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人と緑の関係を科学する「Green Labo」ってどんなお店?

「植物と共に過ごすことで人間はウェルビーイングを感じる。これは科学的にも証明されている」

 

最近、読んだ本にそんなことが書いてありました。

 

ストレスの緩和、自律神経の改善、眼精疲労回復、作業効率向上、空気清浄化、などなど。

 

これまでは「なんとなく癒されるから」という理由で、オフィスやリビングに観葉植物を取り入れてきましたが、そうした効果がエビデンスとして残されているのであれば、もっと真剣に植物との付き合い方を考えてみる必要があるのかもしれません。

 

※ 人間が、肉体的、精神的、社会的に良好(幸福)な状態にあることを意味する概念。

土を使わずに育てるハイドロカルチャー。

 

そんなわけでやってきたのが、昨年11月に移転リニューアルした金沢市大桑の『Green Labo』

 

「人と緑の関係を科学する」をコンセプトに、植物や園芸用品の展示販売、寄せ植え、ギフトの制作、草花のワークショップなどを行う、ライフスタイルショップです。

 

運営するのは、オフィス緑化から住まいの庭造り、都市開発まで幅広く手がける「総合園芸」。イオンモール白山の屋内緑化でも話題になった会社です。

 

 

こちらは代表の徳本真一さん。今回は『Green Labo』を構成する4つの建物を回りながら、それぞれの見所について聞いてみたいと思います。

よろしくお願いします。それにしても広いですね〜!

徳本さん

敷地の広さは野々市の時と同じなんですけど、植物の数を減らしたので広く感じるかもしれませんね。

えっ、減らしちゃったんですか?

徳本さん

観葉植物でもポット苗でも、その価値をいかに見出すかが私たちの仕事。以前よりも「ここでしか買えない一点物」を意識してセレクトしているんです。

サステナブルな時代こその価値観ですね。健康体の株を買った方が長持ちもします。

徳本さん

そうですね。状態が良いものを提供するためには、今ぐらいの品数がちょうど良いんですよ。

ちなみに今いるのは「ショールーム」ですよね。どういった場所なんですか?

徳本さん

大小様々な植物に囲まれながら、緑の良さを体感していただくスペースになっています。

まさによりどりみどり!自然の光が降り注いで、すごく気持ちイイです。

徳本さん

ガラス建築を取り入れた温室仕様になっているので、自然な状態で植物を観察できるんです。屋根には太陽光パネルを設置して、植物の管理に必要な電力をまかなっているんですよ。

Barns A棟 ショールーム

初心者にもおすすめの植物ってありますか?

徳本さん

ハイドロカルチャー(水耕栽培)ですね。

あっ、僕の家にもあります。土を使わずに育てるやつですよね。

徳本さん

そうです。管理しやすい植物の栽培方法として、お店でもイチオシしているんです。

土で育てるのと何が違うんですか?

徳本さん

まず、土物の植物は、鉢がどうしても重くなります。

土が入っているから当然ですよね。

徳本さん

はい。でもこれがなかなか不便なんですよね。植物って意外と持ち運ぶことが多いじゃないですか。

たしかに。僕の家にも大きな鉢植えがあるんですけど、植え替えしたときは大変でした…。水やり後に鉢底に溜まった水を捨てるのもひと苦労だし。

徳本さん

最近の住宅は吹き抜けがあったり、リビングの間取りが広かったりで、生活空間に取り入れる観葉植物が大型化しているので、そういった悩みを抱えている方は多いんですよ。

 

ハイドロカルチャー シリンダーベース 4,200円〜。

土の代わりに入れるハイドロボールって見た目以上に軽いんですよね。

徳本さん

そうですね。土の3分の1程度と言われています。

植物に対して悪い影響はないんですか?土の方が栄養ありそうだし。

徳本さん

ハイドロカルチャーは根の部分の通気性が良いので、根腐れしにくい特徴があるんですよ。

そうなんですか。根腐れというと初心者が一番やりがちな失敗ですよね。

徳本さん

はい。それが起こりにくいので植物自身も健康を保てるし、根っこが元気なので空気清浄化の効果も高まると言われています。あとは土を使わないので臭いが出にくくて、虫も湧きにくいといったメリットもありますね。

栄養面はどうするんですか?

徳本さん

液体肥料を使います。最近はハイドロカルチャー用に開発された肥料も販売されているんですよ。

なるほど〜。

徳本さん

もちろん土耕栽培にも良い所はあるので、植物を置く場所やシーンによって検討してみてくださいね。

緑と光に包まれたカフェも併設。

café Musee

ここは、カフェですね。

徳本さん

はい。じつはここのウォールグリーンもすべて水耕栽培の植物なんです。

え~っ!

