは作家さんの器で、本格的な水出しコーヒーが飲めるんだとか!
今後の展示予定
期間:2020年10月3日〜10月25日
期間:2020年11月1日〜11月22日
atelier&gallery creava(クリーヴァ)
石川県金沢市市長町2-6-51
TEL.076-231-4756
営業時間/11:00~17:00
定休日/水曜、木曜日
駐車場/近隣にコインパーキングあり
ガレリアポンテ(野町)
続いては、片町から犀川大橋を渡ってすぐの場所にある『ガレリアポンテ』。代表の本山陽子さんによって、2008年に開廊されました。
Ponte(ポンテ)はイタリア語で「橋」という意味。そこには「美術が物質や精神への架け橋となるのではないか」というメッセージが込められています。
今という時代を感じさせながら、普遍性のある作家や作品を中心とした企画展を開催。
先週まで開催されていた「組立て/空間と量について コイズミアヤ展」の様子。
本山さんは「KOGEI Art Fair Kanazawa」の立ち上げや、先ほど紹介した「creava」のディレクションを手がけるなど、金沢のアートシーンに欠かせない存在。地元の芸術ファンであれば、ぜひ一度は訪れてみたいギャラリーです。
第4回目となる「KOGEI Art Fair Kanazawa(※)」にも出展されるそうなので、興味のある人はぜひチェックしてみてください!
※ 本年は新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、オンライン形式での開催が決定。
〈今後の展示予定〉
期間:2020年10月17日〜11月3日
期間:2020年11月13日〜11月29日
ガレリアポンテ
石川県金沢市野町1-1-44
TEL.076-244-6229
営業時間/11:00~18:00
定休日/水曜、木曜日
駐車場/1台(近隣にコインパーキングあり)
ルンパルンパ(野々市)
こちらは金沢市郊外(野々市)にあるギャラリー『ルンパルンパ』。新進気鋭のアーティストのための実験や表現の場として、現代アートや工芸などの企画展を行っています。
可愛らしい店構えとは対照的に、個性的な作品が多いのも特徴。広々とした空間にはさまざまなフェティシズムが交錯しているようにも感じます。
代表の絹川大さんの世界観は、こちらの記事「大人たちの座談会 フェティシズムと感覚」を読んでいただくと分かりやすいかもしれません!
美術品から工芸品までジャンルを問わないセレクトで楽しませてくれる。
代表の絹川さん。アーティストとタッグを組み、工芸とはなにかを常に模索している。
作家・万(まん)氏によるエロチシズムを感じさせる作品群。
「とくに若い人には、美術の世界をもっと身近に感じてもらいたい。網膜を刺激して、脳にダイレクトに届く。瞬間的に感情を揺さぶるような作品をこれからもプロモーションしていきたいですね」と絹川さん。
アーティストとお客さんの架け橋となって、オーダーメイド制作の相談も受け付けているそうです。
今後の展示予定
期間:2020年10月16日〜11月22日
ルンパルンパ
石川県野々市市本町1-29-1 スマイリー1F
電話番号/076-287-5668
営業時間/11:00~19:00
定休日/水曜、木曜日
駐車場/あり
SKLo(香林坊)
最後は金沢香林坊・せせらぎ通りの裏路地にある『SKLo』。中欧古物の紹介をはじめ、アーティストとの協働による展覧会を企画、開催しています。
運営するのは、チェコやドイツなどで買い集めたアンティークを販売する「SKLo room accessories」。こちらも素敵なお店なので、ぜひ立ち寄ってみてください。
コンクリート壁に囲まれたギャラリースペース。自然光が挿し込む落ち着いた空間となっている。
「谷口典央個展 From Someone」の風景。10月18日まで開催。
「街ゆく人が何気なく立ち寄り、作品と出会える場になれば」と代表の塚本さん。
そこには、私たちが知らない物事の萌芽が感じられるような出会いが、たしかに存在している気がします。
今後の展示予定
期間:2020年10月31日〜11月15日
期間:2020年11月22日〜12月13日
SKLo(スクロ)
石川県金沢市香林坊2-12-38
TEL.076-224-6785
営業時間/12:00~19:00
定休日/水曜日
駐車場/近隣にコインパーキングあり
新たな感性の扉を開いてくれるアートとの出会いは、いくつになっても新鮮で楽しいもの。
週末はギャラリーめぐりで、芸術の秋を満喫してみてはいかがでしょうか?
※こちらの情報は取材時点のものです。
(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)