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DJと音楽の新しいカタチ|DJ TOSHIKIのオトノイロ #21

「聴こえる」と「聴こえない」の垣根をエンターテインメントで結びたい!スポーツDJとして活躍するDJ TOSHIKIが、聴覚障害者への理解を深め、インクルーシブな社会実現を目指します。

 

これまでこのコラムで何度も触れてきましたが、音がきこえない・きこえにくい人の中にも、音楽が好きな人はたくさんいます。メロディは分かりづらくても歌詞が好きだったり、低音の振動でリズムを感じたり、かっこいいダンサーもたくさんいます。そして自分はこれまで、DJとして活動してきた経験を活かして「きこえない・きこえにくい人に音楽をより楽しんでもらうにはどうすれば良いのか」といったテーマに取り組んできました。きこえない人に「音楽を楽しんで」と提案するのはどうなのか?という意見もありますが、それぞれが好きな方法で自由に楽しめることが音楽の良さであり、DJの視点から「新しい音楽の楽しみ方」として提案しているのです。

 

「AlphaTheta 株式会社」が開発したDJソフト”rekordbox”には、”Lyric Visualization”という機能があります。Lyric Visualizationとは、楽曲の歌詞をスクリーンに表示できる機能で、楽曲に合わせて歌詞が映し出されるため、聴覚だけでなく視覚的にも曲を楽しむことができます。歌詞のフォントや表示の仕方もかっこよくデザインされているから、DJの雰囲気を壊さず楽しむこともできる。また、”Lighting Mode”という機能もあり、照明機器と楽曲を連動させることで、自動的に曲に合わせた照明演出が可能になります。

 

 

先日、横浜みなとみらいにて行われた「YOXO FESTIVAL」では、「AlphaTheta 横浜DJ Lab」様が出展したブースで、DJ × Lyric Visualization × Lighting × Ontenna のパフォーマンスが披露されました。Ontennaとは音を振動に変換するデバイスで、DJと連動させることで曲のリズムに合わせて振動する仕組みのこと。これを組み合わせることで「聴覚」だけでなく「視覚」と「触覚」でも、リズムや音楽を感じることができ、まったく新しい音楽の楽しみ方ができるのです。

 

会場では大人も子供もこの取り組みに興味津々。こういったイベントで多くの人に体験してもらうことで、きこえない・きこえにくいとはどういうことかをたくさんの人が知るきっかけにもなります。そしてこの取り組みには、アイデアやテクノロジーを使うことで、いろんな音楽の楽しみ方があり、それによって様々な人が一緒に音楽の楽しさを共有できるということを伝える目的もあります。実際にろう者の知人にもこの取り組みを紹介したところ、「歌詞が見えるのが嬉しい」「実際にどういう曲が流れているのかわかるから楽しい」「振動でリズムはわかるけど、やっぱり歌詞は重要」などなど、より良いものにするためのヒントとなるようないろんな意見がありました。

 

自分たちNEIROは”新しくて、面白くて、かっこいい”を理念に活動しています。最初は”誰かが楽しめるように”という思いで小さなところからスタートしたものが、いろんな方達の力が集まり、アップデートされました。そしてこれからも”誰もが楽しめるもの”をつくっていくことで、新しい何かを生み出していきたいと思っています。

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