地獄の香りを体験!?立山博物館の『まんだら遊苑』が想像以上にアートだった
富山県に地獄世界を体現したテーマパークがあると聞いて行ってきました。とっても不思議な体験ができる場所。小さなお子さんとのお出かけスポットにいかがでしょう。
施設があるのは、富山県中新川郡にある立山博物館。金沢からは高速を使って1時間20分のドライブです。
立山博物館は立山の自然や歴史・文化を学べる公営施設。
『まんだら遊苑』は東京武道館や宮城県の感覚ミュージアムを手がけたことで知られる建築家の六角鬼丈氏が総合プロデュース。神々が宿る山として信仰されてきた立山の曼荼羅の世界観を五感的に表現しています。
こちらが「立山曼荼羅」の吉祥坊本(立山博物館蔵)。立山の景観を背景に、閻魔大王や鬼に責められる亡者の立山地獄の様子などが描かれている。
「地界」「陽の道」「天界」「闇の道」の4つのエリアに分かれた苑内を歩くことで、生まれ変わりが体験できるのだそう。
布橋を渡って「まんだら遊苑」へ。立山信仰では橋の向こう側があの世、手前がこの世とされている。不思議なあの世の体験。
地界エリアから出発。
地表から1万4千キロ離れた地底にあるという地獄百景を描いた模型や八熱地獄を表す通路では、鬼や人の叫び声が飛び交い、おどろおどろしい雰囲気にドキドキ。視覚、香り、光、音、温度が加わって五感を刺激されます。
野外の広場を取り囲む針山。積み上げられた岩の隙間から、餓鬼の声が聞こえてくる…。
鐘を鳴らすと、稲妻とともに人間を裁く閻魔の憤怒の声が聞こえてくる音界閻魔。
八寒地獄を表現した精霊橋。足元はガラス張りで、先端は下を流れる常願寺川へと突き出しているというクレイジーな作り。
地獄を抜けだすと、立山の自然に囲まれた天界へ向かう陽の道へ。その先は極楽浄土の世界へと続きます。国内外のアーティストが天界をイメージして創作したアート作品の展示があり、美術館感覚で楽しめるエリアへ。
スペインの建築家エンリック・ミラレスの作品「天界窟」。
造形作家の熊井恭子作「せんまんなゆた」。7人のアーティストによる7様の作品が展示されている。
天卵宮(てんらんきゅう)と呼ばれる大きなドームでは、靴を脱いで中に入ることができます。ここは、生まれてくる前の母なる胎内の記憶を疑似体験できる空間です。しばらくの間頭と心を空っぽにして、瞑想にふけってみましょう。
天井高く作られた巨大ドーム。内部に入ると色と音の振動に包まれる。
ドーム内では、黒い円内に座ったり、寝っ転がったりしながら、2~3分の瞑想タイムを体験。
手に汗握る地獄の後に広がる初体験の極楽浄土。
五感をフル活用しながら巡る『まんだら遊苑』。現実世界へ戻ってきた時には、生まれ変わったような新鮮な感覚を味わうことができます。苑内には子供たちが自由に遊べるエリアも多く、お子さま連れにもオススメ。気になった方は、ぜひ一度訪れてみてください。
富山県[立山博物館]まんだら遊苑
タテヤマハクブツカン マンダラユウエン
富山県中新川郡立山町芦峅寺93-1
TEL. 076-481-1216
営業時間/9:30~17:00(入館は16:30まで)
定休日/月曜日(祝日を除く)、祝日の翌日、年末年始 ※まんだら遊苑は12月1日~3月31日冬季休苑
駐車場/200台
料金/一般400円(大学生以下と70歳以上無料)20名以上の場合団体割引有り
※この情報は取材時のものです。
(取材・文/森内幸子、撮影/林 賢一郎)