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【喫茶店の特等席】④尾山町『プラザ 樹』ホットサンドとコーヒーで昼下がりを憩う

喫茶店を目指して歩きたい「街」がある

近江町市場と香林坊の間に位置する尾山町は、古い建築物が残りいぶし銀の魅力を放つ街。

 

今回訪れたのは、金沢純喫茶といえば外せないであろう名店オブ名店の『プラザ 樹』。尾山町に店を構えて47年の老舗。これといった用事がなくても『プラザ 樹』を目的地に歩きたくなる、そんな場所だ。

 

ご近所マダムや周辺のオフィスで働くサラリーマンたちの憩いの場所なのだろう。店の外観は奥ゆかしくひっそりと佇んでいる。

 

店内は奥に広く、時代を遡るかのようにクラシカルでオーセンティックな雰囲気。慎ましい入り口で抱いた第一印象を良い意味でも裏切ってくれる。

エレガントな猫足チェアと螺旋階段

オープンしたのは1972年。

訪れる客を上質な空間でもてなそうと、内装、家具、インテリアにいたるまでこだわって作られた。2015年までは2階に画廊が開かれていて、作家やアーティストの打ち合わせや商談で賑やかだったとか。

 

赤いベルベットのチェアが印象的。オープン当時からなにひとつ変わっていないという家具やインテリアが、半世紀たった今も艶っぽい。

 

2階の画廊へと続いている螺旋階段がラグジュアリーで昭和レトロ。昔はコーヒーを画廊に運ぶため、スタッフは何度もこの階段を往復していた。

 

店の特等席に座ってひと息つくなら、店内の奥へ奥へ。

 

深い緑。独特の発色をした陶壁が魅力的。まるで、庭の緑とひと続きになっているよう。

ここでしか出会えないものがある。

『プラザ 樹』には、ここでしか出会えないものが3つある。

ひとつめは、窓から見える美しい庭。

 

藩政期から代々の持ち主が大切に手入れし、受け継ついできたという。ドウダンツツジ、サザンカ、赤松、庭石が並んでいて、季節によって様々な表情を見せる。

 

江戸時代に朝鮮から渡ってきたといわれている灯篭は、国内でも珍しく希少なもの。現在では松に雪吊りがかけられて、より一層風情を増している。

 

ふたつめは、奥の壁に飾られた陶壁。

こちらは350年の歴史を持つ大樋焼の本家10代目、現在の大樋陶冶斎(おおひ とうやさい)氏によって手がけられたもの。

 

庭と陶壁を一度に眺めることができる一席に座って、名物のホットサンド(550円)をいただきます。

 

最後に紹介する3つめが、このホットサンド。

 

具材に卵とチーズ、味付け海苔がサンドされていて、一度食べるとヤミツキになり、次回来たときもつい頼んでしまうのだ。ありそうでなかった意外な組み合わせで、オープン以来の人気メニューとして長きにわたって愛され続けている。

 

作り方を見せてもらうと、分厚くカットした食パンを直火式のホットサンドメーカーにセット。具材を挟み、バターをパンの表面にたっぷり塗って火にかける。

 

ジリジリとバターが焼けて、あたり一面にかぐわしい香りが立ち始める。

 

表面はカリッときつね色。美しいビジュアル。

 

こうしてオーダーが入ってから焼かれるホットサンドはアツアツで絶品。

コーヒーと合わせれば、純喫茶のザ・軽食メニュー。本を読みながらでもワンハンドで食べられる。

 

とろけるチーズの塩気と海苔の香ばしい風味に幸福感が。

 

コーヒーは日替わりで、月曜はおまかせコーヒー、火曜日はロブスタ、水曜日はマンデリン、木曜日はトミオフクダ、金曜日はハイチと、曜日ごとに違った豆の種類を用意。それを30年以上変わらずに周回しているというから面白い。

 

時が止まったようにずっと変わらない風景と変わらないメニュー。

その安心感と立ちのぼるコーヒーの香りに癒される。

 

プラザ ミキ

プラザ 樹

石川県金沢市尾山町6-22

TEL.076-232-3258

営業時間/9:00〜17:00(L.O.16:30)

定休日/土曜、日曜、祝日

席数/カウンター7席、テーブル26席 ※全席喫煙可

駐車場/1台

 

※この情報は取材時のものです。

 

(取材・文/森内幸子、撮影/吉田章仁)

 

◯石川県の古き良き喫茶店をフィーチャーするシリーズ企画【喫茶店の特等席】→そのほかの記事はこちら

 

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