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石川県民のソウルフード「とり野菜みそ」の一人鍋専門店に行ってみた。

ここ数日でめっきり冷え込みが厳しくなった石川県。今年はラニーニャ現象の影響で、例年よりも寒い冬となる見込みだそうです。

 

そんな寒い冬に恋しくなるのが「鍋もの」。石川県のご当地鍋といえばとり野菜みそですが、じつはその一人鍋専門店なるものが存在するって知ってましたか?

 

とり野菜みそ 一人鍋専門店

金沢工大の学生たちが運営。

やってきたのは「香林坊東急スクエア」の2階。おしゃれなセレクトショップがひしめくフロアの中でひときわ異彩を放つのが、今回のお目当て『とり野菜みそ 1人鍋専門店』です。

 

運営するのは、金沢工業大学の学生プロジェクト「DK art cafe」。新型コロナの感染拡大によってカフェの休業を余儀なくされる中、コロナ禍でもお客さんに来てもらえる一人鍋専門店の出店を計画。かつてコンビニメニューの開発でとり野菜みそ入りのカレーを作った縁から、製造元である「まつや」とのコラボが実現したそうです。

 

公式キャラクターのまつやとりさんがお出迎え。

 

その知名度は全国区。もはや説明不要な「とり野菜みそ」ですが、念のため特徴をお伝えしておきます。

 

・江戸時代から親しまれている石川県民のソウルフード。北前船の廻船問屋を営んでいた初代当主の松屋和平氏が、過酷な航海で身体を壊してしまいがちな船員のため、船上でも栄養価の高い食事がとれるよう調合した味噌がベースになっている。

 

・ 大豆と米麹から作る米みそに、数種類の調味料や香辛料などを調合。日本人に昔から親しまれている伝統の味噌を、現代人にも好まれるようにアレンジしている。

 

※まつやHPより抜粋

 

ちなみにとり野菜みその「とり」は、鶏のとりじゃなくて、野菜をたっぷり摂るという意味から付けられたそうです。

 

『とり野菜みそ 1人鍋専門店』では、調理味噌やレトルト食品などの販売もしている。

 

そんな「とり野菜みそ」ですが、一人鍋専門店では24種類の組み合わせから選べるとのこと。

 

さっそく注文してみましょう!

 

決め手は白菜のゆで具合!

 

注文方法はいたってシンプル。以下の3ステップから好きなものを選んでいく形となります。

 

ステップ1:みその種類
① とり野菜みそ
② ぴり辛とり野菜みそ
③ ごまとり野菜みそ
④ 坦々ごまとり野菜みそ

 

ステップ2:肉の種類
① 桜姫鶏モモ肉
② 特選豚バラ肉

 

ステップ3:白菜のゆで方
① ウェルダン(しんなり)
② ミディアム(ふつう)
③ レア(しゃきしゃき)

 

県内にはいくつか「とり野菜みそ」を使った鍋を提供するお店がありますが、4種類すべての味を選べるのはおそらくここだけ。辛党の筆者としては、ピリ辛があるのもうれしいですね。

 

 

こちらは店長の松林賢司さん。可愛いエプロン姿ですが、じつは金沢工業大学で経営学を教える先生だったりします。「DK art cafe」もこちらのお店も、経営学の一環だったりするのでしょうか。金沢の学生たちがアイデアを出し合ったお店となると、ちょっと応援したい気持ちなりますよね。

すみませ〜ん!

松林さん

はいはい、お待たせしました。

え〜っと、白菜のゆで方なんですけど、どれがおすすめですか?

松林さん

まつやさんのおすすめは、くたくたになるまで煮込んだ「ウェルダン」。白菜とみそが溶け合って、甘味たっぷりの味わいになります。

ふむふむ。

松林さん

一方で健康志向の方に人気なのが「レア」。シャキシャキとした歯応えが楽しめるだけでなく、栄養もたっぷり。生の白菜は茹でたものと比べて、ビタミンが約2倍も含まれているんですよ。

う〜ん、迷うけども…。坦々ごまとり野菜みそ、桜姫鶏モモ肉、レアでお願いします!

松林さん

かしこまりました!

ソロ活女子にも大人気!

とり野菜みそ1人鍋 550円(ごはん付きは+100円)

 

それから10分も経たないうちに、お待ちかねの一人鍋が登場。飾り気のない庶民的な佇まいに、思わず「あ〜、こういうのでいいんだよ」と、松重豊さながらのトーンで呟いてしまいます。

 

値段の方も550円と庶民的。コンビニ弁当よりも安い金額で温かい鍋が食べられるなんて…。葉物が高い時期とかはどうしているんだろうと、逆に心配になってしまいます。

 

味へのこだわりを松林教授に尋ねてみると「まつやさんのレシピを忠実に再現すること」と即答。

 

やっぱりプロの意見を取り入れるのが一番なんですね。

 

白菜は産地にこだわらずその時期に美味しいものを仕入れるそう。本日の白菜は穴水産。

 

じつはこの一人鍋、女性のおひとり様にもかなり好評らしく、最近では片町や竪町などでのショッピングの合間に訪れる人が増えているそうです。

 

その理由は、野菜中心でヘルシーだから。カロリーはごはんと合わせても500kcal以下。身体が内側から温まるので、代謝も上がって太りにくくなるというわけです。

 

筆者が注文した「坦々ごまとり野菜みそ」は、まつや特製の豆板醤と風味豊かなねりごまを使用した、刺激的かつ濃厚な味わいが特徴。白菜との相性も申し分なし。

 

お米は県産のゆめみずほを使用。出汁をかけたときに美味しくなるよう、少し硬めに炊いているのだとか。

 

石川県で数少ない「金沢百万石ビール」の”生”が飲めるお店。ビールと一人鍋の最強コンビで昼飲みを堪能したい。

 

そうこうしているうちに、あっという間に完食!レシピを忠実に再現しているせいか、自宅で食べるとり野菜みそよりも、数倍美味しく感じました。

 

みなさんもぜひ「まつやのとり野菜みそ」の美味しさを再確認しに、訪れてみてはいかがでしょうか。

 

 

とり野菜みそ 1人鍋専門店
石川県金沢市香林坊2-1-1
TEL. 090-9440-7799
営業時間/11:30~19:30(L.O.)
定休日/水曜日
席数/テーブル9席
駐車場/近隣にコインパーキングあり
※こちらの情報は取材時点のものです。

 

 

(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)

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