煩悩バンザイ!石川県がもっと
楽しくなるウェブマガジン「ボンノ」

【夏バテ対策】蒸さずに焼き上げる、地焼きのうなぎ専門店が金沢に進出!

梅雨も明けて、暑さが本格化。心なしか体が重くて、食欲も落ちた気がします。

 

そんなわけで訪れたのは、金沢片町にオープンした『にょろ助』。石川県では珍しい、蒸さずに焼き上げる「地焼き」のうなぎ専門店です。これがどうやら「コスパ最強の鰻屋」と評価がうなぎのぼりらしく…。

 

土用の丑の日にはちょっと早いですが、精のつくものを食べてスタミナをつけようと、極上鰻重を食べてきました。

 

片町スクランブルから徒歩5分、アゴーラ金沢の裏手に位置する『にょろ助 金沢片町』。

こだわりは「割きたて、焼きたて」。

犀川沿いの裏路地を歩いていると、突如として現れた「鰻」の文字。町家造りの粋な店構えで、情緒もたっぷり。小窓からもくもくと煙があふれ出て、あたりには香ばしい匂いが立ち込めています。

 

暖簾をくぐって中に入ると、うなぎの寝床のような奥行きの深い造り。この客同士が一列になる空間ってなぜか落ち着くんですよね。カウンターの上に並べられたおばんざいも気になります。

 

うなぎが焼き上がるまで、骨せんべいや旬野菜のおばんざいをアテに一杯やるもよし。

 

着席して鰻重を注文すると、職人さんが木箱を抱えて登場。中にはなんとびっくり、生きたうなぎが!にょろにょろっと、元気に動き回っているではないですか。

 

「うちのこだわりは、割きたて、焼きたて。こうしてお客様に見ていただいた活うなぎを、職人が一匹ずつさばいて、焼き上げるんです。うなぎは鮮度が命ですからね」と板長の木村和義さん。

 

鰻重を食べにきただけなのに、こんな最高の演出が待ち構えているとは。そりゃ人気も出るはずです。

 

本日のうなぎは愛知県一色産。幸運にも夏に旬を迎える「新仔(一年未満のうなぎ)」と巡り会えた。

皮はパリッと、身はふんわり。

使用するうなぎは国産のみ。愛知、静岡、九州、四国など、産地を限定せず、その時期にもっとも美味しいものを厳選し、養鰻場から直接仕入れているそうです。

 

ちなみにうなぎが夏バテに効くといわれるのは、体を保護する栄養素がたくさん含まれているから。とくに免疫力を高めるビタミンAが豊富で、コロナ時代に欠かせない食材としても注目されています。

 

継ぎ足しのたれは、ちょっと甘めの関西風。

 

そのたれに数回くぐらせながら、備長炭を使ってじっくりと焼き上げる。

 

ここからいよいよ『にょろ助』の真骨頂ともいえる、地焼きの工程へと突入します。

 

「地焼きというのは関西式の焼き方のこと。背開きしたうなぎを蒸してから焼く関東式とは違って、腹開きにしてそのまま焼き上げるのが特徴。こんがり焼いた皮目が、うなぎの美味しさをぎゅっと閉じ込めてくれるんです(木村さん)」

 

ふわっとトロける食感が特徴の関東式に対して、関西式は皮がパリッと香ばしく、身はふっくら。どちらも甲乙つけ難いけど、うなぎ本来の風味や脂の乗りを楽しみたい人には、関西式の地焼きがおすすめかもしれません。

 

そうして待つこと30分。ついに鰻重が運ばれてきました…。

 

極上鰻重(二尾)4,950円

白焼きと蒲焼きを食べ比べ!

筆者が注文したのは、白焼きと蒲焼きが一本ずつ入った、贅沢仕様の極上鰻重。まずは白焼きからと箸を入れると、これがまた柔らかいのなんの。ひと口食べれば、皮目はパリッと歯切れ良く、身は口の中でホロリ、ホロリ。脂のコクや身の旨み、香りが口の中に広がって、うなぎそのものの美味しさが一体となって押し寄せてきます。

 

たまに「うなぎは皮がゴムみたいだから嫌い」という人がいますが、このうなぎを食べたらきっと印象が変わると思います。

 

お重からはみ出すほどのボリュームで5,000円以下。コスパ最強と評されるのも納得。

 

つづいては蒲焼き。ちょい甘めのたれはコクがあって、うなぎ全体の香ばしさがグッと増した印象。ごはんとの相性もばっちりで、もりもりと食欲が湧いてきます。味がクドすぎないのも好感ですね。

 

そんなこんなで、白焼きと蒲焼きの食べ比べをしっかりと堪能。想像以上のボリュームに、最初は「食べ切れるかな?」と心配したけど、案外ペロリと完食することができました。ほんとに美味しくて、まったく飽きないんですよね。

 

鰻珍味 五種盛り 1,980円

酒のつまみも豊富に取り揃え。

和食や中華の要素を取り入れた、創作料理も豊富に用意するのが『にょろ助 金沢片町』の魅力。とくに珍味盛りは秀逸で、うなぎの本質を理解した職人だからこそ表現できる味わいが、一皿に凝縮されています。

 

本日の内容は、煮こごり、う巻、八幡巻、うなハム、鰻味噌の5種。それぞれにうなぎの持ち味が生かされていて、これだけで日本酒5合は軽くいけちゃいそうです。

 

だしの旨みたっぷりの煮こごり。刻んだうなぎが入っている。

 

そのほかにも、鰻丼やひつまぶし、鍋、すき焼き、天ぷら、串焼きなど、うなぎ専門店ならではのメニューが豊富。生粋のうなぎ好きのために「にょろ助名物 鰻食べつくし(11,000円)」なんていうコースも用意しているそうです。

 

今年の土用の丑の日は7月28日。テイクアウトをする場合はかなりの混雑が予想される上、焼き上がるまでに時間を要するので早めの予約がおすすめです!

 

 

にょろ助 金沢片町
石川県金沢市片町2-31-32
TEL.076-222-8518
営業時間/11:00~22:00(状況により時短営業あり)
定休日/無休
席数/30席
駐車場/近隣にコインパーキングあり
※こちらの情報は取材時点のものです。

 

 

(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)

RECOMMEND ARTICLEおすすめの記事

WHAT’S NEW新着記事