スパイスの香りに誘われて。全国的にも珍しいビリヤニ専門店『ジョニーのビリヤニ』
ビリヤニとは、カレーの上にバスマティライス(インドのお米)を重ねて蒸し合わせたインパキ系の米料理。ざっくりいうとカレーの炊き込みごはん。イスラム教徒の結婚式や街中の屋台など、さまざまなシーンで食されている。
9月からランチのみの営業に変わった。
バックパッカー時代に出会ったビリヤニの味。
全国的にも珍しいビリヤニ専門店が金沢にある。片町の雑居ビル4階。営業中はビルの表に『ジョニーのビリヤニ』と看板が掲げられているので、それを目印にすると良い。
「金沢にはご当地カレーがあるし、富山にもインド料理屋がたくさんある。北陸の人たちはカレーが好きなんです。だからビリヤニ専門店もいけるかなと思って」と店主のジョニーさん。その予想も見事に的中し、オープンから4ヶ月経った今もなお繁盛し続けている。
ちなみにジョニーは店主のイングリッシュネーム。バックパッカーをしていたときに、ジョニーウォーカーのパロディTシャツを着ていたことから、そう呼ばれるようになったそうだ。
店主のジョニーさん。
ガツンとくるスパイス。決して日本人の舌には媚びない硬派な味。
メニューはチキン、ビーフ、ひつじ、野菜など7〜8種類。メインの具材に合わせて素材やスパイスを変えるため、すべてのカレーの味に違いがある。作り方は本場仕込み。現地で購入した壺型の鍋で、毎日2〜3種類のビリヤニを炊き上げる。
「実際にインドでビリヤニを食べたときに、本場の味を残しながら日本人が美味しいと感じるためにはどんなアレンジが必要か。そう考えたことがありました。スパイスの配合や使用する食材など、そのときのアイデアを再現しているんです」とジョニーさん。
スパイスの量はインドの倍。パンチのある味に仕上げつつ、カレーを作る直前に原型の状態から挽くことでより風味をきわ立たせている。
ひつじのキーマ1,000円。
現地で購入したビリヤニ鍋。
これ抜きでは語れない。フライドオニオンの圧倒的な力。
味の決め手となるのはフライドオニオン。「スパイスや具材よりもこれが一番大事」とジョニーさんが豪語するように、強火でガッツリと揚げたフライドオニオンをトッピングすることで、ビリヤニ全体の旨味が圧倒的に増しているのが分かる。
これにパクチーとレモンの爽やかさ、ヨーグルトの酸味、赤玉ねぎのシャキッとした食感が相まって、ジョニーのビリヤニは完成。ひたすら濃くて甘いチャイで〆れば、雑居ビルの隙間にはきっとインドの風が吹いているはず。
ぱらぱら、ふわふわなバスマティライス。
ジョニーのビリヤニ
石川県金沢市片町2-5-8 勝田ビル4F
TEL.076-255-1255
営業時間/11:30~14:30(L.O.)
定休日/火曜日
席数/カウンター6席、テーブル8席
駐車場/近隣にコインパーキングあり
※こちらの情報は取材時のものです。
(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)