
愚痴のサンドバッグ|裕子の艶言葉 #87
酒が入れば心も開く。金沢屈指の名門クラブに在籍し、現在は木倉町でワインバーを経営する裕子さんの酸いも甘いも知り尽くした人生談義。酒席で老若男女の心の声に耳を傾けてきた夜の蝶ならではの言葉は、まるで美酒のごとく身体の奥まで沁みわたります。
元々の“強そうでリーダーシップがある”ように見えるキャラクターに加え、メンタルケアに関わったり、癒しのハンドメイドグッズでワークショップをしたり、産業カウンセラーの資格まで取得したものだから、人から相談や愚痴を聞く機会が、人生の中でたくさんありました。
その中でも、ネガティブな思い出がいくつかあります。
そこまで親しくない人に「相談があるから聞いてほしい」とお願いされて…。例えば、深夜の仕事終わりにクタクタな中、いい顔をして約束してしまい、なんとか待ち合わせ場所へ出向いて、さんざんお酒を飲みながら話を聞いて(だいたい恋愛沙汰)。その上でお会計が割り勘だった時に腑に落ちなくて、ただ疲れと「奪われた」感覚だけが残ったり。
他の例では、朝まで飲みながら何時間も愚痴を聞いて慰めた翌日、「何話したっけー!記憶ないー!笑」と言われた時の虚無感たるや。二度とあなたの話は聞かないよ、と心に誓ったり。
なにせ30代半ばまでは、仕事や恋愛を含む人間関係において、まったく心や身体が動かない相手にも無理して合わせることが、とても多い人生でした。今思い返すとその頃の自分は、恥ずかしいほどに見栄っ張りで、他人によく思われたくて、期待に応えたくて、自分を見失っていることばかりでした。
今の自分なら、まず気が向かない場合、その状況はきちんとお断りします。万が一断りきれずに似た状況になったとしても、「自分が選んだ」とスッキリ割り切ることができる。むしろ、これはマウンティングに近いかもしれませんが、手切れ金としてご馳走しておきたい気持ちです。
結局、「その時の自分」に余裕がなくて、相手にいい顔をしようと身を削り、勝手に自分ひとりで奪われた感覚になっていただけ。余裕のない者同士が集まっても負の連鎖。負の連鎖は依存を招き、依存は執着、執着は愛ではない。愛と勘違いした依存。それもまた負の連鎖なのです。
しかしそれが不思議と……今はそんな状況に陥ることがすっかりなくなりました。きっと、やっと自分の強さや柔和さを活かして生きられるようになり、そういう負の連鎖のスパイラルからきれいに抜け出せたのだと思います。歳を重ねるって、マイナスのように感じる方も多いようですが、いいものですよ。
「欲深さ」や「周りによく思われたい見栄」の衣が、何の役にも立たないと知ることができれば、今まで背負っていた重たい鎧を、楽に脱ぐことができます。
あなたは、誰かの愚痴のサンドバッグになっていませんか?誰のための人生ですか?
艶小噺
人生初体験、先日ラジオに出演させていただきました。パーソナリティはまさかまさかの、テリー伊藤さん‼オシャレで知的、ぶっ飛んでいるのに誰も傷つけない言動。カッコいい大人代表の、憧れのテリーさん。
出演はお悩み相談のコーナーだったのですが、ラジオの担当さんとテリーさんの打ち合わせで、あたしの写真を見たテリーさんが「あぁ、この人ねぇ、悩みないよ。お店の宣伝しに来たら〜」とおっしゃっていたそうな。
見抜かれているっ‼
とは言え、敏腕プロデューサーとして、エンタメ業界のご意見番としてのテリーさんのご意見を伺いたく、しっかりと相談してまいりました。ご視聴いただいた皆様、誠にありがとうございます‼
覚悟、決めます‼

