煩悩バンザイ!石川県がもっと
楽しくなるウェブマガジン「ボンノ」

Kan Sanoの音楽的ライフ【観ずる日々】第8回:みんな元気ですか

Kan Sanoの音楽的ライフ【観ずる日々】
新世代のトラックメーカーとして注目を集める金沢市出身アーティストKan Sanoの音楽的ライフをちょっと覗き見。

自粛生活がこんなに長引くなんて数ヶ月前は想像できなかった。2月末「月見ル君想フ」でのライブがライブハウスでの最後の演奏になった。あの日はオーディエンスに360度囲まれながら演奏する特殊な企画で通常のライブ以上に「ライブ感」が強かった。ひとたびバンドがはじけると、会場全体のグルーヴがうねり出すような高揚感があった。現場で体験するライブならではのゾクゾク感だったし、今でも肌に余韻が残っている。

 

この数ヶ月間、Twitterは日夜議論の場、批判の場となりなんとも重苦しい。娯楽を求めてみんなインスタに集まり、インスタライブが急増している。僕自身は自分にできることを毎日考えながらいくつかの新しい試みに参加した。星野源さんのコラボ動画、m-floのTaku Takahashiさん主催のオンラインフェス「BLOCK.FESTIVAL」、所属レーベルorigami PRODUCTIONSがインディーズミュージシャンのために始めたHome Sessions、金沢Favo主催のオンラインマーケット「The Shipping Market」。毎日ゆったりしたペースで過ごしているが、こうして並べてみるとそれなりに濃い一ヶ月だった。

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

session with @iamgenhoshino ! #うちで踊ろう #星野源 #kansano

Kan Sano(@k.an.s.an.o)がシェアした投稿 –

いずれも自宅からの配信だったので誰とも会ってないが、オンラインフェスは準備の過程で急遽機材が必要になり、結果Takuさんには三度も自宅に来て頂くことに。大先輩にわざわざ東京の端まで来て頂きながら家の中にお招きできないのはなんとも心苦しかった。

 

先日必要に迫られて近所のホームセンターへ行ったら予想外に混雑していて入るのをやめた。自粛への向き合い方は人によって温度差があり、そこから亀裂や衝突が起きているのが辛い。もともと家に引きこもりがちな僕は更に引きこもりになり、この2ヶ月ほとんど外出していないが、今まで通り行きつけの美容室には月一で通い、支援したい近所の飲食店でたまにテイクアウトしたりしている。自分一人の行動がどれほどの助けになるのか分からないが何もしないよりはいい。この感じは選挙の一票と同じだ。

 

数日前、コロナ陽性のため療養中の方からインスタにDMが届きショックを受けた。何かしら行動していないと落ち着かない。こういう時仕事があるのは救いだ。集中できることがあると気が紛れる。とは言え仕事もこの先どうなるか分からない。
もとの暮らしに戻れるのはいつだろう。自粛が長引き社会が息苦しくなればなるほど、よりガス抜きが必要になるし、正気を保つのが難しくなってくる。

 

3月から毎月プレイリストを更新している。家にいても音楽を聴けばどこへでも連れて行ってくれるし脳内濃厚接触なら何も問題ない。プレイリストを共有することは僕にとってもフォロワーにとっても小さな救いになっているように思う。

 

Apple Music

 

Spotify

 

漫画「サターンリターン」の新巻が出た。単行本派なので半年に一度の楽しみだ。最近はこういうささやかな楽しみを持てる有り難みを強く感じる。

 

サターンリターン (3) (ビッグコミックス)
鳥飼 茜(著)
小学館 (2020-04-27T00:00:01Z)
5つ星のうち4.0
¥591税抜

 

連載中の漫画を読むと、作者と同時代を生きてる実感を味わえるから嬉しい。「血の轍」もそのひとつ。

 

血の轍 (8) (ビッグコミックス)
押見 修造(著)
小学館 (2020-04-27T00:00:01Z)
5つ星のうち4.9
¥591税抜

 

こちらは戦後のポピュラーミュージックを政治と絡めながら考察、批評する本。日本人の政治への無関心、批判することを良しとしない風潮、事なかれ主義がどうやって出来上がったのか、これを読むとよく分かるし興味深いです。

 

ポスト・サブカル焼け跡派
TVOD(著)
百万年書房 (2020-01-31T00:00:01Z)
5つ星のうち4.0
¥2,400税抜

 

 

 

◯Kan Sanoの音楽的ライフコラム【観ずる日々】

→バックナンバーが読める記事一覧はこちら

 

 

 

執筆者プロフィール

Kan Sano

石川県金沢市生まれ。キーボーディスト/トラックメーカー/プロデューサー。バークリー音楽大学ピアノ専攻ジャズ作曲科卒業。国内外のアーティストのライブやレコーディング、コンピレーションに多数参加するほか、自身名義の最新アルバム「Ghost Notes」が好評発売中。

HP:Kan Sano公式
インスタグラム:@k.an.s.an.o
ツイッター:@kansano
フェイスブック:@kansanomusic

WHAT’S NEW新着記事