どこかで見たことある風景だと思ったら…。石川県を舞台とした映画10選
目次
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臨場感や迫力という点では映画館には敵わないけど、いつでも好きなときに自宅でまったりと映画を楽しめるのは魅力的。新型コロナが完全に終息するまで、なるべく3密を避けたい今の時期なら尚更です。
そこで今回、BONNO編集部がセレクトするのは「石川県を舞台にした映画」。
歴史に残る名作から「これって石川県が舞台だったの?」という驚きの作品まで、一気にご紹介しちゃいます。
(1)黒い家
監督:森田芳光 出演:内野聖陽、大竹しのぶ、西村雅彦ほか
第4回日本ホラー小説大賞を受賞した同名小説の映画版。保険金殺人がテーマのサイコ映画で、和歌山毒物カレー事件と内容が酷似していることで話題にもなりました。
主人公は内野聖陽演じる若槻慎二。金沢香林坊にある昭和生命保険北陸支社の主任という設定で物語が進んでいきます。金沢工業大学や内灘海岸、浅野川線といった馴染みの風景もチラホラ。金沢出身の女優、田中美里も出演しています。
なんといっても見どころは、大竹しのぶの怪演っぷり。園子温監督の〈冷たい熱帯魚〉が好きな人は、観といて損はないかも!
(2)武士の家計簿
監督:森田芳光 出演:堺雅人、仲間由紀恵、松坂慶子ほか
磯田道史の歴史教養書「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」を原作とした異色の時代劇。監督は〈黒い家〉と同じく、森田芳光氏が務めています。
ざっくりとしたあらすじは、御算用者(今でいう経理係)として代々加賀藩に仕えてきた猪山家の8代目・直之(堺雅人)が、妻の支えを得ながら一家と藩の財政を切り盛りする〜というもの。
ちなみにこの猪山家は実在する家柄で、片町スクランブル交差点近くの〈ポプラ片町店〉あたりに生家があったんだとか。
(3)武士の献立
監督:朝原雄三、出演:上戸彩、高良健吾、西田敏行ほか
武士つながりでもうひとつ。江戸時代の加賀藩に仕えた武士の家に嫁いだ娘が、その家族との絆を深めていく時代劇。上戸彩が8年ぶりに主演を務めた映画としても記憶に新しいところです。
武士といっても将軍家や大名家の台所御用を務める料理人いわゆる包丁侍のことで、加賀藩に実在した船木伝内と息子が残したレシピ集〈料理無言抄〉をもとに、当時の台所事情が再現されています。
すだれ麩を使った〈治部煮〉が美味しそう!
(4)しあわせのかおり
監督:三原光尋、出演:中谷美紀、藤竜也、田中圭ほか
金沢市大野町にある小さな中華料理店を舞台に、店主とキャリアウーマンだった女性との人間ドラマを描いた映画。
ロケ地となった大野町の建物には、現在〈大野湊食堂〉という映画の雰囲気そのままのレトロな中華料理店が入っています。作中に登場する料理は、金沢市西念の〈招龍亭〉で撮影されたそうですよ!
(5)リトル・マエストラ
監督:雑賀俊郎、出演:有村架純、釈由美子、蟹江敬三ほか
志賀町のとあるアマチュアオーケストラを再生させるため、天才指揮者に間違われた女子高生が奮闘する青春映画。主役を演じるのは、まだ〈あまちゃん〉でブレイクする前の有村架純。撮影には石川県立音楽堂などが使われています。
ちなみに主題歌を担当する〈moumoon〉のKOUSUKE MASAKI氏は石川県出身。うつくしい人、いい曲っす。
(6)ゼロの焦点
監督:犬童一心、出演:広末涼子、中谷美紀、木村多江ほか
北陸地方を舞台とする松本清張の長編推理小説が原作。日本アカデミー賞で作品賞ほか計11部門を受賞した、いわずとしれた名作です。
ロケ地として有名な志賀町の〈ヤセの断崖〉は、能登地方の人気観光地のひとつ。今でも毎年たくさんの観光客が訪れています。松本清張といえば〈砂の器〉も、石川県が舞台となっています。
(7)RE:BORN
監督:下村勇二、出演:坂口拓、斎藤工、篠田麻里子ほか
石川県加賀市のコンビニで働きながら慎ましい日々を送る元傭兵が、自らの過去を知る敵と壮絶な戦いを繰り広げていくアクション映画。映画版〈GANTZ〉を手掛けた下村勇二監督と、石川県出身のアクションスター・坂口拓がタッグを組みました。
坂口拓を知らないという人は、Youtubeの公式チャンネルを要チェック。殺し屋が憧れる現代忍者と称されるだけあって、ヤバカッコイイです。
(8)さいはてにて -やさしい香りと待ちながら-
監督:チアン・ショウチョン、出演:永作博美、佐々木希ほか
日本初の世界農業遺産に登録された奥能登を舞台に、コーヒーショップの店主とシングルマザーの女性との交流を描いたヒューマンドラマ。珠洲市でオールロケされました。
舞台となる〈ヨダカ珈琲〉のモデルは、珠洲市にある人気焙煎所の〈二三味珈琲〉。一度フリーペーパー時代のBonNoでも取材させていただいたことがありますが、店主の二三味葉子さんはとても温かい人柄で、映画でもその雰囲気がよく表現されています。
(9)腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
監督:吉田大八、出演:佐藤江梨子、佐津川愛美、永作博美ほか
女優志望で奔放な性格の姉・澄伽(佐藤江梨子)と、ホラー漫画好きの根暗な妹・清深(佐津川愛美)の姉妹が、大騒動を巻き起こすブラックコメディ。真っ赤なワンピースを着たサトエリが立ちつくす印象的なポスターをはじめ、撮影のほとんどが能登町の集落で行われています。
原作を書いた本谷有希子は石川県の白山市出身。2016年には〈異類婚姻譚〉で芥川賞も受賞した実力派の作家さんです。
(10)ゆらり
監督:横尾初喜、出演:岡野真也、内山理名ほか
石川県の海沿いにひっそりと佇む民宿「赤木箱」を舞台に、経営する家族が時を超えて絆を取り戻していくハートフルなファンタジー。能登島がメインのロケ地となっています。
キーアイテムとなる作中に登場する赤いポスト。よーく見ると塗り物のように見えるんですが、もしかして輪島在住の塗師・赤木明登さんの作品(赤木箱だけに)なんでしょうか?気になるところです。
番外編:半沢直樹
ちなみに映画ではありませんが、今年セカンドシリーズが放送される大人気ドラマ〈半沢直樹〉も石川県ゆかりの作品。
堺雅人演じる半沢直樹の出身地が金沢という設定で、作中には俵屋のじろあめなども登場します。新型コロナの影響で放送日が延期されていますが、どんな倍返しが繰り広げられるのか楽しみですね!
(文/吉岡大輔)