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まだ間に合う!県民割対象の工芸イベント「IKI TOURISM」体験レポート

長かった「まん防措置」もようやく解除。まだまだ余談を許さない状況ではありますが、石川県民の県内旅行を対象にした割引キャンペーン「県民割」の第3弾も再開されて、これからどこに行こうか考えている人も多いかと思います。

 

そんな方たちにオススメなのが、金沢の伝統文化を本格的に体験できる「IKI TOURISM」。今回は加賀蒔絵と金継ぎ、さらには九谷焼と、実際に体験してきた模様をお伝えしてまいります!

 

IKI TOURISM とは?
自身が伝統工芸の職人となって、歴史や文化を学びながら作品を制作できる工芸体験。「九谷焼編」ではろくろ挽きや絵付けを、「蒔絵・金継ぎ編」では私物に蒔絵を施したり、欠けたりヒビが入ってしまった器の修復に挑戦できる。

 

金沢学生のまち市民交流館

金沢ならではの伝統文化をリアルに体験

7月某日、編集長の佐藤から一本の電話が入ります。

佐藤

おつかれさまです!今週の日曜日、空いてますか?

ヨシヲカ

はい、空いてますよ〜

佐藤

じつは息子の誕生記念にもらった大切なお皿が割れてしまって。日曜日に開催される金継ぎ体験で直してこようと思ったんですけど、急用が入ってしまったんですよ

ヨシヲカ

ふむふむ

佐藤

器用そうなヨシヲカさんに、お願いできないかと思いまして…

ヨシヲカ

ミスター器用貧乏とは僕のこと。ぜひお任せください!

こちらがそのお皿。見事にパッキリと割れていますが、果たして上手に直せるのかどうか…。

 

そんなわけでやってきたのは、金沢市片町にある「金沢学生のまち市民交流館」。加賀蒔絵と金継ぎの体験が行われる会場です。

 

参加者は30名ほど。それぞれが蒔絵を施したいものや金継ぎで直したいものを持参する中、筆者も編集長に託されたお皿を小脇に抱えて入館します。

 

 

こちらは講師の高田光彦さん。蒔絵師として数々の作品を生み出しながら、モンゴルの恵まれない子供たちに蒔絵の技術指導や就労支援活動を行うなど、様々な角度から加賀蒔絵の普及活動に力を注いでいます。

 

体験前に高田さんによる蒔絵講座もあったのですが、ひとつの作品が完成するまでにどれくらい時間がかかるのかなど、興味深い話ばかりで。筆者はもちろん参加者全員が聞き入っていました。

 

ちなみに蒔絵というのは、漆器の表面に漆で絵や文様、文字などを描いて、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を蒔いて器面に定着させる技法のことを言うそうです。

 

花鳥蒔絵を施したレスポールは高田さんの代表作のひとつ。EXILEのPVでも使用されたんだとか。

 

筆者が体験する金継ぎは、漆と金を使って修復する日本古来の技法のこと。当日は土台を作って、欠けた部分を埋める工程までを体験しました。

 

体験が始まると会場内には漆の匂いが漂って、今からまさに伝統工芸が始まるといった感じで身が引き締まります。

 

漆と小麦粉をねりねり。

 

できた刻苧漆をぬりぬり。

 

テープで留めたらひとまず終了!

 

時間が余ったので武曽健一さんの器も直してみました。

 

仕上げの金装飾は高田先生におまかせ。およそ4ヶ月後に、修復した器を送ってもらえるそうです。

 

自分のものではないけれど、器を生き返らせるのって気分が良いものですね。皆さんもぜひチャレンジしてみてください!

 

 

同時に行われた蒔絵体験では、包丁やウクレレ、ライターなど、参加者の皆さんがそれぞれ思い入れのあるものに、500円玉サイズの蒔絵を施していました。

 

蒔絵は金もしくは銀の選択が可能。

 

図案の作成から、デザインの転写、金粉まきといった本格的な体験になるので、こちらは所要時間3〜4時間と長め。そのぶんじっくりと工芸に打ち込むことができそうです。

 

九谷光仙窯

応募締め切りは10/28(木)17:00まで!

ところ変わってこちらは、九谷焼体験が行われた金沢市野町の「九谷光仙窯」

 

当窯の五代目であり講師の利岡光一郎さんの案内による工房見学から始まり、こちらでも九谷焼の歴史や技法をしっかりと学ぶことができます。

 

ろくろを用いた器の成形と、絵付けのデザイン作成のふたつが体験のメイン。失敗しても何度でもチャレンジ可能なので、子供連れでも気軽に参加することができます。

 

失敗しそうになっても利岡先生がフォローしてくれるので安心。

 

ろくろ体験が終わったら絵付けのデザイン作成に取り掛かる。

 

また、出来上がる過程とエピソードを動画で撮影したものが特典となっているのも魅力のひとつ。作品と一緒に送られてくるそうなので今から楽しみです!

 

そんな「IKI TOURISM」ですが、次回は11月3日(水)の文化の日に開催されるとのこと。予約受付は明日(10/28)17:00までとなっているので、ぜひこの機会に金沢の伝統文化を堪能してみてはいかがでしょうか?

 

【県民割対象】九谷焼オリジナル作品制作体験&ツエーゲンvs愛媛戦観戦についてもっと知る

 

IKI TOURISM
日程:2021年11月3日(水)
開催時間:13:00〜21:00
会場:九谷焼窯元 九谷光仙窯および西部緑地公園 陸上競技場
集合場所:JR金沢駅金沢港口(西口) 金沢駅西広場団体バス乗降場
料金:17,500円
HP:https://kanazawa-iki-project.com

※こちらの情報は取材時点のものです。

 

 

(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)

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