違いから学ぶこと|DJ TOSHIKIのオトノイロ #01
コラムタイトルである〈「聴く」を考える〉ですが、「なんか大きい話すぎて意味わからん」って方もいますよね?そして、おそらく今このコラムを読んでくださっている方のほとんどが聴こえる人だろうとも思っています。ある統計では、生まれつき聴覚に障害がある方は約1000人に一人といわれています。私もこれまで普段の生活のなかで、聴覚に障害がある方と接する機会はすごく少なかったし、皆さんも同様ではないでしょうか。
でも、実際に聴覚に障害がある方と接すると、気付きと学ぶことがとても多いんです。
以前に私がDJをしているクラブに、聴覚に障害がある方が数人のグループで遊びにきていたときのこと。少し失礼かな?とも思いながら「聴こえなくてもクラブ楽しい?」と質問してみました。彼らは笑顔で「楽しい!低音の振動を感じるし雰囲気が最高!」と。聴覚に障害があっても音楽を楽しんでる人がいるんだと気づいたし、何より低音でリズムを感じたり、クラブの雰囲気を楽しんでくれてることがDJとしてすごく嬉しかったんです。何か自分が初めてクラブに行ったときの「何にも分からないけどとにかく楽しい!」という感覚に近いのかなと勝手に想像して少し羨ましくなるくらいでした。
そんな経験が今の私の活動を始めた大きなきっかけのひとつです。
私が今運営している一般社団法人NEIROという団体の大きな目的は「聴こえる・聴こえない関係なく、同じ空間を楽しむ」場所をつくっていくこと。「聴こえる・聴こえない」で分かれるのではなく、それぞれが「聴く」ということを通して自分との違いから学ぶことはまだまだたくさんありそうです。
聴こえる人、聴こえない人が楽しめる空間づくりを目指して。