徳本さん

見た目がオシャレで場所も取らないウォールグリーンは、ここ数年でかなり需要が増えています。オートタイマーで水が流れる仕組みなので、管理もすごく楽なんですよ。

最近は、オフィスを緑化する会社が増えましたもんね。

徳本さん

バイオフィリックデザインという概念が浸透して、都会を中心にオフィスなどの建築物に植物を取り入れることが常識化されつつあります。緑の近くにいることで、生産性が高まったり、ストレスが緩和されたり、コミュニケーションがはかどったり。植物がもたらすプラスの要素は、科学的にも証明されているんですよ。

そういった意味での「人と緑の関係を科学する」なんですね。

徳本さん

とはいっても、これまで園芸に興味のなかった人にとって「管理の手間」が弊害となるのも事実です。

たしかに。いくら植物が人体に良い影響を与えるといっても、管理することがストレスになっては元も子もありませんね。

徳本さん

そういった意味でも、必要最低限のお世話で無理なく植物を育てることができるハイドロカルチャーは、現代のライフスタイルに合った栽培方法だと考えているんです。

大型の植物からサボテンや多肉植物まで、ハイドロカルチャーは基本的にどんな植物にも対応できる。

ちなみにカフェではどんなメニューを提供しているんですか?

徳本さん

イチオシは、無農薬野菜をたっぷり挟んだサンドイッチ。じつはこの野菜もハイドロカルチャーで育てたものなんですよ。

そうなんですか!

徳本さん

もし良かったらおひとついかがですか?

いただきます!(もぐもぐ…)おっ、葉っぱが柔らかい。そんでもってフレッシュ。青臭さもほとんど感じませんね。

徳本さん

ハイドロカルチャーで育てた野菜は、食感が柔らかくて、えぐみが少ないのが特徴なんですよ。

うんうん。これなら野菜嫌いの子供でも食べられそうです。

徳本さん

もうひとつのおすすめはグリーンピザ。ジェノベーゼソースをベースに、無農薬野菜をたっぷりのせています。

美味しそうですね〜。

徳本さん

ドリンクはブレンドコーヒーやオーガニックハーブティーのほか、水耕栽培で育てたフレッシュ野菜のスムージーもご用意しています。今後はスイーツなどのメニューも増やしていく予定なので、楽しみにしててくださいね!

(左)グリーンピザ 750円、(右)グリーンサンド 550円

 

 

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人と緑がつながる場所をめざして。

うわ〜、すごい!

徳本さん

『Green Labo』全体の回遊性を高めたくて、建物と建物の間にストリートを作ったんです。

なんだかヨーロッパの街並みにいるみたいですね。

徳本さん

花の都パリにある広場をイメージして、花マルシェ通りと名付けました。マルシェではポット苗を中心にさまざまな花や植物を展示販売しています。

となりの建物はなんですか?

徳本さん

こちらはアトリエですね。おもに寄せ植えやオリジナルのグリーン、フラワーギフトを制作しています。

Barns B棟 アトリエ

 

オリジナルの寄せ植えも販売している。

スタジオも併設しているんですよね。

徳本さん

そうなんです。これからはワークショップやイベントといった、植物を身近に感じられるような取り組みにも力を入れていきたいと思っていて。春頃には毎週開催できるように調整している所です。

具体的にどんなことをするんですか?

徳本さん

お花の寄せ植え、オーガニックハーブ講座、ガーデニング教室など。集まった人たちの中心に植物があれば、基本的にはなんでもアリです。

楽しそうですね〜。

徳本さん

海外のガーデンセンターには、三世代で通い続ける家族がたくさんいます。日本にもそういった素晴らしい文化を伝えるために、人が集まる場所を提供し続けていきたいですね。

これはなんですか?

徳本さん

石川県の伝統工芸・珠洲焼の器を使った作品になります。

渋いですね。黒灰色が緑を引き立てているように感じます。

徳本さん

そうなんですよ。しかも珠洲焼の器は呼吸をするので、植物との相性が良いんです。

呼吸ですか。

徳本さん

多くの細かい気孔が開いているのが珠洲焼の特徴。釉薬も使わないので器自体が呼吸をするんです。

通気性が良いから植物の育成に向いているんですね。

徳本さん

そうですね。鉄分を多く含んだ土を使っているので、年数を重ねるごとに器に味が出るのも魅力です。

Studioにて

これってどこから仕入れているんですか?

徳本さん

じつはこれ私が作ったものなんです。

そうなんですか!

徳本さん

父から社長の座を譲り受けるまで「Barns」の店長として、年間何千鉢と寄せ植えを作ってきました。そのなかで「もっと価値のある物を作りたい」と考えるようになり、器に興味を持ったんです。

そこからの珠洲焼なんですね。

徳本さん

そうそう。知人の紹介で珠洲焼作家の宮脇まゆみさんと出会って、窯に通いながら作陶のお手伝いをするようになったんです。

そうだったんですね。

徳本さん

これまで「Barns」では、一輪の花から街づくりまで幅広く手がけてきました。そうした流れを受けながらも『Green Labo』では、人と緑がつながる場所として、さまざまな体験や出会いを提供したいと考えています。

ふむふむ。

徳本さん

そのために大切なのは、自分自身も精一杯楽しむこと。今の時代に何が求められているのかを模索しながら、緑のある豊かなライフスタイルデザインを追求していきたいです。

 

Green Labo(グリーンラボ)
住所/石川県金沢市大桑3-56
TEL.076-287-6653
営業時間/10:00〜18:00(カフェL.O.17:00)
定休日/木曜日
席数/20席
駐車場/37台
※こちらの情報は取材時点のものです。

 

 

(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)

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