品数ランチ⑬|金沢市泉野町「酒菜 TERA寛」の日替わりランチ
品数8品以上を縛りにした、よくばりランチを紹介する〈石川品数ランチ〉。
今回は、金沢市泉野町にある『酒菜 TERA寛』の日替わりランチを紹介します。
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住宅地の隠れ家的存在『酒菜 TERA寛』。
一時閉店から、待望の営業再開!
約20年もの間、金沢市泉野出町の住宅街で営業を続けてきた『酒菜 TERA寛』。
京都で修業をし、金沢で独立した店主・寺内吉國さんの丁寧につくられた日本料理を堪能できるお店です。
コロナが蔓延する前の2018年に、お店のステップアップのため一時閉店をしたのですが、一昨年に再オープン。
再開を待ち焦がれたファンはたくさんいたでしょうね~。
取材を始める前、ネットはほとんど見ないというご主人にBONNOのページを見せながら「グルメやカルチャーの記事を中心に掲載しています」と説明すると、
「え~カルチャーの方で載りたかったわ!」と笑う寺内さん。
実は寺内さんは大変多趣味な方で、特に木工や器に関しては趣味の範疇を超えるほどの知識や技術をお持ちなのです。
お店の扉を開けて一番に目に入る店看板。
個室奥に飾られている書は善光寺住職の直筆のもの。
店内に飾ってある大きな木製看板は、寺内さんのお手製のもの。細かな彫りの入った味わいのある作品です。また、個室には自身のつくった大きな屋久杉のテーブルを設置。どっしりと存在感を放っています。
閉店期間中には木工で曲線美に挑戦したいと、なんとカヌーを制作されたとか。店先で作っていたら道行く人に驚かれて話題を呼び、新聞にも掲載されたそうですよ。
西岡小十作品だけでも約350点を所有しているそう。
さらに、店内にはコレクションしている器も飾られています。寺内さんは唐津焼の陶芸家・西岡小十の器のコレクターでもあり、夜営業では氏の作品が客席に登場することも。
カウンターに座れば、寺内さんの趣味の話をたっぷりと聞けそうですね。
ものづくりや手仕事のものに惹かれるという寺内さん。その繊細さやセンスは料理にも反映されているようです。
細やかな仕事が光る全14品
日替わりランチ 1,320円(1日30食限定)
漆塗りの盛り箱に入った副菜が目を引く「日替わりランチ」。
提供されるときには盛り箱の蓋は閉められているので、開ける時のワクワク感を味わうことができます。
和食らしい上品な甘みや旨みを感じられる品々がならび、価格以上に贅沢な気分になるランチです。
本日の品数は14品でした!
この日のメニューを詳しくご説明。
- 加賀太きゅうりの射込み
- ご飯
- いなり寿司
- 金時豆の甘煮
- 青梅のシロップ煮
- 小松菜の白和え
- ポテトサラダ
- がんもどきと野菜の煮物
- 卵巻き
- 海老の煮付け
- 丸十(さつまいも)のレモン煮
- かつおの藁焼き
- 味噌汁
- きゅうりと新生姜の漬物
という内容でした。
ご主人おひとりで作られているのにも関わらず、この品数には脱帽です!
30食限定というのにも頷けます。
盛り箱に入った前菜は8品。
彩り豊かで、栄養バランスも考えられています。
この日は煮物が多かったのですが、それぞれの食材を活かした味付けで炊かれていて、甘みが口に広がったり爽やかな酸味を感じたりと飽きのこない構成でした。
この日の主菜は、加賀太きゅうりの射込み。
射込みとは、食材をくり抜いて中に詰め物をする料理のこと。金属を溶かして鋳型の中に流し込む「鋳込み」と書いて同じ料理のことを指すこともあります。今回の加賀太きゅうりには白身魚のすり身が詰められていました。餡をかけて、上にはカリッとしたちくわのチーズ揚げ。食感の楽しい一皿でした。
ランチには必ずお刺身がつきます。
この日は同店名物のかつおの藁焼き。香りをしっかり残すために秘密の手法を使っているという寺内さん。藁の芳ばしい香りが鼻腔をくすぐる、ファンの多い一品です。
今回は「THE和食」というラインナップでしたが、たまにこだわりのハンバーグなど洋食が登場することもあるようです。
どちらにせよ、ランチでこの味を堪能したら、夜も行きたくなってしまうこと間違いなし。夜は様々な日本酒を揃えた和食処として食通に愛されているお店なので、たまには街から足を延ばして郊外で一杯というのも乙ですね。
以上、丁寧な日本料理の仕事をリーズナブルに楽しめる『TERA寛』のランチでした!
TERA寛
石川県金沢市泉野町5-1-20泉野パールハイツ1F
TEL. 076-247-2522
営業時間/11:30~13:30(L.O)、17:30~21:00(L.O.)
定休日/水曜 ※ランチは日曜・祝日もお休み
席数/30席
駐車場/6台
※こちらの情報は取材時点のものです。
(取材・文/西川李央、撮影/林 賢一郎)