中屋彦十郎薬局さん!忘新年会続きだけど胃腸に効く漢方薬ありますか?
12月11日は、胃に(12)良い(11)ということで胃腸の日らしい。忘年会シーズンを乗り切るためにも、一年間負担をかけてきた胃腸の疲れをリセットしておきたい。そんなわけで胃腸に効く漢方薬を教えてもらおうと、金沢片町の『中屋彦十郎薬局』を訪れた。
漢方薬や生薬を販売する『中屋彦十郎薬局』
漢方薬は病気ではなく人に合わせた薬です
『中屋彦十郎薬局』は創業440年の超老舗。歴史上では「本能寺の変」が起こるちょっと前の1579年、今話題の明智光秀が信長に対する激情を沸々と煮えたぎらせている頃に、医王山で採れた薬草や漢方薬などを売り始めた。江戸時代には加賀藩前田家の伝承薬「紫雪」「耆婆万病円」「烏犀円」を製造し、当時使用された道具類が国の登録有形民俗文化財に指定されるなど、とにかく由緒ある薬局なのである。
店内には生薬のほかさまざまな漢方薬が並んでいる。
明治時代に発行された引札が歴史の深さを物語る。
今回のテーマ「胃腸に効く薬」をレクチャーしてくれるのは16代目の中屋征士郎さん。まずは漢方薬について聞いてみた。
「漢方薬とは、中国を起源に日本で独自の発展を遂げた漢方医学で使われる薬のこと。人間の感情や精神状態を重視しながら、症状の変化や体質なども考慮して薬方を決定するのが特徴です。たとえば西洋医学では頭痛に対して鎮痛剤や鎮静剤を用いますが、漢方医学では神経性の頭痛、寒冷による頭痛、発熱による頭痛、生理的な頭痛など、その原因や症状、体質の変化やライフスタイルに応じて、薬方の用い方が違ってきます」と中屋さん。
なるほど。「病気ではなく病人をみる」という言葉があるように、人ありきで処方されるのが漢方薬のようだ。
お店を切り盛りする16代目の中屋征士郎さん。
胃腸に効く漢方薬はこれだ!
漢方薬というものがなんとなく分かったところで、おすすめの胃腸に効く薬をひとつずつ聞いてみる。まずは「片仔黄(へんしこう)」から。
「片仔黄は、日本の伝統的な処方をもとに構成された健胃消化薬です。お酒を飲んで顔が赤くなるような方は、これを食前に服用すると二日酔いになりにくく、もたれや胃部や腹部の膨満感、食欲不振などにも幅広くお使いいただけます。一回の用量も3丸と少ないので、手軽に服用することができます」
片仔黄63丸入り1,900円(税抜)
「牛黄カプセル」は、お酒をたくさん飲みたい人におすすめ。
「これを直前に1カプセル服用すれば、肝機能が高まっていつもよりたくさん飲めるようになります。付き合いが多かったり、酔い過ぎると困るといった方におすすめです」
牛黄カプセル2包入り2,770円(税抜)
二日酔いになってしまったらゴレーンNを服用しよう。
「ゴレーンNは、水滞や水毒という漢方の症状、すなわち体内の水分代謝がうまくいかないときに用いる薬です。できるだけ早くお酒を身体から抜きたいときはこれですね」
ゴレーンN180錠入り4,800円(税抜)
どうしようもないときは「ハンシャンN」を使うしかない。
「胃につかえた感じがあって嘔吐までするときはこれ。二日酔いで胸焼けやゲップが続いたり食欲がないときは、調子が良くなるまで服用してみましょう」
ハンシャンN135錠入り4,800円(税抜)
そのほかにも胃酸過多に有効な「弘真胃腸薬」や、胃のもたれやむかつきを抑える「清中丹」、消化を助ける「加味平胃酸」なども紹介してもらったけど、残念ながら割愛。胃腸に効く漢方薬といっても、症状によって色々とあるようだ。
由緒ある家系に伝わる継承薬にも注目
『中屋彦十郎薬局』では、先代から受け継がれた古典の医学書をもとに、300種類以上ある生薬を症状ごとに自家配合した無添加の漢方も販売。より慢性的な胃腸のトラブルを抱えている人はこちらを試してみよう。ちなみに同店の代名詞となっている「混元丹」は、滋養強壮に効く養命酒的な存在として昔から愛されている中屋家の伝承薬。金沢のじじばばなら確実に知ってるはずなので、年末年始に里帰りしたときは聞いてみよう。
生薬を組み合わせた無添加の漢方薬も販売している。
混元丹200g 4,000円(税抜)
場所は香林坊のミスドのお隣。クラブ好きなら「BASE」のビルといえば分かるはず。片町で忘新年会が開かれるときは、早めに現地入りして立ち寄ってみてはいかがだろう。
中屋彦十郎薬局
ナカヤヒコジュウロウヤッキョク
石川県金沢市片町1-1-29 混元丹ビル1F
TEL.076-231-1301
営業時間/9:00~18:00(土曜は〜16:00)
定休日/日曜、祝日
駐車場/近隣にコインパーキングあり
※こちらの情報は取材時のものです。
(取材・文/吉岡大輔、撮影/吉田章仁)