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夫婦漫才のような掛け合いが面白い名物居酒屋『芝松』で一杯

香ばしい焼き鳥の匂いに誘われ暖簾をくぐると、いなせな大将と女将がお出迎え。有線から流れる演歌に合わせて鼻歌混じりに仕込みをするのは、ご主人の小竹秋光さん。70代とは思えない溌剌とした手さばきで、名物料理を次々と作り上げる。

 

そんな小竹さんを40年以上にわたってサポートするのが、女将の多津江さん。膳立てをしながら、会話の合いの手をテンポよく。息のあった掛け合いはまるで夫婦漫才を見ているようだ。

 

創業は1981年。東京のちゃんこ鍋の名店〈芝松〉で修行を積んだ小竹さんが、暖簾分けの形で地元金沢に店を開いた。

 

壁を賑わす力士の写真や手形を見てもわかるように、小竹さんは大の相撲好き。予約をすれば、贔屓にしていた片男波部屋の力士直伝のちゃんこ鍋も味わえる。焼き鳥は1本100円。ほかの肴も500円前後と良心的な価格なので、気軽に注文できるのがありがたい。

 

海より深い大将の相撲愛。元横綱の輪島氏とも生前親しかったそう。

魅力その一。料理がうまい

焼き鳥屋人気のオムライスのほか、揚げ物や煮込み、新鮮な刺身の盛り合わせなど、酒が進む定番系の料理を豊富に用意。大将はこの道40年の大ベテラン。注文から提供までの流れるような段取りは流石のひとこと。

 


焼き鳥は一本から注文可。肉厚で食べ応えのある串を、絶妙な火加減で焼き上げる。

 


これからの季節はおでんもおすすめ。あっさりとした出汁が身体に染み渡る。盛り合わせ480円。

 

豚バラとにんにくを卵でとじた、名物料理「ちんたつ」。ネーミングはお察しの通り。480円。

魅力その2。地元民に愛される

近くの自衛隊で働く20代の若者から90代のご年配まで、地元の常連客が集まる店。隣の客とも気軽に酒を酌み交わすことのできる、そんな人情味溢れる雰囲気が魅力。酔いが深まり、みんなでカラオケ大会、なんて日もざらにあるそう。

 

笑顔が素敵な女将さん。某作曲家の門下生として鍛え上げた歌声も素敵。息子のように可愛がる若き自衛隊員と賑やかに乾杯!

魅力その3。粋と情緒がたまらない

夫婦円満の秘訣はとの問いに「忍耐と努力だよね」と秋光さん。何十年もの間、夫婦二人三脚で歩んできた人生。そんなふたりが意気揚々と仕事をする姿に親しみ、美味しい酒と料理を味わう粋こそが、この店の一番の魅力なのかもしれない。

 


昭和酒場の名残をとどめる短冊メニュー。和洋中なんでもござれ!

 


日本酒は立山の上撰。料理と合わせるならコレ!という人は多いはず。

 


金沢市立病院のすぐ目の前。ぼんやりと灯された、情緒あふれる提灯の明かりが目印。

 

芝松
シバマツ
石川県金沢市平和町2-11-12
TEL.076-244-3324
営業時間/17:00〜23:00
定休日/木曜日
席数/カウンター13席、席数12席 ※全席喫煙可
駐車場/あり
※この情報は取材時のものです。

 

※こちらの記事は、2018年10月末発行の『BonNo』vol.87を再編集したものです。増税前の記事により、価格が変動していることがございます。

 

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