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コラーゲンたっぷり。呑兵衛が愛する『今伴』の焼き豚足

コラーゲンが美容や美肌にいいかどうかはまだ研究段階。でも、もはやプラシーボ効果で肌がキレイになるんじゃ?なんて思うんだけど、女性の方どうでしょう。いや、髪にも良いっていうんだから男だって無視できない。

 

ちなみに1月26日はコラーゲンの日。1960年のこの日に、日本皮革(現ニッピ)の研究員である西原富雄氏がコラーゲンの可溶化に成功し、特許を出願したことにちなんで制定されたそうだ。

 

さて、コラーゲンが豊富な食べ物と聞いて、飲兵衛な筆者の頭に浮かんだのが豚足。塩こしょうの利いた庶民的な味。決してシャレっ気はないけど、ビールでも焼酎でもどんな酒にも合うし、なにより安い。そして、豚足と聞いて真っ先に思い浮んだのが、金沢有松にあるロックな居酒屋『今伴』だ。

 

金沢有松にある居酒屋『今伴』

 

焼き豚足が名物のロックな居酒屋。

数年ぶりに訪れた『今伴』は、相変わらずロックだった。大きな豚の看板、手書きのメニュー、提灯とネオン。まとまりがないようでまとまってる外観と、隠れ家的な雰囲気の店内には、新宿ゴールデン街の居酒屋のようなアングラ感が漂っている。金沢駅からバスで一本。目の前にバス停があるので、アクセスも悪くない。

 

なぜ、豚足なのか。店主のジョージさんはこう話してくれた。

 

「実家が豚足の卸しをやってるんです。父親はもともと焼肉屋の店主。知人から豚足の卸の仕事を教わってから、その仕事に集中するために店を閉めました。自分が居酒屋を始めたのもそのとき。それまで飲食店で働いたことはなく、ゼロからのスタートでした」

 

じつは〈豚足の今伴〉といえばこの界隈じゃ有名。今はジョージさんのお兄さんが後を継いでいるそうで、ジョージさんはまた別の角度から家業を支えているというわけだ。

 

アングラな雰囲気が筆者のお気に入り。店のメニューも本人が書いている。

 

ジョージさんがお店を始めたのは21年前。24歳のときだった。前述した通り、ゼロからのスタート。それでも豚足をはじめとする料理の腕に磨きをかけ、客足は少しずつ増えていった。その一方で、バンドマンとしても精力的に活動。グレッチ片手にブイブイ言わしていたのを筆者はこの目で確認している。現在は書道家としても活躍。居酒屋やバーなどの看板製作も手がけているそうだ。

 

店主のジョージさんこと麻田 浩さん。

 

恥かしがらずに、骨までしゃぶりつけ。

〈今伴の豚足〉を紹介する前にひとつ。コラーゲンとはなにかを確認してみる。

 

主に脊椎動物の真皮、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質のひとつ。(中略)ゼラチンはコラーゲンを変性させたものであり、食品、化粧品など様々に用いられる。(中略)また、骨や軟骨の内部では、びっしりと詰め込まれたコラーゲン細繊維が、骨や軟骨の弾力性を増すのに役立っており、衝撃で骨折などが起こることから守っている。また、皮膚の弾力性や強度に役立っている、などである。

(出典:Wikipedia)

 

なるほど。コラーゲンはタンパク質であり、ゼラチンはコラーゲンから作られたもの。ということが分かった。そうこうしていると、ジョージさんが豚足を焼きはじめた。

 

「まず、皮に焼き目をつけて、それから裏返して15分。ゼラチン質が溶けないくらいの火加減でじっくりと焼く。じゃないと、せっかくのぷるぷるな食感が台無しになってしまうから。できあがりのイメージは、外はパリッ、中はとろとろ。20年越しで焼いてるから、最初に比べると上手くはなったかな」

 

焼くというよりは温めると言ったほうが近いかも。

 

味付けは塩こしょうだけ。これがまた絶妙な塩加減で、下処理が上手いのか臭みもまったく感じない。何本も食べたいときは、今川酢造の純米酢を使った専用の酢醤油で、味変してみるのもあり。要望さえあれば、蒸した豚足に酢味噌をつけて食べる関東式にも対応してくれる。

 

ちなみにこれまでお客さんが食べた豚足の最高記録は、男性が3人で57本。女性は2人で18本だそう。いくら好きでも、それだけ食べたら飛べない豚になっちまうぜ…。

 

焼き豚足350円。コラーゲンたっぷり!

 

ある程度ハシでつまんだら、残りは骨ごとしゃぶるべし。

 

もうひとつの名物が、皮付きの豚バラ肉をブロックごと特製のたれに漬け込んだ自家製チャーシュー。身はしっとり、皮はコリコリ。豚足とはまた違った、豚の旨味が堪能できる。継ぎ足しのたれも深みがあって最高に旨い。

 

皮付きの今伴チャーシュー780円。

 

とろ火で2時間、冷蔵庫で丸一日寝かせて完成。

 

「こんなのも作っているんだ」と、ジョージさんが出してくれたのは、自家製のジンジャーエール。一口飲んだ瞬間に、ジンジャーの香りが鼻孔を抜けていく爽快感。一杯目はビール派だけど、これなら喉越しが楽しめるし、生姜効果で食欲が増す気がする。かけつけにぴったりだ。

 

元となる手作りのジンジャーシロップを使って、カクテルやハイボールも作ってくれる。

 

自家製ジンジャーエール500円。

 

数年ぶりの連絡にも関わらず、取材にも快く応じてくれたジョージさん。筆者にとっては、金がないときに安く飲ませてもらった思い出の酒場。今度はゆっくり、また来よう。

 

 

Food & Drink 今伴

フードアンドドリンク イマハン

石川県金沢市有松2-15-3
TEL.076-242-3210
営業時間/18:00~23:00(L.O.22:30)
定休日/火曜日
席数/カウンター6席、テーブル6席
駐車場/なし
※こちらの情報は取材時のものです。

 

(取材・文/吉岡大輔、撮影/吉田章仁)

 

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